2018年(平成30年) 区議会 第3回定例会 一般質問全文

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自民党・子ども未来を代表して、一般質問を行います。よろしく、お願いいたします。


Ⅰ.品川区の感染症対策について

1.おたふくかぜワクチンについて

 この間、おたふくかぜワクチンの接種費用の2回目の助成を、要望してきました。

 おたふくかぜになると約1000人に12人の割で難聴を残します。このムンプス難聴と呼ばれる難聴は、片耳のことが多く、一生聴力が戻らない、深刻な後遺症です。守本倫子日本耳鼻咽喉科学会乳幼児委員長は、「おたふくかぜは自然にかかっておいた方がいいという噂は間違っている。 ワクチンの定期接種化を進め、難聴になって、後から苦しむ人をなくしたい。」と述べています。

 また、朝日新聞にも、「おたふくかぜは、一度どこかでうつればいいものだと思っていた。一定の比率で難聴になるのがわかっていたら、ワクチンを受けていた」という、切実な患者の母親の声が掲載されていました。


 ワクチンで防げる病気はワクチンで防ぎたい。今年度の品川区医師会、荏原医師会の両医師会の政策要望にも、ともに、おたふくかぜワクチン2回目の接種費用の助成が挙げられました。
 今、
品川区のすべての、子どもに係わる医療関係者が、おたふくかぜワクチンの2回接種費用助成を求めているのです。

  おたふくワクチンは1回接種で90%、2回接種で99%、患者が減少するといわれています。おたふくかぜワクチンは生ワクチンの一つであり、麻疹風疹混合(MR)ワクチン、水痘ワクチンと同じく、2回接種で免疫を完璧に付けることが世界の常識であり、日本小児科学会も強く勧めている方式です。

 
おたふくかぜワクチン接種費助成を、1回から2回に増やすことを再度要望いたします。

 それは、おたふくかぜワクチンの接種費用助成を行うことによって、接種率の向上が期待でき、その結果おそろしいムンプス難聴で苦しむ子どもを減らすことができるからです。

 ムンプス難聴は、生まれてから起こる難聴の、最も多い原因です。おたふくかぜワクチンの助成を行うことは、ムンプス難聴の発生を減らすことであり、広い意味で障害者支援にもなるのです。

 すでに2015年から中央区が、2017年からは中野区も、おたふくかぜワクチンの2回目の接種費用助成を始めています。
品川区も、ぜひおたふくかぜワクチンの2回目の接種費用助成を行うことを、再度強く要望いたしますが、品川区のご見解はいかがでしょうか。

2.風疹対策について


 風疹が再び流行し始めています。現在、東京都下で107日までの報告数は362人、全国では103日までの国立感染症研究所の集計で952人が報告されました。実に、2012年~2013年以来の報告数となっています。

 2012~2013年の風疹流行では、16730人が発病し、45人の眼、心臓、脳に障害を持った先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれました。そのうち、11人が1年以内に亡くなりました。


 
先天性風疹症候群の発生をなくすには、妊娠中の女性への感染を防ぐことが重要であり、そのためには妊娠出産年齢の女性や、妊婦の周りにいる、 風疹に免疫のない「感受性者」を減らすことが必要です。

 
また、風疹の感染拡大を防ぐには、つねに流行の温床となっている、3050歳代の風疹に免疫のない、男性感受性者にワクチンを受けてもらわなければなりません。

 品川区も、妊娠を希望する女性、および配偶者等に対する、風疹抗体検査と風疹ワクチンの接種費用の全額助成を行っており、 さらに、本年度からは、われわれの要望した、過去にワクチン接種歴があっても、抗体検査で免疫のなかった人に、風しんワクチン接種の全額助成を行うという、 対象者の拡大施策も行なわれました。

 しかし、未だ男性については、抗体価の低い妊婦の同居者と伺いましたが、更なる対象拡大が必要と考えますが、区のお考えはいかでしょうか。

 本年101日の新聞報道によると、厚労省は来年度から、3050歳代の男性に、風疹抗体検査の費用を全額補助することを決めた、ということです。この厚労省の決定は、一歩前進と考えますが、 いずれにしろ、これらの人々に検査を受けてもらわなければ絵に描いた餅になってしまいます。

