新型コロナウイルス感染症の流行について

はじめに

 
武漢で発生した「新型コロナ肺炎騒動」で、マスコミはいつものように連日けたたましく、嬉々として大騒ぎしています。

 当クリニックにも、「肺炎かどうかX線をとってほしい。」と受診もしたこともない方から、問い合わせが来る事態となってきました。悪夢のような新型インフルエンザ騒動の、阿鼻叫喚の地獄絵図が思い出されます。

 今回も繰り返される、マスコミの無責任で愚かな騒音報道公害…。

 一例を挙げると、足止めを食らっているイギリス船籍で、プリンセスクルーズという国際クルーズ会社の豪華客船を巡るマスコミの馬鹿騒ぎです。乗船者一人一人にPCR検査などを行っていたら、我が国の地方衛生研究所の、住民の健康を守る日常の検査業務など、パンクしてしまいます。日本国民に対する保健衛生の日常業務の全て犠牲にして、イギリス豪華客船の全乗客の新型コロナウイルス検査を優先して行え、その理由は可哀想だから、とマスコミとそのチンドン屋連中はがなり立てているのです。

 そもそもそれは日本の保健所が、行わなければならない業務なのでしょうか。中国で発生した肺炎に感染した外国籍の人に対する巨額な検査費用を、われわれ日本人が全額負担して、検査して差し上げろというのでしょうか。そもそも自国民を保護する義務は、その国の政府にあると思われるのですが、日本のマスコミ連中は、何故日本政府ばかり責め立てて、船の所有会社プリンセスクルーズ(このクルーズ会社は、過去にバハマ海などで船舶から不法投棄を繰り返し、アメリカ政府から罰金刑を受けている会社です)やイギリス政府(イギリス船籍)に言及しないのでしょうか。(船会社が船賃をただにした。人道的で素晴らしい!!馬鹿馬鹿しい。正気で言っているのでしょうか?)

 相も変わらぬマスコミの低次元で愚劣な騒音公害に当クリニックの患者さんが振り回されないよう、現時点における新型コロナウイルス感染症についての当クリニックの見解をまとめてみました。(2020年2月10日現在)
 1日1日で状況が急展開し、更新が追いつかない状況です。レアルタイムに加筆修正していきますので、当クリニック患者さんはまめにチェックをお願いいたします。

 この見解は、当クリニックを信頼するかかりつけの患者さんに対する、当クリニックが発信する情報提供です。当然、当クリニック独自の見解が多く含まれています。当クリニックではなく、他医かかりつけの患者さんは、信頼されいつも受診されている、かかりつけの先生にお尋ねされると良いでしょう。


Ⅰ.コロナウイルスについて


 まず、今回の新型コロナウイルス感染症、「武漢肺炎」騒動の病原体である、「コロナウイルス」から見ていきます。コロナウイルスは、実は私たちの周りのさまざまな動物に感染し、病気を引き起こしている、よくみられる、ありふれたウイルスです。

 コロナウイルスは、その出自はニドウイルス目コロナウイルス科に属する、大きさが100nmぐらいのRNAウイルスです。ちなみにインフルエンザウィルスも100nmなので、ほぼ同じ位の大きさのウイルスということになります。

 ウイルス表面に突起(スパイク蛋白)が林立し、あたかもウイルスの形が王冠のように見えることから、王冠を意味するcoronaと名付けられました。(右写真は国立感染症研究所HPから)

 コロナウイルスは自然界で、動物ごとに棲み分けをしていて、その宿主(ホスト。いつも感染している相手)にはほとんど悪さをせず、軽いかぜ症状や下痢を引き起こすだけで、おとなしく共存しています。

 これはある意味、当然のことであって、宿主が死亡するということはウイルスも存在できなくなり、死んでしまいます。宿主が元気な状態が、ウイルスも共存するためには必要な条件なのです。

 実は人間にもしっかり4種類のコロナウイルスが感染しており、かぜの10~15%(流行時には35%)はヒトコロナウイルス(Human Coronavirus:HCoV)が引き起こしているのです。人にかぜを引き起こすHCoVは、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1の4種類です。そして、6歳までにほとんどの人は、これらのコロナウイルスの感染を経験します。これらのコロナウイルスは、人に感染しても軽いかぜの症状しか起こさないで、人と長い間共存してきました。

