2020年10月からの予防接種の間隔変更について
                                                  2020.9.27更新

 2020年10月1日、ロタウイルスワクチンの定期接種とともに、予防接種の間隔が変更になります(厚労省の発表はこちら)。これは、制度変更と言うよりは、今までの日本独特の特殊なローカル・ルールを世界標準に合わせただけであり、接種に関する繁雑な制約が無くなる分、歓迎すべき変更と考えます。



①注射生ワクチン(MR、水痘、おたふく、BCG)を打った場合は、従来通り他生のワクチン接種(MR、水痘、おたふく、BCG)は1ヶ月あける。


 
これは、生ワクチン中のウイルスが、他の生ワクチンの増殖に干渉する可能性があるためです(他の生ワクチンの増殖を邪魔して、免疫が成立することを抑えてしまう)。この生ワクチンの接種間隔をあける対応は、世界中で行われています。これは、注射生ワクチンのみが対象で、不活化ワクチン、経口生ワクチンの接種は問題ありません。

②不活化ワクチン(ヒブ、プレベナ-、4混、B肝、日脳、インフルエンザ、A肝、ガーダシルなど)、経口生ワクチン(ロタウイルス、生ポリオなど)は、 他のワクチンとの間隔を考えなくて良い。

 
これらの不活化ワクチン成分や経口生ワクチンは接種したからといって、他のワクチンの効果に影響を与えることはありません。そのため、 外国では元々これらのワクチンの接種後に制限はありませんでした。日本だけが規制していたのです。

 何故このような「しばり」が作られたか詳細は不明ですが、ワクチンを接種した後、2~3日は副反応がでるかもしれないから、様子を見た方が良い、というような医学と関係ない安全策として決められたのかもしれません。


③ただし、同一ワクチンに関しては一番効果があるタイミングで追加接種を考える。 したがって、同じワクチンに関しては、不活化ワクチンでも今まで通りの接種間隔で行う。


 
不活化ワクチンがいつでも接種できるといっても、たとえばヒブワクチンを4日連続で接種しても、効果は変わりません。1ヶ月間隔で3回、追加は1年を目安に受けることが基本です。(一番、効果が高まります。)

 あくまで、接種間隔が無くなるのは、他のワクチンを接種する場合です。このあたりは、シナジスと同じ対応になります。

 しかし、厚労省のHPをみると、同じ不活化ワクチンの接種間隔に関する、馬鹿馬鹿しい特殊ルールは温存されるようです。この意味の無い、繁雑な規制(たとえば、ヒブワクチンは、3回目を接種してから7ヶ月後~13ヶ月未満に追加接種することになっているのに、小児用肺炎球菌ワクチンは60日以上あければ追加接種しても良いことになっている。また、ヒブ、肺炎球菌は初回は27日以上あけるのに、四種混合は20日以上になっている、など。)も同時に撤廃してほしかったです。

     *ワクチンの接種間隔の規定変更に関するお知らせ(厚生労働省)