鈴木博の医療-子育て政策の提言と実現状況

B 感染症対策



Ⅰ.先天性風疹症候群対策


 平成24年から流行が始まり、平成25年に大流行した、風疹に対する感染予防対策と先天性風疹症候群対策について、継続して区に取り組みを要請してきました。

 特に、ワクチンを接種していたにもかかわらず、風疹に対する免疫のない女性(多くは妊娠時の検査で判明した)に対し、過去のワクチン接種の有無にかかわらず、風疹ワクチン(MRワクチン)が公費負担で行えるよう、区に強く要望し、平成30年4月から全額助成が行われることになりました。

 ところが、平成30年、また、風疹の流行が始まりました。特に風疹に免疫を持たない30~50代男性が流行の中心となるため、国は30~50歳台男性に対する予防接種(風しん5期)事業を始めました。当クリニックはこの事業を歓迎しつつも、ワクチン接種を受けやすい環境整備を要望しています。


2013年(平成25年)第4回定例会 先天性風疹症候群対策に関する一般質問部分(2013.11.21)

 次に風疹について、お尋ねいたします。

 先天性風疹症候群の発生が続いています。11月6日までに先天性風疹症候群はさらに3例増え、今シーズン通算26例、東京都では11例となりました。先天性風疹症候群は 今後も確実に増えていく情勢です。その理由は、今年の3月から7月の風疹大流行の時期に、妊娠していた女性の出産のピークが、今年の11月から来年の3月に来るためです。

 流行が落ちついた今こそ、妊娠を希望する女性に対し風疹抗体検査を補助すること、さらに抗体の低い人には風疹ワクチンの接種の助成を継続すべきと考えますが、区のお考えはいかがでしょうか。 

 また、区は風疹の啓発をどのように続けていくのでしょうか。

 先天性風疹症候群のお子様を早期に発見するために、新生児訪問事業や4か月健診など、保健師などが特に目と耳に関する注意をご家族に呼びかける取り組みなどは始められているのでしょうか。

 また、もしも先天性風疹症候群児が誕生したときのための療育支援の検討などはなされているのでしょうか。


◯品川区保健所長答弁(矢野久子君) 
 私からは、感染症対策についてのご質問にお答えします。
 
 次に風疹対策ですが、国および都の動向を見ながら、抗体検査と抗体レベルの低い方へのワクチン接種について検討してまいります。 今回の流行は落ちついてはきておりますが、今後もホームページ、区報等により啓発を続けてまいります。

 先天性風疹症候群のお子さんが生まれた場合は、関係機関と連携し療育支援を行います。また、乳幼児健診では、現在でも問診や検査で目や耳について確認していますが、今後さらに新生児訪問を含めて、目や耳に対する注意を行ってまいります。



2014年(平成26年)第3回定例会 先天性風疹症候群対策に関する一般質問部分(2014.10.23)

 次に、感染症予防事業についてお伺いいたします。

 まず、先天性風疹症候群についてお尋ねします。
 平成24年から25年に爆発的に流行した風疹も、終息に向かっています。二度と風疹の大流行が起こらないよう、国も「風しんに関する特定感染症予防指針」を策定し、平成32年度までに風疹の排除を達成することを目標に掲げました。

 20~40代の成年男子の集団は、風疹抗体保有率が70~80%と低く、今なお風疹に免疫を持たない人が400万人以上、取り残されているといわれています。次に流行が起こるとすると、やはりこの集団が流行の中心になると思われますが、
この人たちにどのように風疹抗体検査、予防接種を勧奨していくのでしょうか。具体的な施策をお伺いしたいと思います。

 現在の妊娠を希望する夫婦等に対する、風疹抗体検査と予防接種の助成事業は、重要な施策と考えます。
事業の継続を希望しますが、次年度以降の見通しについてお示しください。

 それと並行して、定期接種である麻疹・風疹混合ワクチン、MRワクチンを確実に実施し、95%以上の接種率を保つことも大切です。

 厚労省発表の品川区の平成25年度のMRワクチン接種率全国集計結果を見ると、品川区はMRI期接種率こそ100%と満足すべき成績でしたが、MRII期接種率は87%と、目標の95%に遠く及びませんでした。