 最近、2種類の別のコロナウイルスが人に感染し、流行しました。この2種類は、重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndrome:SARS)コロナウイルス(SARS-CoVと略します)と、中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory Syndrome:MERS)コロナウイルス(MERS-CoVと略します)です。

 この2種のコロナウイルス(CoV)はもともと、SARSコロナウイルスはキクガシラコウモリ(当初は、ハクビシンが疑われていました)、MERSコロナウイルスはヒトコブラクダが宿主でした。それが、何らかの理由でヒトに感染力を持ったために、人に感染し、発病させ、その力加減がわからず、ヒトを重症化させたり、殺してしまったと考えられています。

 SARSコロナウイルスは、中国広東省で大流行し、2002年11月から2003年7月にかけて、8098人が感染し、774人の死者がでました。SARSコロナウイルスは高齢者や慢性疾患を持つ人を重症化させたり、死亡させたりしましたが、子どもにはほとんど感染しませんでした。

 MERSコロナウイルスは、アラビア半島で大流行し、2494人が感染し、858人が死亡しました。しかし、実はサウジアラビア国民の0.15%はMERSコロナウイルスに抗体を持っていると報告されており、実際は感染しているヒトは5万人を越えているのではないかともいわれています。また、SARSと同様に、高齢者や慢性疾患を持つ人が重症化・死亡し、子どもはほとんど感染しなかったようです。
 
 以上、人に感染することがわかっている、6種類のコロナウイルス(軽症4種、重症2種)をまとめてみます。

ウイルス名  ヒトコロナウイルスHCoV
HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1
SARS-CoV MERS-CoV
 病名 かぜ SARS (重症急性呼吸器症候群) MERS(中東呼吸器症候群)
 発生年 毎年 2002~2003年 2012年~現在
 発生地域 世界中 中国広東省 アラビア半島とその周辺
 宿主動物 ヒト キクガシラコウモリ ヒトコブラクダ
 死亡者数/感染者数 不明/70億人 778人/8098人 858人/2494人(50000人?)
 好発年齢 多くは6歳以下 中央値 40歳(0-100歳)
子どもにはほとんど感染しない
中央値 52歳(1-109歳)
子どもにはほとんど感染しない
 主な症状 上気道炎、(胃腸炎 高熱、肺炎、胃腸炎 高熱、肺炎、胃腸炎、腎炎
 重症化因子 重症化しない 糖尿病等の慢性疾患、高齢者 糖尿病等の慢性疾患、高齢者
 感染経路 飛沫、接触 飛沫、接触、糞口 飛沫、接触
 ヒト-ヒト感染 1人→多数 1人→1人以下。
多数に移すス-パースプレッダーも。
1人→1人以下。
多数に移すス-パースプレッダーも。
 潜伏期 2-4日 2-10 2-14
 感染症法 指定無し 二類感染症 二類感染症

コロナウイルスとは 2020.1.10 国立感染症研究所から引用

 そして、今回の新型コロナウイルス(COVID-19)は2019年に新たに登場した、ヒトに感染する7番目、重症化させる3番目の新しいコロナウイルスとなるのです。

Ⅱ.中国における新型コロナウイルス感染爆発の経過

①新型コロナウイルス感染症の発生

 この新しいコロナウイルス、COVID-19による第1号の肺炎は、2019年12月8日に発生しました。最初の新型コロナウイルス肺炎の患者は、湖北省武漢市「華南海鮮卸売市場」の関係者だと言われています。

 この「華南海鮮卸売市場」では、魚介類だけでなく、100種類以上の野生動物を「食品」として、生のまま売ったり、目の前で殺したり、冷凍して宅配したりしていたそうです。市場のメニューによれば、ヘビ、アナグマ、ハクビシン、キツネ、コアラ、野ウサギ、クジャク、サソリ、ワニ、ネズミなどが食べ物として売られていたようです。しかも、これらには「野生動物保護法」や「食品安全法」に違反している、捕獲してはいけない動物や食べてはいけない動物も多数含まれていました。すなわち、このような市場は中国の法律においても、違法な営業ということになります。それが、武漢政府当局の「お目こぼし」で営業を続けていたのです。

