品川区の病後児保育室のご紹介

 キッズベル品川など病児保育室が急性期、回復期を問わず、病気のお子さまをお預かりするのに対し、 病後児保育室は病気の回復期のお子さまのみをお預かりする施設です。病気の回復期に保育が限られているため、利用者が少ないようですが、 病後児施設もその特徴を理解してうまく利用すれば、働くお母さまにとって頼りになる存在です。

 将来的には、病後児保育室は急性期の病児もお預かりできるように保育看護の幅を拡大し、病児保育所に統一されることが望ましいと考えます。

 今回、品川区保育課のご協力で、各病後児施設を訪問し、担当の方からお話しを伺いました。その取材を元に、品川区の病後児施設のご紹介を行いたいと思います(本文内容の文責は当クリニックにあります)。

病後児保育とは?

 病後児保育とは、病気の急性期(病中)を過ぎて回復期に入ったお子さまを、体調を見ながら無理なく過ごせる環境で、ゆっくりと体力の回復をはかる保育です。

 病気の回復期とは、
@日常的にかかりやすいかぜ、下痢などよくある病気では、主要症状(熱)がなくなった状態
A麻疹、水痘、風疹等の感染症は、感染力がなくなり他児にうつさない状態
B気管支喘息等の慢性の病気では、発作がおさまった状態
Cやけど、骨折等の外傷性疾患は、症状が安定した状態

であると定義されています。

 しかし、現実には、お子さまがこのような状態まで回復すると、ほとんどの保護者はお子さまを通常の保育園に登園させているようです。これが病後児保育があまり利用されていない大きな理由だと思われます。
 それでは、病後児保育はどのようなときに利用したらよいのでしょうか。

 第一に、咳、鼻水などのかぜ症状が長引き、熱は無いもののふだんに比べてお子さまが食欲が無い、元気が無い、ごろごろしている、などの状態のときは、病後児保育の利用をお勧めします。
 第二に、熱が高い、咳がひどい、頻回に吐くなどの症状で休園していたが、取り合えず熱が下がったものの、まだぐったりしているような場合も、ただちに保育園に復帰するよりは病後児保育で療養したほうが好ましいと考えます。

 通常の保育園の生活では、どうしても他の園児とからんで、安静は保てません。 通常の保育園でも散歩を控える、などの配慮はしてくれますが、看護師、保育士がほぼマンツーマンでお世話してくれ、与薬もしてくれる病後児保育室のほうがお子さまにとって、好ましい環境であることはいうまでもありません。

 また、通常の保育園ではシーズンごとにいろいろな感染症が流行します。体力の落ちたお子さまを無理に保育園に復帰させても、すぐまた新しい感染症をうつされ熱を出し、保育園をお休みすることになります。
 「保育園に行くと熱を出し、治ったので登園させたら、すぐまた熱を出した」とお母さまからよくご相談を受けますが、病後児保育で療養し、体力を回復することが結局は長く保育園に通える近道だと思います。

 また、喘息の小発作やとびひなどの皮膚疾患(治療中)もできれば、病後児保育を利用したい病気です。

病後児保育の利用方法

 @対象年齢と定員

   定員は4名です。保育士、看護師が保育看護に当たります。

   対象は、品川区に在住し、保育園、幼稚園に通園しているお子さまで、0歳児(保育園に通園している乳児なら、月齢を問わず可)から小学校に入学する前の6歳児までが対象です。

 A利用できる日時

    月〜土    7:30AM〜6:30PM

 B利用料金

  品川区の認可保育園の園児は無料。その他の保育園、幼稚園のお子さまは1回利用料2000円です。

   *品川区の認可保育園には、全ての品川区立保育園のほか、区立民営保育園1園、私立保育園9園、保育所型認定こども園1園が含まれます。
    また、品川区在住で他区の認可保育園に通園している園児も、病後児保育室の利用が無料になる場合もあるようです。詳しくは品川区保育課にお問い合わせください。(子ども未来部保育課施設・運営係  電話:03-5742-6724   FAX:03-5742-6350)

 C利用方法

  まず、利用希望者は各病後児保育室に電話し、空き状況を確認します。空いていれば、仮予約をします。 

  かかりつけの医療機関で、品川区病後児保育室医師連絡票を記入してもらいます。 (費用はかかりません

  病後児保育室に再び電話し、利用日、時間を(本)予約します。(品川区病後児保育室医師連絡票を書いてもらってから、電話で予約して始めて利用できます。仮予約のままだと利用できません)

  利用は予約が必要です。利用受付時間は月〜土月曜日の9:00AMから5:15PMまでです。利用前日の5:15PMまでに予約します。
  
当日でも空きがあれば予約、預かりは可能です。ただし、利用は9時以降になります。また、土曜日は当日預かりはありません。

  連続利用は7日までです。

 D必要書類

病後児保育個人カード(年度内に1回最初に利用するときに病後児保育室に提出します)
家庭連絡表 (お子さまの状態を記載していただきます)
□ 品川区病後児保育室医師連絡票(かかりつけ医に書いてもらいます。2008年4月1日より、新様式になりました)
□ 母子健康手帳・健康保険証(写し)・乳児医療証
□ 着替え3組
□ オムツ8枚またはパンツ3枚・お尻ふき
□ お手拭2枚・バスタオル2枚
□ ビニール袋2枚(汚物入れ)

 E各病後児保育室のご紹介     

どるふぃん 

西五反田保育園病後児保育室(西五反田3-9-10。電話・Fax 3493-0075 本園、3493-0359 どるふぃん)
 
広々とした保育室と安静室があります。比較的利用者が多いようです。

西五反田保育園 どるふぃん 広々とした保育室

ラベンダー 

清水台保育園病後児保育室(荏原7-8-3。電話・Fax 3784-0519)
 
安静室と保育室があります。利用者は少ないようです。

清水台保育園 ラベンダー 保育室から安静室をのぞむ

ウエストエンゼル 

西大
井保育園病後児保育室(西大井1-1-1。電話・Fax 3774-5315)
 
保育園の一室が病後児保育室になっています。利用者は少ないようです。

西大井保育園 ウエストエンゼル(室内) 保育室。やや狭い

REST 

どんぐり保育園
病後児保育室(南品川2-9-13。電話 3471-1673・Fax 3471-1816)
どんぐり保育園病後児保育室のホームページはこちら
 
自園の園児を中心に利用者は多いようです。

どんぐり保育園REST外観 2階が病後児保育室 

まとめ  品川区の病後児保育室4園を紹介しました。 

この情報はあくまで鈴の木こどもクリニックの独自の取材に基づく情報です。→品川区の病後児保育の公式案内は こちら
病後児保育室利用希望者は、必ず当該保育園に電話で利用方法等を確認の上、病後児保育をご利用になってください。

なお、当クリニックの病後児保育室取材を許可していただいた品川区保育課、取材に協力していただいた各病後児保育室の園長先生、担当者の方々に厚く御礼申し上げます。

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