 
この結果をどのように分析し、接種率の向上に取り組んでいくのか、ご説明をお願いいたします。

 今回の流行で、既に先天性風疹症候群の赤ちゃんは全国で45名、東京都でも16名が誕生しています。風疹は感染しても15~30%は不顕性感染となり、症状が出ません。また、先天性風疹症候群の児でも、生まれたときは症状がなく、成長するに従って、耳、目の異常に気づかれる例もあります。

 
品川区の現在の先天性風疹症候群に対する取り組みをご紹介ください。

◯品川区保健所長答弁(矢野久子君) 
 私からは、品川区の感染症対策についてお答えいたします。
 
 次に、風疹対策についてお答えします。成人男性に対する風疹抗体検査の広報については、平成26年度は区報、ホームページを中心にお知らせしております。
 27年度以降の風疹抗体検査および予防接種の費用助成につきましては、国の動向を踏まえ検討してまいります。

 平成25年度の麻疹・風疹ワクチンII期の接種率は87.7%でありましたが、今後は未接種者への個別勧奨に加えて、保育園、幼稚園での勧奨など、あらゆる機会を捉えて接種率の向上に努めてまいります。

 先天性風疹症候群に対する取り組みについては、品川区では、すくすく赤ちゃん訪問時に鈴音等への乳児の反応の観察、妊婦健診の風疹抗体価の確認などを行い、適切な指導に努めております。また、保健センターでの乳幼児健診時にも月齢に応じた聴力のスクリーニングを実施しております。


2015年(平成27年)平成27年度予算特別委員会衛生費 風疹対策に関する部分(2015.3.9)

◯鈴木(博)委員  
 次に先天性風しん症候群についてお尋ねします。妊娠を希望する夫婦等に対する風しん抗体検査と予防接種の費用助成事業が、次年度も継続される見通しになったことは高く評価いたします。

 ただ、麻しん・風しんにいつかかってもおかしくない、20代から40代のワクチン未接種の成年男性の集団に対するMRワクチンの接種勧奨は、とりわけ今後も力を入れて行う必要があると思いますが、区のご認識と、あわせてホームページの啓発以外の具体的な施策をご紹介ください。

◯佐藤保健予防課長
 風しんの抗体検査、特に男性への啓発活動についてのお尋ねでございます。

 現在、今年度の実績でございますが、やはり男性のほうでも30代を中心に20代から40代の男性の方が特に抗体検査を実施していただいております。

 こういった方々は働き盛りということもございまして、なかなか区の情報に触れていただく機会も少ないようではございますけれども、マスコミ等も使った啓発活動もございまして、家族に妊婦がいるとか、これから妊娠を希望している妻がいるというような場合、パートナーがいるというような場合には、特にお問い合わせをたくさんいただいているところでございます。

 これからもさまざまな媒体を使いまして、男性への啓発活動を引き続き来年度も続けていきたいと考えております。



2015年(平成27年)第3回定例会 先天性風疹症候群に関する一般質問部分(2015.9.18)

 風疹対策について、お伺いします。


 平成25年に爆発的に広がった風疹流行も終息しました。二度と風疹の大流行を起こさないよう、国も「風しんに対する特定感染症予防指針」を策定し、東京オリンピックの開催年である平成32年度までに風疹の排除を達成することを目標に掲げています。

 20~40代の成年男女、特に男性は風疹抗体保有率が70~80%と低く、今なお風疹に免疫を持たない人が多数取り残されています。次に流行が起こるときは、この年齢層が再び流行の中心になると危惧されています。

 昨年の第3回定例会で、この集団にどのように風疹抗体検査、予防接種を勧奨するのか具体的な施策をお尋ねしたところ、保健所長のご答弁は、区報、ホームページで広報するというものでした。

 風疹を制圧するには、成人男性を含め、全ての風疹に感受性がある人にワクチン接種を行うことが基本です。中南米はこの施策の大規模な実施により風疹を根絶できました。

 第1に、より広範な区民への広報活動が必要と考えます。
 墨田区のように、ホームページ、区報だけではなく、町会の回覧、役所での婚姻届届け出時や母子手帳交付時、保育園、幼稚園、小学校等の保護者の集まりでの広報など、さまざまな場所、さまざまな形で啓発周知を積極的に行うべきと考えますが、区のご見解はいかがでしょうか。

 第2に、麻疹・風疹混合ワクチンの接種対象の拡大が必要と考えます。
 先天性風疹症候群対策として、風疹抗体検査とワクチン接種費助成の継続は高く評価いたします。次年度以降の延長も望みます。