 そのため、武漢政府当局としてはこの違法市場から発生した、新型コロナウイルスによる肺炎をできるだけ表沙汰にしたくなかったため、隠蔽に走ったと言われています。

 新型コロナウイルス肺炎の最初の感染者は、2019年12月8日に発生しました。華南海鮮市場で、おそらく、野生動物(コウモリ?)を生で食べた人物が最初の感染者ではないかと推定されています。この新型コロナウイルス2019-nCoVは、遺伝子配列がSARS-CoVと75-80%共通であり、いくつかのコウモリコロナウイルスときわめて類似していたと言われています。

 海鮮市場の原因不明の肺炎が、全く新しい新型のコロナウイルスの感染だとわかったのは、12月26日、上海市の公共衛生臨床センター科研プロッジェクトが通常の研究の一環として、武漢市中心医院、武漢市疾病制御センターから、発熱患者のサンプルを入手して検査したところ、新型のコロナウイルスであることがわかったためでした。そして、1月5日、武漢の原因不明の肺炎は「歴史上見たことのない、新型コロナウイルスが原因だ」と発表されたのです。

 しかし、武漢市衛生健康委員会は、武漢肺炎が華南海鮮市場と関係あること、27例の症例と重症7名の退院例があったが、ヒトーヒト感染はなく、医師への感染の事実もない。武漢肺炎は、予防可能で制御可能であると、うその発表を行って沈静化に努めたのです。

 それどころか、「微進」というSNSに「海鮮市場で、7件のSARSに似た肺炎が発生した」と書き込みを行い、注意を喚起した8人の医師グループを「オンライン上でデマを流布し、深刻な社会秩序の混乱を引き起こした」という理由で訓告処分とし、最初に発信した李文亮医師にこれ以上「違法行為」をしないと誓う誓約書まで書かせたのです。

 武漢協和病院では、1月7日に趙軍実という患者に脳外科手術が行われました。ところが、この患者は1月11日に肺炎を発症し、1月15日には新型コロナウイルスに感染していることがわかりました。その後、手術、治療に係わった医師、看護師14人が次々と新型コロナウイルス感染症を発病したのです。したがって、1月中旬にはヒトーヒト感染が存在することは事実として把握されていたのです。

 李文亮医師(右写真。CNNより)はその後も武漢中央病院で新型コロナウイルス感染症の診療に従事していましたが、自らも感染し、1月12日、同病院ICUに入院、2月7日に亡くなりました。34歳の、壮絶な戦死でした。
 李医師は死亡する数日前に、アメリカCNNの取材に応じ、「自分は何もできなかった」「すべては公式(政府)の方針に従わなければならなかった」と話したということです。( 新型ウイルスを告発した武漢市の医師が死亡、自らも感染 中国)

 2020年1月6日に、武漢政府は新型肺炎の問題は鎮静したと発表し、2020年3月5日に北京で開催される予定の、全国人民代表大会(全人代)の準備のための湖北省の「両会」地方大会を、1月12~17日に開催すると発表しました。

 1月10日に武漢市の両会は終了し、1月17日には湖北省の両会が勝利の内に閉幕したと宣言されました。しかし、同日浙江省で新たに新型肺炎の患者5人が発病し、新型肺炎は終息していないどころか、ますます拡大していることが明らかになったのです。

 しかも、感染者が続々と増えている時期に、武漢市では「湖北省春節祝賀園芸会」を大々的に開催し、政府関係者は全員出席し、登壇した園芸員の中には感染者もいたということです。

 1月10日、国家衛生健康チームの応広発北京大学呼吸・重症学科主任は新華社の取材に「疫病は制御できている。」と答えました。彼は12月30日に武漢を視察しましたが、武漢政府が用意したカルテを見せられて、すっかり信用してしまい、事態の深刻さに気づかなかったのです。

 しかし、1月17日浙江省で新たな患者発生を見て、中国の感染症の権威である、鐘南山国家衛生健康委員会専門家グループ長が動きだしました。鐘南山中国工程院院士(博士の上の称号)は、SARS大流行の時に、感染拡大を隠蔽しようとする中央政府と戦い、またSARSの患者を自分が所長を務める医療施設に広く受け入れ、献身的に治療を行い、世界から賞賛された医師です。

