2022年(令和4年)令和4年度決算特別委員会歳入 新型コロナウイルス感染症感染対策に関する部分(2022.11.8)
◯鈴木(博)委員
本日は、92ページ、衛生費負担金、新型コロナウイルスワクチン接種負担金から、乳幼児の新型コロナワクチンについてお尋ねいたします。
11月からいよいよ、6か月から4歳の乳幼児コロナワクチンの接種が始まります。
まず、品川区の6か月から4歳の接種対象者数をお示しください。また、そのスキームと具体的なスケジュールについてもご説明ください。なぜ、乳幼児コロナワクチン接種を全ての医療機関で行う個別接種で行うことにしたのか、さらに、個別接種を行う小児科医療機関数とその数についての評価について、区のご認識をお示しください。
最後に、現在接種の続いている5歳から11歳の小児用コロナワクチンの接種率、接種数およびその評価について、参考にするために一緒にご説明をお願いします。
◯豊嶋新型コロナウイルス予防接種担当課長
まず、区の6か月から4歳の接種対象者は、およそ1万5000人いらっしゃいます。
また、個別接種のみで行う理由でございます。この年齢のお子さんには、そのほかのワクチンを接種しに行く、かかりつけの医療機関が必ずあるだろうということがまず1つ。それから、年齢によって、もしくはお子様の体形によって接種の部位が異なること、また接種後の副反応が出た場合、的確な対応をしなければならないことなどを考慮したことによるものでございます。
乳幼児接種のスケジュールでございますが、本日より品川区内の個別医療機関で順次、準備が整ったところから接種が始まっていくという予定でございます。
現在、個別接種の数ですが、区内25か所の小児科の医療機関が個別接種会場となりまして、接種の体制が整えられたと、区としては考えてございます。
また最後に、現在の5歳から11歳の接種率でございますが、こちらは20%弱ということで、全国的にも同じような数字でございます。人数にすると、およそ4000名を少し超えたところでございます。4歳以下の乳幼児接種率については、今まで高い年齢から低い年齢にかけて接種率が下がっていくことを考えると、20%を超えることはないものではないかということで現在苦慮しているところでございます。
◯鈴木(博)委員
現在の状況を見て、恐らく乳幼児コロナワクチンの接種率は10%にも届かないのではないかというような悲観的な見込みを立てている専門家もいらっしゃいます。
そもそもなぜ今、乳幼児コロナワクチンが必要とされているのか、まず現在の小児の新型コロナウイルス感染症の状況について少し見ていきたいと思います。
新型コロナウイルスに感染した子どもの95%は軽症にとどまるとされていて、今でもそう信じている人もいるようです。しかし現実には、オミクロンの流行以降、感染する子どもの数が増加するに従って、相対的に患者数も増え、しかも亡くなったり重症化する子どもの数も激増しています。
国立感染症研究所の調査によれば、オミクロン株流行後の2022年の1月から8月の、新型コロナウイルスに感染して死亡した20歳未満の41名のうち、調査できた29人の分析では、0歳が8人、1歳から4歳が6人、5歳から11歳が12人、12歳から19歳が3人でした。さらに、4歳以下の14人のうち6人は、基礎疾患がない、もともと健康な子どもでした。年少児に死亡者が激増して、オミクロン以降、急に増えてきて、しかも生来健康だった年少児も死亡するようになってきているのです。
日本集中治療学会が、酸素投与や人工呼吸器が必要とされた中等症・重症の子どもの入院患者220名の状況や症状や年齢別発生数も調査しています。年齢別によると、1歳未満が15%、1歳以上の未就学児が43%、小学生が32%、中学生が4%、高校生が4%と、未就学児が6割を占めていました。また病名では、コロナの呼吸障害、コロナ肺炎や、多系統炎症性症候群(MIS-C)などというコロナ特有の病名から、急性脳症、脳炎、肺炎、けいれん、胃腸炎など、小児の入院病名でよく見られる病名が現在増えてきています。