 しかし、この事業では、ワクチンを接種しているにもかかわらず、妊婦健診で風疹抗体が低値、すなわち風疹に免疫を持っていないことが判明した女性には、出産後にワクチン接種費用の助成を受けることはできません。
風疹に対する免疫を持たないが妊娠を望む女性には、過去のワクチン接種の有無にかかわらず、接種費用の助成を行うべきと考えますが、区のご見解はいかがでしょうか。

 第3に、女性の健康診査、35歳からの健康診査に風疹抗体検査を加えることを提案いたします。

 現在、出産年齢が高年齢化していること、この健診対象者と風疹感受性集団が重なっていることにより、風疹に免疫を持たない人を捕捉できるまたとない機会だからです。
ぜひ風疹抗体の検査項目への追加をお願いしたいと思いますが、区のお考えはいかがでしょうか。

◯品川区保健所長(矢野久子君) 
 私からは、感染症対策についてお答えします。
 
 次に、風疹対策ですが、現在、区では、ホームページ、区報での周知のほか、戸籍住民課や保健所、保健センターの窓口にポスターを掲示するとともに、すくすく赤ちゃん訪問や4か月健診等の機会を捉えて周知しております。

 妊婦健診での風疹抗体価が低い場合の予防接種の助成については、今後検討してまいります。

 また、女性の健康診査、35歳からの健康診査での風疹抗体検査の追加については、健康診査の中で実施するのではなく、現在実施している事業の周知と予防接種の接種率の向上に努めてまいりたいと考えております。



2016年(平成28年)平成28年度予算特別委員会衛生費 風疹対策に関する部分(2016.3.8)

◯鈴木(博)委員  
 次に、先天性風しん症候群対策についてお伺いします。

 妊娠を希望する夫婦等に対する風しん抗体検査と予防接種の接種費用助成事業が、平成28年も継続されることは高く評価いたします。一言でこの事業の内容についてご説明をお願いします。

◯舟木保健予防課長  
 この事業につきましては、19歳以上の品川区民の方が対象となっております。抗体検査を女性の方、男性の方、受けていただきまして、抗体が低い方に風しんの予防接種を全額助成で実施しております。風しんの抗体化検査につきましては、今までに風しんにかかったことがなく、予防接種を受けたことがない方とさせていただいております。

◯鈴木(博)委員  
 東京都のホームページを見ますと、風しん抗体検査事業というのがありまして、それを見るとワクチンの接種が必須条件にはなっていないことを確認いたしました。

 実際、なぜこれをお話しするかといいますと、うちの患者で、妊娠中に風しんの抗体価が低いことがわかって、風疹ワクチン接種を希望されて来院されたのですが、風しんワクチンを1回やっていたので補助の対象にはならず、実費で接種することになりました。

 抗体の値が低い場合は、当然1回のワクチン接種では抗体が上がらないこともありますから、これはワクチン接種というのを必須の条件にすると、せっかく風疹の抗体を上げるためにワクチンを希望される方も、できないケースが出てきます。

 東京都の場合は、実際これが外れているみたいなのですが、今、品川区としては、それについてはどのようにお考えでしょうか。

◯舟木保健予防課長  
 東京都の事業の内容につきましては、女性の方のみが対象となっておりまして、接種歴は特に要件としては入っていないようです。ただ、区としましては、区独自で妊娠を希望する女性と同居している男性、あるいは妊婦と同居している男性の方も広くこの事業の対象としております。

 ただ、
妊婦健診で風しんの抗体価が低かった方に対しての予防接種の対応につきましては、今後、検討してまいりたいと思います。

◯鈴木(博)委員  
 
ぜひ風しんに感受性がある女性、男性が1人でも減るように、弾力的な対応をお願いしたいと思います。

 次に、東京都は特に企業などに風しんの感染症の予防対策を進めてもらうために、「職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト」と名づけた新しいプロジェクトを立ち上げたようです。プロジェクトの事務局は東京商工会議所に置いて、まず都内の企業に呼びかけて、従業員に風しんの抗体検査や予防接種の確認などをする協力企業を募ります。

 そして従業員にワクチンの接種を勧め、従業員の9割以上が十分な抗体を得た場合には、達成企業として協力企業とともに東京都のホームページに企業名を掲載することにしたそうです。非常にすばらしい取組みだと思われますが、この取組みに品川区はどのように対応されているか、かかわっているか、ご説明をお願いします。