 われわれはその方策として、すでに20163定一般質問で、
20歳からの健康診査の健診対象者への通知に、 風疹検査案内を同封することなどを提案し、現在行われておりますが、さらに国保基本健診対象者への通知にも、 風疹検査案内を同封することを提案したいと考えますが、いかがでしょうか。

 東京都は、2015年から東京商工会議所、東京都医師会と連携し、 企業に風疹などの感染症の予防対策を進めてもらうために、「職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト」を始めました。

 この事業の内容は、従業員に風疹の抗体や予防接種を確認する「協力企業」をつのり、ワクチン接種に努め、従業員の9割以上が十分な風疹抗体を得た企業には、「達成企業」として東京都のHPに企業名を掲載する、 というものです。 この東京都の「達成企業」を見てみると、品川区でも森トラスト、千趣会、第一テクノが掲載されています。このような取り組みは、高く評価されると思います。

 
品川区でも東京都や東京商工会議所品川支部などと連携し、地域レベルでこのような取り組みを行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

 また、岡部信彦川崎市健康安全研究所長によると、川崎競馬場の電光掲示板に「風しんの発生が多くなっています!」「風疹は予防接種で防ぐことができます」 とのメッセージが大きく表示されたそうです。
品川区もぜひ大井競馬場に、「風疹に注意」というメッセージを、大きく電光掲示板に表示していただくよう、各方面に働きかけてはいかがでしょうか。

 
再び始まった風疹流行に対する、品川区の風疹対策の取り組みについて、ご説明をお願いいたします。

3.百日咳流行について  

 次に、現在百日咳も大流行しています。百日咳は近年、流行を繰り返し、成人に患者が多いことから、2018年から小児科定点だけではなく、全ての医療機関が患者を保健所に報告する、全数報告疾患になりました。

 その結果、百日咳の報告数は大幅に増加し、2018107日までに、東京都だけで1352件が報告されました。品川区では96人患者が見つかり、東京都23区内では世田谷区に次いで、第2位の患者数となっています。

 しかし、これは百日咳が品川区で突出して流行しているわけではなく、2018年6月12日に、私のクリニックが品川区第1例目の報告を行って以来、保健所と教育委員会の精力的な対応によって、次々と百日咳の患者が発見され、適切な処置が行われてきたことの表れだと、 高く評価されるものと考えます。


  百日咳は患者の咳やくしゃみから移り、激しい断続的な咳と笛を吹くような息の吸い込みが数ヵ月続く、百日咳菌による呼吸器の病気です。百日咳は母親から免疫をもらえないため、新生児でも感染します。生まれて間もない赤ちゃんが百日咳を発病すると、呼吸が止まって窒息したり、 けいれんや脳症を起こしたりして、実に新生児の百日咳の死亡率は0.6%に及ぶといわれています。

  本年から始まった全数報告により集積された百日咳患者の分析の結果、報告が最も多かったのは59歳で、次いで1015歳でした。また、最も重症になり死亡する危険のある、6か月未満児も50人近くが見つかりました。

 わが国の予防接種制度では、百日咳、破傷風、ジフテリア、ポリオの四種混合ワクチンを生後3か月、4ヵ月、5ヵ月の3回、1歳半でさらに1回、計4回行うことになっています。しかし、1歳半が最後で、それ以降、百日咳に対する追加免疫を受けることがないために、①徐々に免疫は低下し、あまり免疫を持たなくなった、515歳の学童で、百日咳が大流行していること、さらに②この年齢層の患者がワクチン接種前の小さな赤ちゃんに百日咳を移していることが、今回の調査で明らかになりました。

 アメリカでは、百日咳を含むワクチンは、0歳で3回、1歳台で1回までは日本と同じですが、さらに就学前に1回、11歳で1回と計6回の接種を行っています。

 
小さな赤ちゃんの死亡例が出る前に、現在①品川区の幼稚園、小学校で百日咳が大流行していること、②特にワクチン前の小さな赤ちゃんがいる家庭では、 咳をしている年長児との接触は極めて危険であること、③年長児にMRワクチン2期とともに百日咳含有ワクチンを任意で接種できることを、徹底して広報・周知すべきと考えますが、品川区のお考えはいかがでしょうか。

 
また、現在百日咳の入っていない11歳での、破傷風・ジフテリアの二種混合(DT)ワクチンは、定期接種として不十分です。国立感染症研究所も、2018年51日コメントで、「百日咳含有ワクチンの追加接種の必要性が高い」と述べています。