11月2日、日本小児科学会は、乳幼児コロナワクチンを推奨すると声明しました。また、10月7日、厚生労働省も厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会の答申を受けて、予防接種上の特例臨時接種に位置づけ、接種勧奨、接種義務を課しました。これは、品川区でも乳幼児のコロナワクチンの接種を勧奨する立場にあるということを意味するものと理解しています。
乳幼児コロナワクチンについて、次に検討したいと思います。乳幼児コロナワクチンは、ファイザー社が生後6か月から4歳の子どもを対象に臨床試験を行った結果、3回接種後には、年長児や大人の臨床検査の結果と同じレベルまで抗体が上昇することが確認されました。これは、コロナウイルスに対してこの年齢でも免疫が十分成立することを意味しています。
また、欧米などで生後6か月から4歳の子ども1100人を対象に、ワクチンを接種した子どもとワクチンを接種しない生理食塩水などのプラセボを接種した子どもの双方の感染状況を調べた結果、ワクチン接種群794人のうち、3回接種後、発病を予防する効果は、73.2%と報告されました。重症化予防については、感染した人が少ないためにデータがなかったために明らかにできませんでしたが、ほかの年齢層の臨床成績から考えると、発病予防効果以上の効果が重症予防として期待されると考えられています。
その一方で、心配なのはもちろん副反応です。心配な乳幼児のコロナワクチンの副反応を、現在、区はどのように理解しているでしょうか。
◯豊嶋新型コロナウイルス予防接種担当課長
乳幼児の副反応についてでございます。
厚生労働省のリーフレット等々にも記載がございますが、2歳から例えば4歳でございます。倦怠感、下痢、それから38度以上の発熱が主に見られるということが書かれておりまして、また生後6か月から1歳につきましても、不機嫌になったり、食欲不振になったり、やはり38度以上の発熱の症状が見られたようでございますが、重い副反応は認められなかったという報告がされて、記載がございます。
◯鈴木(博)委員
今ご説明があったように、副反応としては、2歳から4歳までは、頻度順に言うと、倦怠感、下痢、38度以上の発熱。それで、倦怠感は大体3割ぐらい、ほかは大体10%ぐらいという報告があります。生後6か月から1歳では、不機嫌、食欲不振、38度以上の発熱が見られましたが、これも順番で、大体、不機嫌が30%ぐらい、その他が10%ぐらい。この年齢では、喉が痛いなどというような症状は当然訴えることができませんので、そういう症状、咽頭痛等はありません。いずれにしても重い副反応は認められませんでした。心筋炎は一例もいませんでした。
総じて乳幼児ワクチンの副反応の頻度は成人ワクチンよりも低く、5歳から11歳、12歳から15歳の子どもと比較しても軽かったと評価されています。これは、1つの理由として、ワクチンに含まれている免疫物質のRNAであるトジナメランが、3分の1、3マイクロしか入っていなくて、大人が30マイクロ、子どもが10マイクロなので、非常に量が少ないということも関連していると考えられます。
生後6か月から4歳の子どもたちは、感染予防対策というのは十分にできません。
マスクを着用することもできないし、手洗いなども十分にはできません。次に感染・流行が起きたときに、この年齢の子どもたちに一番有効で確実かつ積極的な感染予防対策というのは、ワクチン接種なのです。
しかし、接種券と同封されて区から送られてくる、「生後6か月から4歳のお子様の保護者の方へ 新型コロナワクチン予防接種について」という説明書を見てみますと、「今回接種するワクチンはファイザー社製のワクチンです。新型コロナウイルス感染症の発病を予防します。本ワクチンの3回目接種から1か月後、免疫原性が事前に規定された基準を達成したこと、オミクロン株等に対する中和抗体価の上昇が確認されたこと等から、一定の有効性が期待されるとされています。オミクロン株流行下における3回目接種後の発病予防効果は73.2%と報告されています」というような記載があるのみです。これは簡潔過ぎて、しかも専門用語が多過ぎるため、保護者に十分、乳幼児ワクチンの大切さが伝わるか、非常に疑問を感じているところです。区としても、小さな子どもをコロナから守るために、もう少し積極的なコロナウイルスワクチンの啓発に取り組むべきだと思われますが、区の考えと現在の取組についてご説明をお願いいたします。