◯舟木保健予防課長  
 今回、風しんの流行につきましては、20代から40代での感染者が多かったということを考えますと、職域への周知は非常に重要だと認識しております。区におきましても、この都のプロジェクトにつきましては、商工会議所の品川支部、あと、産業保健のしながわCSR推進協議会のほうに働きかけまして、職域への周知を依頼いたしました。

 具体的には、この東京都の事業を案内するとともに、区の事業をご案内させていただいて、ポスターの掲示、あとはチラシの配布、メールマガジン等でのお知らせをお願いしたところです。

◯鈴木(博)委員
 二度と風しんと麻しんの流行を起こさないように、そして先天性風しん症候群で産まれる赤ちゃんを減らすように、今後も区の方も一層のご努力をお願いしたいと思います。




2016年(平成28年)第3回定例会 先天性風疹症候群に関する一般質問部分(2016.9.23)

 第2に、本年度より品川区で開始された
20歳からの健康診査に風疹抗体検査を加えることを再度提案いたします。

 その理由は、健康診査対象者と麻疹・風疹感受性集団が年齢的に重なっているため、麻疹、風疹に免疫を持たない人を補捉できるまたとない機会だからです。風疹の抗体検査を行い、抗体陰性ならばMRワクチンが接種できます。MRワクチンを接種すれば、風疹とともに麻疹の免疫も獲得できます。
 
風疹抗体検査を20歳からの健康診査に加えること、検査項目に加えることが難しいならば、例えば健診の連絡通知に風疹抗体検査のお勧めを同封することなども検討すべきと考えますが、区のご見解はいかがでしょうか。

◯健康推進部長答弁(西田みちよ君) 
 次に、20歳からの健康診査についてですが、風疹抗体検査を検査項目に加えることは、検査目的が異なることや検査コストの面からも難しいと考えております。

 しかし、20歳からの健康診査を実施している医療機関229か所中、風疹抗体検査の同時実施が156か所で可能ですので、案内チラシやホームページに風疹抗体検査の案内文を加えるとともに、新たに成人式での周知も実施してまいります。



2017年(平成29年)第3回定例会 先天性風疹症候群に関する一般質問部分(2017.9.22)

 
次に、母子感染症として、先天性風疹症候群対策についてお尋ねします。

 妊娠を希望する夫婦等に対する、風疹抗体検査と予防接種の費用助成事業が平成29年度も継続されることは高く評価いたします。東京都福祉保健局のHPを見ますと、
<大人の方への風しん予防接種事業>として、《都の先天性風しん症候群発生防止対策において接種対象者としている方は、次のとおりです。》

19歳以上の者で妊娠を予定又は希望する女性
ただし、検査で接種が必要と認められる(以下に該当する)者に限る。
1)都、特別区又は保健所設置市が実施する風しん抗体検査により、抗体価が十分でないとされた者
2)妊婦検診において風しん抗体価が十分でないとされた者(ただし、接種は出産後に行う。)
3)その他区市町村が認める方法により抗体価が十分でないことが確認された者(医療機関で検査を受けた書類等を持参した者等)

と、風疹ワクチン未接種が必須条件には入っておりません。

 品川区では風疹ワクチンを1回接種したけれども、妊婦健診で風疹抗体価が低く、出産後ワクチン接種を勧められても、 現在の「風疹抗体検査と予防接種の費用助成事業」では助成を受けることができません。

 
この東京都の風しん予防接種事業を区はどのように評価されるでしょうか。少し
でも風疹に対する感受性者を減らすため、 東京都に準じた対応をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

◯品川区保健所長答弁(西田みちよ君)
 私からは、感染症対策のご質問について順次お答えいたします。
 
 次に、先天性風疹症候群対策についてですが、都の対策はワクチンの接種歴を問わない要件ですが、対象者は女性のみです。一方、区はワクチン接種歴の要件はありますが、女性だけでなく男性も対象として実施しております。

 
風疹ワクチンの接種歴が1回で抗体価が低い人への対策につきましては、今後、対象者の要件を検討
してまいります。


2018年(平成30年)平成30年度予算特別委員会歳入 風疹対策に関する部分(2018.3.6)