 しかし、当初、2018年に実現するといわれた、二種混合(DT)ワクチンから百日咳の入った三種混合(DPT)ワクチンへの切り替えがいまだに実現していません。 遅々として進まない国の対応を待つことなく、小学生集団に百日咳の追加免疫をつけさせるために、定期接種としての二種混合ワクチンではなく、 任意接種として三種混合ワクチンを公然と勧めることはできないまでも、
せめて三種混合の接種を希望する11歳児には、接種費用の助成も検討すべきではないでしょうか。

 すでに大阪府河南町では、2018101日から、定期接種(二種混合ワクチン)の代わりに、 任意接種(三種混合ワクチン)を接種する町民には、5000円の接種費用の助成を始めています。
品川区のご見解をお伺いしたいと思います。

4.区職員の感染症予防対策について

 これまでおたふくかぜ、風しん、百日咳と3つの感染症に関する、質問を行いました。

 区民への感染症の予防の啓発と施策は極めて重要ですが、 区の職員がこれらの感染症にかかって区民へ感染を拡げては、元も子もありません。
 区の職員が感染症を移され、区民への感染を拡大させないためにも、感染症の発生調査を担う職員は無論のこと、保健センターなどで乳幼児健診に従事する職員への、感染症抗体検査の実施と、抗体価の低いケースでは、予防接種を行うことは、区民を感染症から守るために必要な施策と考えます。

 乳幼児健診や感染症対策に携わる職員への抗体検査の現状、及び、今後の予定について、区の見解をお示しください。

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Ⅱ.品川区の健康施策について

1.運動器症候群と骨粗鬆症について

 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気です。患者は1000万人を超すといわれており、80%以上は女性です。女性はもともと骨量が少ない上に、閉経によりホルモン分泌が減少するため、男性よりも早く骨密度がもろくなるといわれています。

 骨粗鬆症は、最初は症状はありませんが、進行すると、ささいな衝撃でも骨折します。しかも、1回骨折すると治るまでにかなりの時間がかかります。50歳以上の女性が骨折する確率は3人に1人、男性が骨折する確率は5人に1人といわれ、40%の人は骨折後、歩けなくなるといわれています。

 ロコモティブシンドロームは、運動器症候群とも呼ばれ、筋肉や骨、関節など、運動器が障害され、歩けなくなって、介護が必要となる病気です。 骨粗鬆症と重なる病気です。

 
骨粗鬆症、ロコモティブシンドロームを防ぐことは、健康寿命を延ばすことになります。そのために、品川区が現在行っている施策をご紹介ください。

 また、骨粗鬆症は骨密度を検査することにより、早期に診断することができます。
現在、東京都市町村のうち、41自治体で実施されており、本区でも骨粗鬆症検診の実施を望む声もあります。品川区で骨粗鬆症検診が実施されていない理由をご説明下さい。

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Ⅲ.品川区の子育て支援について

1.多様な保育の展開について

 最後に子育て支援施策について、お伺いします。

 東京都福祉保健局2018730日発表の、「都内の保育サービスの状況について」によれば、品川区の保育サービス利用児童数は、 前年より925人増加し、都下市区町村中第3位だったにもかかわらず、待機児童数は逆に前年より200人も大幅に減少し、計19人と、ほぼ待機児童は解消された状態になりました。
 この間の区のご努力を、高く評価いたします。

 ただし、保育需要は、数年間は高留まりが続くと想定されており、品川区も、2018年度は1557人、2019年度は1015人の受け入れ枠拡大を予定しています。引き続き、保育所増設のご努力もお願いしたいと思います。

 待機児童がほぼ解消され、保育の量がほぼ充足された今、次の課題は
品川区の保育の質を高める取り組みの強化と 考えます。

 保育の質とは、「保育サービス」、「環境」、「人材、すなわち保育士」から成り立ちます。 品川区は今後どのように保育の質を維持し、さらに高めていくお考えなのか、伺います。