◯豊嶋新型コロナウイルス予防接種担当課長
現在の啓発、それから周知についてでございます。
現在、SNS、ホームページ、また広報しながわ、それからしながわパパママ応援アプリ等々を使いまして、周知を行っております。そのほか、ケーブルテレビでも一部、ワクチンの情報を流させていただいている状況でございます。
ただ、委員ご指摘のとおり、内容、文言については専門的であったり、保護者の方になかなかなじみがないお言葉であったり、分かりにくい部分があることも考えられますので、今後、易しい表現になるように、内容の点検、それから必要に応じた修正等々は実施してまいりたいと考えてございます。
また、さらなる周知といたしまして、厚生労働省が作成しております乳幼児用リーフレット、また小児用のリーフレットといったものがそれぞれございます。関係所管とも連携しながら、こうしたものが保護者の方の目につくよう、行き渡るよう、そういった方法を今後検討していきたいと考えてございます。
◯鈴木(博)委員
区としてもいろいろご検討されているようで、ぜひ実現に向けてご努力をお願いしたいと思うのですが、一般質問でも述べましたように、保育園とか幼稚園とか児童センターへコロナの啓発のチラシを配布すること。これはもちろん国が作った簡便なパンフレットでもいいのですが、ぜひ品川区で、保護者の方がよく理解できるような、保護者の方に寄り添うような内容のパンフレットを準備して配ることを非常に期待したいと思っております。
また、中立的な立場の講演会の開催などもいかがでしょうか。例えば福島原発の後に保健所が、中立的な科学者の方に来ていただいて、講堂で2回、講演会をやっています。講演会のように、たくさん集まるのが無理だとすると、ウェブなどオンラインでもいいと思うのですけれども、こういう講演会で、いろいろと、例えばこの近くだと昭和大学の感染症の専門家の時松教授とか、何人かの候補の方がいらっしゃると思うのですけれども、そういう方にもお声をかけて、なるべく一般の方に分かりやすいような専門家の講演会あるいは説明会というものを、ぜひ品川区としても積極的に行ったほうがいいのではないかということをご提案したいと思います。
また、ケーブルテレビなどで、乳幼児のコロナワクチンの勧奨を行うということに関しては、非常によい取組だと思いますので、ぜひ勧奨のスポットを、特に小さなお子さんを持っている保護者の方が分かりやすいような、効果と副反応と両方がバランスよく書かれているような短時間のスポットを、ぜひ知能の全てを絞っていただいて、よく訴えられるような取組を行っていただくことを期待したいと思うので、よろしくお願いしたいと思います。これは要望といたします。
第6波なのか、あるいは第7波の再燃。マスクをしない人が増えてきたので、感染予防が緩んでいるために、第8波ではなくて、むしろ第7波が今再燃しているというような考え方の専門家の先生もいらっしゃいます。いずれにしろ、北海道をはじめとして、コロナの感染者がまた増加し始めて、次のコロナの感染が起こるか起こらないか、今、非常にそれが危惧されているところです。
ワクチンの接種が進んだ年齢層から感染者がだんだんと減少しており、現在ワクチンの接種ができないか、あるいはワクチンの接種が進んでいない年齢層に、次の流行は間違いなくターゲットが絞られてきて、乳幼児のコロナの感染が非常に増えてくる。もう今現在でも保育園とか小学校とか増えてきているので、先週も小学校で学級閉鎖がありましたけど、小さなお子さんをコロナ感染症と、あるいは起こるかもしれないインフルエンザの感染症から守るために、ぜひこの冬は、区の関係者の方もより一層のご努力をお願いしたいと思いまして、私の質問を終わります。
2022年(令和4年)令和4年度決算特別委員会衛生 新型コロナウイルス感染症感染対策に関する部分(2022.11.14)