◯鈴木(博)委員
 次に、先天性風疹症候群対策について、お伺いいたします。

 妊娠を希望される夫婦間等に対する、風疹抗体検査と予防接種の接種助成事業が、平成30年度も継続されることを高く評価いたします。  平成29年度の風疹抗体検査と予防接種の実施数は、現段階の集計ではいかがでしょうか。

◯舟木保健予防課長
 風疹抗体検査と予防接種の実施状況ですが、1月末までの実施状況ですが、抗体検査が802件、予防接種が454件となっておりまして、昨年度の実績と大きな増減はない状況です。

◯鈴木(博)委員
 昨年の一般質問において、風疹に感染する方を減らすために、大人への風疹予防接種事業に準じた対応を要望いたしました。今の実績をお聞きすると、昨年度とほとんど実績は横ばい、変わらないように感じますが、風疹に対する積極的な対策、対応は、何かお考えでしょうか。

◯舟木保健予防課長
 対象者の要件につきましては、実施医療機関等の意見を踏まえて、一部、来年度からは見直しを検討しているところです。

 また、風疹につきましては、2020年度の風疹排除に向けて、現在、国を挙げて取り組んでいるところですので、まだこの事業の対象者の方で利用されていない方への周知については引き続き努めてまいりたいと思います。

◯鈴木(博)委員  
 先天性風疹症候群が一刻も早く根絶されるように、一層の努力を要望して質問を終わりたいと思います。



2018年(平成30年)第3回定例会 先天性風疹症候群に関する一般質問部分(2018.10.26)

 風疹が再び流行し始めています。現在、東京都下で10月7日までの報告数は362人、全国では10月3日までの国立感染症研究所の集計で952人が報告されました。実に2012年から2013年以来の報告数となっています。

 2012年から2013年の風疹流行では1万6,730人が発病し、45人の目、心臓、脳に異常障害を持つ先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれました。そのうち11人が1年以内に亡くなっています。

 先天性風疹症候群の発生をなくすには、妊娠中の女性の感染を防ぐことが重要であり、そのためには、妊娠出産年齢の女性や妊婦の周りにいる風疹に免疫のない感受性者を減らすことが必要です。また、風疹の感染拡大を防ぐには、既に流行の温床となっている30~50歳代の風疹に免疫を持たない男性感受性者にワクチンを受けてもらわなければなりません。

 品川区も、妊娠を希望する女性および配偶者等に対する風疹抗体検査と風疹ワクチンの接種費用の全額助成を行っており、さらに本年度からは我々の要望した過去に風疹ワクチン接種歴があっても、抗体検査で免疫がなかった人に風疹ワクチン接種の全額助成を行うという対象者の拡大施策も行ってきました。しかし、
男性については抗体価の低い妊婦の同居者のみが対象と伺いましたが、さらなる対策が必要と考えます。区のお考えはいかがでしょうか。

 本年10月1日の新聞報道によると、厚生労働省は、来年度から30から50歳代の男性に風疹抗体検査の費用の全額助成をすることを決めたということです。この厚生労働省の決定は一歩前進と考えますが、これらの人々に検査を受けてもらわなければ、絵に描いた餅となってしまいます。我々はその方策として、既に2016年3定一般質問で、二十歳からの健康診査の健診対象者への通知に風疹検査案内を同封することなどを提案し、現在これは行われておりますが、さらに、
国保基本健診対象者への通知にも風疹検査案内を同封することを提案したいと考えますが、いかがでしょうか。

 東京都は、2015年から東京商工会議所、東京都医師会と連携し、企業に風疹などの感染症の予防対策を進めてもらうために、職場で始める感染症対応力向上プロジェクトを始めました。
 この事業の内容は、従業員に風疹の抗体や予防接種を確認する協力企業を募り、ワクチン接種に努め、従業員の9割以上が十分な風疹抗体を得た企業には、達成企業として東京都のホームページに企業名を掲載するというものです。この東京都の達成企業を見てみますと、品川区でも、森トラスト、千趣会、第一テクノが掲載されています。このような取り組みは高く評価されると思います。
品川区でも、東京都や東京商工会議所品川支部などと連携し、地域レベルでの取り組みを行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、岡部信彦川崎市健康安全研究所長によると、川崎競馬場の電光掲示板に「風疹の発生が多くなっています。風疹は予防接種で防ぐことができます」とのメッセージが大きく表示されたそうです。
品川区も大井競馬場に「風疹の注意」というメッセージを大きく電光掲示板に表示していただくよう、各方面に働きかけてはいかがでしょうか。