 鐘南山院士をトップとする、最高レベル感染症専門家チームが中国国家衛生健康委員会内に結成され、1月18日、航空便の切符がとれないため、陸路鉄道で武漢市に向かいました。1月19日、武漢市に到着した、最高レベル専門家チームは、武漢政府ではなく、実際患者の発生している武漢協和病院を視察し、ヒトーヒト感染を起こしている武漢市の肺炎の実態を北京の党中央に報告したのでした。

 国家衛生健康委員会から孫春蘭国務院副総理、李克強国務院総理に報告が上がり、1月20日、習近平の「重要指示」が出され、武漢市は全面的に閉鎖されることになりました。

 北京からの命令で武漢市政府は、1月23日午前2時5分に、「市新型コロナウイルス感染による肺炎流行予防制御指導部(第1号)」を公表し、1月23日午前10時から、全市の公共交通を暫定的に停止し、飛行場や駅も漸次封鎖する。と通告しました。
 閉鎖の通告から実際の閉鎖まで、8時間のタイムラグがありました。この8時間の間に、数十万人の武漢市民が武漢市を脱出し、これらの人々が結果的に中国全土に新型コロナウイルスを拡散させる結果となりました。うち、1万人は日本に入国したと言われています。

 何故、武漢市政府はこのような午前2時などと真夜中の時間に封鎖の通告を行ったのでしょうか。遠藤誉筑波大学名誉教授は、この1月23日午前2時という真夜中にわざわざ武漢政府が通告を出したのは、1月22日午後8時から開催されていたWHOの緊急委員会にぶつけることで、WHOによる中国に対する「緊急事態宣言」発表を回避するためだったのではないか、と推論しています。

 習近平指導部は全中国に新型コロナウイルスが蔓延し、多くの中国人の生命が危険にさらされる事態よりも、WHOによる「緊急事態宣言」を回避するという、習近平と中国共産党の面子を守ることを優先した、といわれているのです。

②新型コロナウイルス感染症の中国での広がり

 1月23日、武漢市が封鎖されると、武漢の紅十字会(赤十字)には中国全土からマスク、医療物資や献金が集まってきました。ところが、肺炎患者治療病院に指定された700床ベッドがあり、8000人の医療スタッフを擁する協和病院には普通マスクが3000個、資金が1万2千元しか配給されませんでした。そのため、協和病院は押し寄せる患者にまともな医療ができなかったようです。

 しかも、後の調査によれば、武漢紅十字会幹部と個人的に繋がっていた美容整形や不妊治療、性病専門の小さな2つの私立病院(当然肺炎の治療などできない)には、優先的にN95マスクが16000個、基金も36万元が配給されていた、というのです。

 協和病院は鐘南山院士をトップとする、最高レベル感染症専門家チームが視察に訪れた病院で、武漢政府が隠蔽していた新型肺炎の情報を専門家チームに告げ口したと武漢政府から逆恨みされ、さまざまな嫌がらせを受けたという信じられない見方もあるのです。

 1月26日、周先旺武漢市長、王暁東湖北省長、別必雄湖北省中共委員会秘書長が肺炎発生以来、初めての公的な記者会見を行いました。ところが、会場に現れた王省長はマスクをつけておらず、周市長はマスクを上下逆さま、表裏逆につけ、別秘書長は鼻を出してマスクをつけるなど、誰一人正しくマスクをつけておらず、非難が殺到したようです。

 しかも王省長は、湖北省のマスクの生産量108万個を、180億個、18億個と2回も言い間違え、彼が「マスクや医療用防護服が足りない」と発言すると、周武漢市長が「湖北省は防護物資は十分ある」と全く逆の内容の発言するなど、あきれ果てたお粗末な対応に終始したそうです。

 記者会見が終わった後で、周武漢市長は「武漢市がすぐ発信できなかったのは、上層部が私に発表する権限を与えてくれなかったからだよ。」などと開き直り、「でも武漢市の封鎖は私がやった。」などと自慢し、最後には「どう俺の回答、80点ぐらいだったかい?」などと軽口をたたきながら、会場を後にしました。(その一部始終が放映されたようです。)

