今後登場する新しいワクチン

1.フルミスト
2.アブリズボ
3.プレベナー20




1.フルミスト(経鼻弱毒生インフルエンザワクチン)

●予防接種の内容
2023年3月27日に、製造販売が了承されました。2024年秋から発売される予定のようです。

●予防する病気
インフルエンザの発病を阻止したり、症状を軽症化します。


●予防接種の方法
2歳以上19歳未満の者に、0.2mLを1回(各鼻腔内に0.1mLを1噴霧)、鼻腔内に噴霧します。

フルミストはすでに無認可ワクチンとして、幅広く投与されてきました。当クリニックも2014~2015年、実際にフルミストを使用してきました。投与経験を踏まえた、当クリニックの詳しい解説はこちらをご覧下さい。




2.アブリズボ筋注用(RSウイルスワクチン)


●予防接種の内容
2024年1月18日に、厚労省の専門家部会で製造販売が了承されました。2024年6月から発売される予定です。

アレックスビーと同様に、アブリズボはRSウイルスのF蛋白(融合前F蛋白)を標的とした抗体を産生させる、組換えRSウイルスワクチンです。

●予防する病気
このワクチンを妊婦に接種することにより、RSウイルスに対する抗体が母体に作られます。この抗体が胎盤を介して、胎児に移行することで、新生児、乳児のRSウイルスによる肺炎、気管支炎を予防したり重症化リスクを下げることが期待されます。
妊婦への接種で、生後90日以内の乳児の入院率が80%減少したと報告されています。

●予防接種の方法
妊娠24週~36週の妊婦に、1回0.5mlを筋注します。(妊娠28週~36週が特に有効といわれています)

アブリズボは2024年3月26日、60歳以上の高齢者へのRSウイルス感染症の予防にも接種できることになりました(任意接種)。



3.プレベナー20(沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン)

●予防接種の内容
2024年3月26日に、厚労省の専門家部会で製造販売が了承されました。2024年8月から発売される予定です。

プレベナー13の後継ワクチンで、プレベナー13の血清型13456A6B7F9V1418C19A19F23Fに8.10A.11A.12F.15B.22F.33Fの7つの血清型が加えられています。(22F、33Fはバクニュバンスにも含まれます)

●予防する病気
小児における20の血清型の肺炎球菌感染症を防ぎます。

●予防接種の方法
同じ小児用肺炎球菌ワクチンとして、プレベナー13、バクニュバンスと同じ接種スケジュールになるものと思われます。


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