 
再び始まった風疹流行に対する品川区の風疹対策の取り組みについてご説明をお願いいたします。 

◯品川区健康推進部長答弁(福内恵子君)

 現在の風疹の流行はおさまる兆しが見えないことから、妊婦の抗体価にかかわらず同居者を抗体検査の対象とするよう、対象拡大について準備を進めております。

 感染拡大の中心が企業等に勤める男性であることから、しながわCSR推進協議会加盟企業に対し、メールマガジン臨時号による情報提供のほか、区内中小企業にはしながわ産業ニュース等の活用により、風疹対策の必要性について周知してまいります。

 また、区の施設はもとより、大井競馬場等の集客施設に対しても、注意喚起の表示について積極的に働きかけを行っております。

 また、20歳からの健康診査に加え、国保基本健診など国保からのお知らせの際、風疹抗体検査の勧奨を行うなど、必要な措置について検討してまいります。



2019年(平成31年)平成31年度予算特別委員会補正  風疹対策に関する部分(2019.3.4)

 よろしくお願いいたします。本日は63ページ感染症対策事業から、先天性風疹症候群対策についてお尋ねいたします。

 現在、風疹と麻疹が同時に国内で流行している状況です。このうち、本日は風疹流行と風疹対策についてお尋ねしたいと思います。まず、現在、2019年2月までの風疹の流行状況について、簡単にご説明をお願いします。

○鷹箸保健予防課長
 風疹でございますが、昨年7月以降、感染された患者が海の日以降増えておりまして、昨年度と今年の2月17日、第7週までを合わせまして3,445名の方が風疹ということで届出がありました。主に人口密度が高い東京周辺、東京、千葉、埼玉、神奈川に加え、愛知、福岡、大阪など非常に人口密度が高い大都市を中心に患者が増えております。

 その中で男女比ですが、男性のほうが大体女性の4倍ぐらい。その多くの方が予防接種を受けたことがない、あるいは受けたかどうかわからないという患者がたくさん登録されています。

○鈴木(博)委員
 ご説明、ありがとうございました。2019年の今現在も、風疹は拡大し続けており、国立感染症疫学センターでも「風疹流行に関する緊急情報」をたて続けに発表し、注意を喚起しています。このままいくと、2013年の大流行の再現も起こりうる、危機的な状況になってきました。

 今、課長のほうからご説明がありましたように、現在も3,000人以上も新たに患者が出ておりまして、男は30代から40代、女は20代から30代。男性のほうが大体3.5対1ぐらいの割合で多く、そのうち予防接種をしている人は、「なし」が26%、「不明」が68%でした。予防接種をしていない成人の男性に流行が続いております。

 2013年の流行のときは1万6730人が発病して、45人の目・心臓に異常を持った先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれ、そのうち11名が1年以内に亡くなるという悲劇がありました。残念ながら今回の流行でも、既に1名の先天性風疹症候群の赤ちゃんが、埼玉で生まれています。風疹に対して感受性者を減らす、先天性風疹症候群対策は現在焦眉の課題です。

 流行の温床となっている、麻疹・風疹の抗体価の低い30代から50代の成人男性の集団に対し、昨年12月13日の厚生科学審議会感染症部会では、「風しんに対する追加的対策骨子(案)」が了承され、抗体保有率の低い世代の男性に対して、市区町村が予防接種法に基づき、抗体検査と予防接種を、2019年から3年かけて原則無料で行うことが決まりました。

 この内容について、事業の概要についてご説明をお願いします。

○鷹箸保健予防課長
 風疹に対する追加的対策でございますけれども、これまで風疹予防接種が公的に制度として整っていなかった39歳から56歳の男性を対象に、まず抗体検査を実施し、抗体検査の結果、抗体価が低かった方には麻疹・風疹混合の予防接種をするという事業でございまして、おおむね現時点で全国で1533万人の方が対象となり、品川区ではこの年齢の方が10万2586名いらっしゃいます。

 この新しい追加的対策によりまして、2020年の7月までに抗体価をしっかり保有している方を85%以上、2020年3月までに90%以上に引き上げ、オリンピック・パラリンピックに多くの海外からお客様がいらっしゃる前に、麻疹、風疹の抗体価を上げることを目的とした事業でございます。

