臍ヘルニア圧迫療法のご紹介    2023.9.1更新



●臍ヘルニアとは

臍ヘルニア(さいへるにあ)とは、赤ちゃんの「でべそ」の事です。
 
赤ちゃんはお母さんのお腹にいる(胎児)ときは、へその緒(臍帯)で母体から栄養を受け取り、老廃物を捨ててもらっています。そのため、赤ちゃんのおなかの中までへその緒が続いているため、臍の周りに筋肉や筋膜はありません。

この部分は臍帯を通すために、穴があいているのです。出生後、臍帯が切れると、へその緒は速やかに乾燥して脱落します。穴の開いていた臍の周囲の部分にも筋肉の膜が被い、穴を塞ぎます。

しかし、何らかの理由でこの穴がふさがらず、泣いたりしてお腹に圧力がかかった時に、塞がっていない穴の部分から腸が飛び出してくるのが、臍ヘルニア(でべそ)です。

この膨らんでいる部分は触ると軟らかく、押すとぐにゅっとつぶれる感触があります。指で押し戻すと、穴(ヘルニア門)の部分からお腹の中に戻せますが、泣いたりして腹圧が増すと、また出てきます。


この臍ヘルニアは日本人の5~10人に1人の割で見られ、珍しいものではありません。未熟児では実に3分の2ぐらいが臍ヘルニアを起こします。

ヘルニアは生後3ヵ月ぐらいまで大きくなり、その後赤ちゃんがはいはいしたりして、おなかの筋肉がしっかりしてくると、だんだん出なくなり、1歳ごろまでにはほとんど見られなくなります。

臍ヘルニアは先端の皮膚が破けて腸が飛び出すこともないし、途中で突出部がねじれて腸が壊死する、危険な嵌頓ヘルニアを起こすこともまずない、といわれています。


●臍ヘルニアの治療

以前は五円玉を臍に当てて圧迫したりしましたが、皮膚がかぶれたり、感染を起こしたりするため、ほとんど行われなくなりました。

1歳ごろまでにほとんどが治ること、経過中に嵌頓ヘルニアなど合併症を起こす心配がないことなどから、放置して様子を見ることが勧められてきました。

しかし、放置すれば半年以上も臍ヘルニアが続くこと、1歳の時点で皮膚がたわみ、形成手術を行う例もあること、近年清潔な治療の材料が登場したため、圧迫療法が清潔かつ容易に行われるようになったことなどを踏まえ、当クリニックでも2013年から、積極的に臍ヘルニア圧迫療法を始めました。


●臍ヘルニア圧迫療法

できれば、生後3か月以内、遅くても生後6カ月以内に治療を開始します。

まず、スポンジ(エラストン)をヘルニア門と同じ大きさにカットし、でべそに当てて、おなかの中に押し込みながら固定します。

透明のフィルム(テガダーム)で圧迫部位を固定します。最初はご両親と一緒に行います。

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テガダームは3日に1回ぐらい、交換します。万が一、皮膚が赤くなれば、圧迫療法を一時中止します。

入浴はそのまま行ってもかまいません。

この治療で1週間単位で少しずつ、でべそは小さくなり、2~4週間でほとんどの赤ちゃんは軽快します。


しかし、1歳になってもでべそが続く例や、でべそは良くなったが、へその皮膚のたるみが目立つ例は、手術の適応も検討するため、大学病院小児外科をご紹介しています。



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