離乳食の進め方

離乳とは、母乳または育児用ミルク等の乳汁栄養から、幼児食へ移行する過程をいいます。

  
離乳は、母乳や粉ミルクのような液体を飲んでいた赤ちゃんが、大人と同じように固形の食事を食べられるようになるまでの練習をいうのです。
  赤ちゃんが反射で乳汁を吸うことと、食物をかみつぶして飲み込むことは、歯が生えてきたからと言って、自然に変えることができるわけではありません。
  
お母さまと赤ちゃんが発達段階に応じて、適当な固さ、量の食事を、唇、歯、舌、あごを使って上手に飲み込んでいく練習の過程が、離乳です。

  離乳を進める中で、赤ちゃんとお母さまの間により深いきずなが築かれていくことも、離乳の大切な役割です。

Ⅰ.5~6ヵ月 離乳の開始とは、なめらかにすりつぶした状態の食物を、初めて与えた時をいいます。

  ①離乳の目安になる赤ちゃんの発達の状態としては、次の状態になれば、始め時です。

      
 1. 首がしっかりすわっている
       2. 支えてやると、座っていられる
       3. 食べ物に興味を示す。手を出して、食べ物に触るようになる
       4. スプーンを口に入れても、舌で押し出すことが少なくなってきた(哺乳反射が弱まってきた)
       5. お母さま、お父さまの食事をじっと見て、よだれを出すようになった

  ②この時期は、母乳、粉ミルク以外の舌ざわりや味に慣れさせること、唇を使ってスプーンから離乳食を口に入れ、飲み込むことを覚えてもらうことが目標です。

  ③離乳開始後の最初の1ヶ月間は、1日は1回から始めましょう。

   まず、なめらかにすりつぶした、アレルギーの心配の少ない、つぶし粥を1さじから与えてみましょう。1さじ食べられたら、さらに1さじずつ増やしていきます。
   そして、5~10さじ食べられるようになったら、お芋とか野菜を加えます。そして、また1さじから始めてみましょう。
   食事の後、母乳、粉ミルクは飲みたいだけ与えます。

  ④赤ちゃんの口になじむ、スプーンを選びましょう。赤ちゃんの口と比べて、大きすぎず、口当たりがやさしいスプーンがよいでしょう。
   スプーンを嫌がるようなら、違うスプーンに替えてみてもよいかもしれません。

  ⑤スプーンの先に食事をのせ、下唇にあてて、赤ちゃんが自分で口に取り込むのを、待ちます。そして、口に入った食べ物を、飲み込む(嚥下反射)位置まで送り込むを練習します。

Ⅱ.7~8ヵ月 離乳を開始して、1ヵ月を過ぎたころから、離乳食を1日2回に増やします。

  ①離乳食を2回にする目安としては、次の状態になれば、回数を増やしてよいでしょう。

      1. スプーンに慣れて、べたべたのおかゆ、野菜、白身魚、豆腐をごっくんできるようになった
      2. 1回の離乳食が全部で10さじぐらい、食べられるようになった

  ②生後6か月を過ぎると、下あごが前に出てきて、さらに歯が生え出す準備として歯ぐきが大きくなり、あごが下がっていきます。その結果、口の中が広くなり、舌が前後だけでなく、上下に動かすこともできるようになります。

  ③生後7~8ヵ月ころからは、舌で簡単につぶせる、絹ごし豆腐のような固さのものを与えます。

  ④離乳食を与えたあと、母乳または粉ミルクを飲ませます。それとは別に、粉ミルクなら3回、母乳は欲しがるだけ十分与えます。この時期は母乳、粉ミルクがまだ主な栄養源になっています。

  ⑤この時期は、いろいろな形、大きさのものを口の前の方で取り込み、舌や上あごを使って、つぶして飲み込むことを覚えていく段階にあたります。

  ⑥食べ物はゆっくり食べさせましょう。まず、下唇の上に乗せ、上唇が閉じるのを待ちます。次々と口に入れたり、無理にスプーンなどで口のなかに押し込むと、早食べや丸飲み、場合によってはむせたりします。

Ⅲ.9~11ヵ月 生後9ヵ月ごろから、食事のリズムを大切に、離乳食は1日3回に増やします。

  ①次の状態になれば、3回食に進んでもよいでしょう

      1. 9ヵ月ごろになり、ある程度のものを口をもぐもぐして、食べられるようになった
      2. 1回の離乳食が子ども茶わんで半分ぐらい、食べられるようになった
      3. 1日2回の離乳食が食べられるようになった