○鈴木(博)委員
 ご説明ありがとうございました。

 一般質問でも質問しましたが、それでなくても健診等の受診率の低いこの年代の男性に対して、今ご説明があったような厚生労働省の机の計算どおりに受診してワクチン接種を受けてくれるかどうか、甚だ心もとない思いがします。

 私はその方策として、20歳からの健康診査の健診対象者、そして国保基本健診対象者への通知に風疹検査案内を同封すること、国保基本健診の項目に風疹抗体検査を加えるよう、昨年の一般質問で提案しましたが、今回の厚生労働省の指針の中にも、国保基本健診の項目に風疹抗体検査を加えて、これを活用するよう、通達があります。これに関してはどのように対応されるおつもりなのか、まず一つ伺います。

 それと、東京都の「職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト」にならい、品川区でもしながわCSR推進協議会の加盟企業に対し、メールマガジンによる情報提供のほか、区内中小企業にはしながわ産業ニュース等での風疹注意を行うと健康部長からのご答弁がありましたが、その後の進捗状況はいかがでしょうか。

 また、大井競馬場に、「風しんに注意」というメッセージを、電光掲示板に大きく表示することを提案しましたが、その後の経過をお知らせください。

○三ッ橋国保医療年金課長
 国保基本健診の対象者の方全員に対しまして、こちらは40歳以上から74歳までの方が対象となりますが、約5万4000人でございますが、その方全員に風疹抗体検査のご案内をいたします。発送が4月中旬でございますので、皆様のお手元に届くのが4月下旬ごろとなります。

○鷹箸保健予防課長
 CSR推進協議会および産業ニュース等についての対応でございますが、CSR推進協議会に関しましては、昨年10月に臨時号ということで、関係企業の方に急ぎこの風疹に関しての注意喚起の情報を、メールで流させていただいております。

 また、産業ニュースにつきましては、今年の1月号にかなりの紙面を割きまして、この風疹対策の重要性について紙面で扱っていただいております。また大井競馬場でございますが、昨年11月12日から12月31日までの間の16日間の大井競馬場でのレース開催日に、この風疹に注意というメッセージを掲示していただいております。

○鈴木(博)委員
 2019年2月4日のNHKニュースのデジタル版によれば、企業が従業員に行う健康診断を請け負う団体が、今年の春の健康診断から抗体検査を新たに加える提案をし、大手航空会社など数社は既に実施を決め、検討中の企業も多数あるというです。
 区としてもこのような企業とか健診団体の動きを歓迎し、情報提供と支援を行うことを検討すべきだと考えますが、何か具体的な取組みとかがあるのでしょうか。
 ほかにも何かありましたらご説明をお願いします。

○鷹箸保健予防課長
 まず、企業健診でございますが、今回の4月以降始まる「風しんの追加的対策」に関して、国からこういった健診機関に今回の取組みの重要性および企業健診に情報提供が行われると考えております。
 まず自治体、区市町村が発行する健診のために必要なクーポン券を持参されると検査ができるような仕組みです。

 昨年、このCSR推進協議会で緊急の情報を流していただいたという経緯もございますので、追加的対策でも積極的な協力を呼びかけていきたいと考えております。

○鈴木(博)委員
 厚生労働省の「風しんについて」という解説によると、医療従事者や学校関係者、保育・福祉関係者など、風疹に罹患すると周りに多大な影響を与える職種の方は、積極的な風疹抗体検査を受けるべきとありました。

 品川区は昨年11月に保健予防課と人事課が共同で、区職員に対して風疹抗体に関する調査をしたと思うのですが、その内容についてご説明をお願いします。

○鷹箸保健予防課長
 昨年11月の職員対象の取組みですけれども、妊婦ですとか乳幼児と身近に生活する職員については、記名式で結果を課長に報告する。予防接種を受けていない人は接種勧奨をする。それ以外の職員については、無記名でご自分で対応する、というところで取組みを進めました。



(解説)品川区は平成30年4月から、風しん抗体検査・予防接種の費用助成の対象者を、
「19歳以上の品川区民で、風しんに罹ったことがなく、ワクチン接種をしたことのない方」から
「19歳以上の品川区民で、風しんに罹ったことがなく、風しんの予防接種(MRワクチンを含む)を2回以上接種したことがない方(ただし、この助成を一度でも利用したことのある方は対象外)」
に変更しました。

 また、厚労省が2019年4月1日から始めた「風しん第5期予防接種事業」に対する当クリニックの見解はこちらに記載しました。



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