吐き気のケア編                       2024.4.3

ホームケア編にも嘔吐・下痢の時にの解説があります。あわせて、お読みください(こちら→ホームケア編 嘔吐・下痢の時に

●赤ちゃんが吐きやすい理由は?(1か月)


赤ちゃんの胃には、大人の胃のようなふくらみがありません。また、胃の入り口の筋肉の締まりがしっかりしていないので、母乳・ミルクを飲んだり、離乳食を食べ過ぎたりすると、それだけで吐きやすくなります。

生まれつきの病気のために吐きやすい赤ちゃんもいますが、そうでなければ成長とともに吐く頻度は少なくなってい区でしょう。


●健康な時の嘔吐と病気の時の嘔吐の違いは?(3か月)

繰り返ししつこく吐く、噴水のように勢いよく吐く、体重の増え方が良くない、泣いてばかりいる、発熱などの症状ある、などの時は病気の可能性があります。

一方、授乳後に口の端からタラタラと吐くのは、溢乳といって心配はありません。また、ゲボッと吐いてもその後の機嫌が良ければ大丈夫です。これは、授乳の時に飲み込んだ空気が出てきたためです。

●吐き気がある時に注意が必要なことってある?(5か月)

嘔吐が続く時に注意したいのは脱水症です。激しい嘔吐や下痢などによって、体内の水分が不足してしまう症状です。

水分は、細胞や各器官へ酸素や栄養の供給と老廃物の排出を担い、生命活動に不可欠な役割を担っています。

大人は体重の約60%が水分ですが、赤ちゃんは約7080%が水分と割合が高く、大量の水分が必要です。水分の不足は、赤ちゃんの命に関わることもあるのです。


●脱水症の目安は?(6か月)

脱水症の分かりやすい目安は、おしっこの回数・量です。おしっこの回数・量が減った、紙おむつが異常に軽い、などがみられる時は脱水症を疑い、水分を与え、当クリニックを受診しましょう。

症状が進むと唇は乾き目は落ちくぼみ、おしっこは出なくなり、さらに悪化すると呼んでも反応がなくなります。これは危篤の状態で、大至急病院を受診しなければなりません。

●吐き気がある時の受診の目安を教えて(7か月)

38.5℃以上の熱があり、何回も吐く、ぐったりして元気がなく、ほとんど動かない、5~10分間隔で激しく泣き叫ぶ、水分を全く受け付けない、頭を打った後で吐く時は、至急当クリニックに受診して下さい。

授乳後に吐く時、発熱や鼻水などのかぜ症状を伴う時、嘔吐と下痢が続く時は、通常の診察時間に受診されるとよいでしょう。

何回か吐いても元気で食欲があるようなら、とりあえず家で様子を見てもよいと思います。

●吐き気がある時に大切なケアは?(7か月)

大切なケアは、水分を補給して脱水症を予防することです。ただ、立て続けに吐く時は、一度にたくさん飲ませると吐いてしまいます。少し落ち着くのを待って、吐く回数が減ってきたら、1015分おきにスプーン1杯程度5mlの水分を与えます。

少量ずつこまめに飲ませるのが、吐き気がある時の水分補給のポイントです。


●水分補給に役立つグッズはある?(8か月)

吐き気がある時の水分補給に役立つアイテムがスポイトやストローです。スポイト・ストローなら少量の水分を吸い上げることができるので、吐き気がある赤ちゃんに水分を与える時に適しています。

その他、氷を小さく砕いて口に含ませてあげるという方法もあります。液体を飲ませづらい時に試してみてもいいでしょう。

●吐き気がある時、水分補給に何を飲ませたらいいの?(8か月)

吐き気がある時の水分補給としては、麦茶、乳児用イオン飲料などを飲ませましょう。

逆に避けた方がいいのは、オレンジなどかんきつ系の果汁、乳酸菌飲料など酸味のある飲み物、牛乳などです。これらは、吐き気を助長するため、吐き気がある時は飲ませない方がいいでしょう。

●吐き気がある時の寝かせ方は?(8か月)

吐き気がある時は、なるべく横向きに寝かせるようにしましょう。吐いた物が気道に詰まって窒息するのを防ぐためです。

横向きなら、吐いても口から出てきます。丸めたタオルなどを後頭部から背中のあたりに当てておくと、横向きにしやすいでしょう。また、顔の下にもタオルを敷いておけば、吐いた時の汚れ防止になります。


●吐き気がある時の離乳食は?(9か月)

吐き気が強い時は、離乳食は無理をせず中断します。水分補給を第一に考えましょう。吐き気が落ち着いて、少し食欲が戻ってきたら、様子を見ながら離乳食を少しずつ再開しましょう。

なお、母乳やミルクは吐き気がある時でも、飲ませて構いませんが、一度に量が多いと吐いてしまいます。吐かない程度に少しずつ飲ませていきましょう。

●食欲がある時に食べさせる物は?(9か月)

赤ちゃんに食欲が戻ってきたならば、離乳食を再開しましょう。最初は野菜スープやおみそ汁の上澄みなどから始めましょう。

次におかゆやパンがゆ、柔らかく煮たうどんなど、消化のいい炭水化物を少しずつ与えてみます。肉・魚のようなたんぱく質や脂肪は、吐きやすいので最初は避けましょう。


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