  ②舌を上下から左右にも動かせるようになり、舌だけでなく、歯ぐきでかみかみしてつぶせるようになります。

  ③したがって、離乳食も歯ぐきで押しつぶせる、バナナのような固さのものを与えるようにします。噛んでいると口がもぐもぐ動きます。唇のねじれ、頬の動きを観察しましょう。

  ④離乳食を与えた後は、母乳、または粉ミルクを飲ませます。それとは別に、粉ミルクなら2回、母乳は欲しがるだけ十分に与えます。

  ⑤食べ物は口の前の方に入れましょう。この時期は、口の前の方で食べ物の感触、熱さ、大きさを感じながら、食べ物に応じた舌、あご、歯ぐきの動きを覚えていく段階にあたります。

  ⑥丸みのあるスプーンを下唇の上に乗せ、上唇が閉じるのを待ちます。やわらかめのものを前歯でかじり取らせます。

  ⑦1日3食になり、栄養の半分以上は離乳食からとれるようになります。栄養のバランスにも注意しましょう。いろいろな味や舌ざわりを楽しめるよう、食品の種類を増やしていきましょう。

  ⑧鉄が不足しやすいので、赤身の魚や肉、レバーを取り入れ、調理用の牛乳、乳製品の代わりに粉ミルクを使用してもよいでしょう。

Ⅳ.1歳~1歳6カ月 離乳の完了とは、形のある食物を噛みつぶすことができるようになり、エネルギーや栄養素の大部分を、母乳または粉ミルク以外からとれるようになった状態をいいます。

  ①次の状態になれば、離乳の完了を考えてもよいでしょう。

      1. 12ヵ月ごろになり、口を動かして、バナナ程度の固さのものなら、歯ぐきでしっかりと噛んでつぶせるようになった
      2. 1日3回の離乳食をしっかりと食べられるようになった

  ②前歯が生えそろい、奥歯も生えてきます。前歯で食べ物をかじりとり、歯ぐきでつぶす、咀嚼の動きがみられるようになります。咀嚼機能は奥歯の生えそろう3歳ぐらいまでに獲得されます。

  ③離乳食は、9~11ヶ月よりやや固め、大きさのものを与えます。歯ぐきで噛みつぶせる固さ、肉だんごぐらいなものを目安とします。いろいろな大きさ、固さのものを用意し、食材に合わせたかじり方を経験させましょう。

  ④栄養の7割以上を離乳食からとれるようになります。母乳は続けてもよいのですが、卒乳を考えてもよいでしょう。牛乳やミルクは1日300~400mlをコップで飲むようにしましょう。

 ⑤離乳の完了とは、母乳または粉ミルクを飲まない状態を指すわけではありません。

 ⑥手づかみ食べを十分練習させましょう。手づかみ食べは、食べ物を目で確かめて、手指でつかんで、口まで運び口に入れるという、目と手と口の協調運動であり、摂食機能の発達上、重要な役割を持ちます。手づかみ食べを始めて、自分でも食事を楽しめるように気を配りましょう。また、手づかみ食べとともに、食具を使った食べる動きを覚える練習も行いましょう。

乳幼児期の栄養に関して

 ①離乳食が足りているか、成長の目安は、母子手帳の成長曲線のグラフに、体重や身長を記入して、成長曲線のカーブに沿っているかで確認できます。

 ②胎児や赤ちゃんの時代の栄養状態が、大人になってからの肥満、2型糖尿病、高血圧、循環器疾患に関連することが多く報告されています。

  離乳期に得られた味覚や食事の好みは、その後の赤ちゃんの食生活に大きな影響を与えるといわれています。したがって、この時期の栄養・食生活は、肥満などの生活習慣病の予防という長期的な視点からも考える必要があります。

 ③フォローアップミルクは必要ありません。フォローアップミルクはもともと液状の離乳食です。もしも、離乳食が順調に進まず、鉄不足のリスクが高いような場合は、利用してもよいでしょう。

 ④自発的に食べる行動を起こすには、食事時間に空腹を感じることが基本です。たっぷり遊んで、規則的な食事リズムをつくるよう、赤ちゃんの生活リズムをつけるよう、心がけましょう。

参考文献:
「授乳・離乳の支援ガイド」,厚生省児童家庭局,厚労省HP.
「改定 離乳の基本」,厚生省児童家庭局,母子保健課長通知,1995年12月.
「平成17年度乳幼児栄養調査結果」,厚労省雇用均等・児童家庭局,2006年6月.
小池澄子,井上美津子:ステップアップ離乳食.学習研究社,東京,2007年.
乳幼児期の食育~食幾の観点から子育て支援を考える~ 小児保健シリーズ61、日本小児保健協会、2007年.



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