 また、
多様な保育形態の展開などは、いかがお考えでしょうか。新たに創設される、のびしなプロフェッショナルスクールの役割も含めて、ご説明をお願いいたします。

2.病児保育について

 病児保育の整備が着実に進んでいます。2018年度に2施設、2019年度に2施設が新たに開設の予定です。地域ごとに病児保育が点在し、保護者が利用したいに利用できる、我々がかねてから要望してきた、理想的な形が実現しつつあります。
 これまでの区のご努力を、高く評価したいと思います。
 今回、病児保育の新たな事業形態として、2019年に荏原医師会が関与する病児保育が登場します。 従来、病児保育は医療機関で病気の急性期と回復期の子どもを預かる、「医療機関併診型・病児保育」と、保育所で病気の回復期の子どもだけを預かる、「保育所併設型・病後児保育」に大別され、その他保育所で体調を崩した園児を、引き取りまでお世話する「体調不良児対応型」もありました。

 今回、医師会が関与する病児保育は、保育所併設型で病児保育を始める、新しい形態ということになります。
このような保育所併設型の病児保育を品川区が開設するに至った経緯と、今後の展望について、ご説明ください。

 これに関して、 われわれは病気の回復期の子どもしか預かれず、そのため利用者の減っている現在の保育所併設型の病後児保育所は廃止し、 条件の整ったところはニーズの高い病児保育所に転換していくことを提案してきました。
病後児保育所の今後について、区のお考えをお聞かせください。

3.保育所感染症対策について


 品川区の保育所では、感染症が相変わらず大流行しています。現在はRSウイルス感染症が流行中です。

 小児科診療の現場で今大きな問題となっているのは、保育園関係者が園児の保護者に対し、医療機関に行って感染症の検査をしてもらうよう、安易に指示する対応です。

 まず、①
感染症の迅速検査は100%正確ではないこと。すなわち、検査陰性でも、その病気にかかっていないとはいえないこと。②検査を行うということは費用がかかること。特に、今流行しているRSウイルス検査は、1歳までしか保険適応にならず、1歳以上の子どもに検査を行う場合は、保護者が負担するか、病院がコストを負担することになること。③検査を行うことは、誰かが費用を負担しなければならないこと、そのために不必要な検査は要求しないこと。という基本的な理解が必要です。

 実際、保育園から検査するよう指示されたため、検査費用を自己負担してRSウイルス検査を受けた、という亊例もありました。

 保育所感染対策で大切なのは、安易に検査を指示して病名を掲示することではなく、感染予防の実際の対応です。「保育所における感染症対策ガイドライン」に準拠し、飛沫感染対策には「咳エチケット」、接触感染、経口感染には正しい手洗い、消毒の徹底、子どもの体調をよく把握し、いつもと違う症状が見られたときは隔離を含めて適切な対応を取ること、感受性対策は園児、保護者、職員の予防接種の接種勧奨こそが重要なのです。

 また、家庭での感染予防の健康教育も重要です。病気の子どもを無理に登園させずに、家庭でのケアの仕方、病児保育の上手に利用することなどの説明も大切です。保育所における感染症対策ガイドラインにも、「職員全体が専門的知識・技術習得することや、組織として関係機関と連携することは重要です。子どもの健康問題への対応や保健的対応の充実・向上は、児童福祉施設としての保育所の責務です」と述べられています。

 9月26日に開催された、品川区医師会予防接種担当理事による公立保育園長、看護師に対するインフルエンザ講演会は、われわれの求めてきた、地域の小児科医との連携という点からも、保育所の現場スタッフに対し、感染症の正しい知識の習得の機会を与えるという点からも、高く評価されると思います。

 今回のインフルエンザ講演会をさらに進めて、
地域ごとの小児科医との連携も視野に入れ、ブロックごとに医師会や基幹病院などの関係機関と協力し、感染症対策、サーベイランスの協議体を立ち上げることを 提案しますが、区のご見解はいかがでしょうか。

4.子育て応援券について

 最後に、再度、在宅家庭に対する支援のために子育て応援券の発券を 求めます。

 品川区では1万円のクーポン券配布を行っていますが、物品購入だけでなく、保育所やさまざまな育児サービスの利用にも 使用できるようになれば、在宅子育て家庭にとって、大きな贈り物になるのではないでしょうか。
品川区の在宅子育て家庭のために、子育て応援券の検討を再度要望 いたします。区のご見解を伺います。


 子どもは未来であり、希望そのものです。品川区の子どもと保護者のための医療・子育て支援施策が濱野区政の下、さらに大きく広がることを期待して、 今年度の私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました

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