 さらに、武漢市長は肺炎騒動後に武漢市民500万人が武漢市から逃げた、と発言したのです。武漢市を閉鎖したものの、それ以前に武漢を逃げ出した500万人の武漢市民によって、新型コロナウイルス感染症は中国全土にヒト-ヒト感染によって、燎原の火のごとく、凄まじい勢いで広がっていったのでした。

 一日一日と感染者数、死亡者数が激増していき、2020年2月11日現在、中国国家衛生健康委員会の発表では、中国本土の死者は1016人、感染者は42638人に達したそうです(おそらく実数はこの数字の数倍~数十倍とも言われています)。また、中国外では、27カ国・地域に感染は波及し、感染者339人、死亡者は2人になりました。

 この流行の広がりに、もはや中国政府は有効な対策を打つことが出来ません。封じ込めもできないでしょう。おそらく、新型コロナウイルス感染症はこれからも数ヶ月間、中国国内でも日本を含めた中国外でも、たくさんの人々の生命を奪いながら、爆発的に拡大していくものと思われます。全ては愚かな初動対応のミスが、この惨禍をもたらした最大の原因だと思われます。

 参考:何故、中国で動物由来の感染症が大流行するのか。その実情が報告されています。西村金一:コロナウイルスを発生・拡大させる中国の衛生環境

(疾患の医学的検討と新型コロナウイルス感染症に対する対策については次章で行います。)

③WHOの権威の失墜 

 今回の新型コロナウイルス感染症の突き出したもう一つの深刻な問題は、世界的な公衆衛生的課題に対し、世界保健機関WHOの権威の完全な失墜です。

 世界保健機関としての中立性を放擲し、徹頭徹尾、中国の国家利益の代弁者として振る舞う、WHO史上最悪最低の事務局長、エチオピア人テドロスに対して、日本の提灯持ちマスコミ以外の世界中の人々から、きびしい批判が浴びせられています。

 WHO は2020年1月22日と23日に緊急会議を開きました。しかし、テドロスなど中国の利益の代理人と感染拡大を憂う委員の間で激論になり、結局結論は持ち越しになりました。テドロスは声明で、「緊急委では素晴らしい議論が行われたが、(緊急事態宣言を)進めるにはより多くの情報が必要であることが明らかだった」と協議継続の理由を説明したそうです。

 テドロスは早速1月27日に中国に報告に飛び、問題の武漢には近寄りもせず、1月28日に北京の宮殿で習近平に拝謁し、緊急会議のご報告を行ったのでした。(右はその会見を伝える、人民日報の記事)

 しかもテドロスはその日、中国外相である王毅とも会談し、日本や米国などを念頭に、「住民の引き揚げを望む国があるが、WHOはそれを主張しない」などと中国の肩を持ち、感染拡大を容認する愚かな発言をしたのです。

 日本政府は28日、WHOの緊急事態宣言を待たず、新型肺炎を感染症法上の「指定感染症」に指定しています。(「指定感染症」については、Ⅳ章で詳述します)

 テドロスらによる、このWHOの緊急事態宣言見送りが、結果的に世界各国の対応遅れにつながり、さらに流行が拡大する一因になったのは現在では明らかな事実です。しかし、この中国の代理人のエチオピア人は責任を取るどころか、きょうも全世界の人々の健康を犠牲にして、中国に忠勤を励んでいるのです。


 しかし、その後も爆発的に広がる新型コロナウイルス感染症の大流行に、さすがに1月30日、再度の緊急会議で、テドロスは緊急非常事態宣言「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を出さざるを得なくなりました。

 しかし、テドロスは記者会見で、「感染が中国以外にほかの国でも拡大する恐れがあると判断したので、宣言を出した」と語り、中国を露骨に庇い、次の5点を強調したのです。

 (1)貿易や人の移動の制限は勧告しない(中国との交通遮断に反対する)
 (2)医療体制が不十分な国々を支援する
 (3)ワクチンや治療法、診断方法の開発を促進する
 (4)風評や誤った情報の拡散に対策を採る(中国を非難することは許さない)
 (5)患者感染者の病理データを共有する

 緊急非常事態宣言は、2009年の新型インフルエンザ、2014年のポリオ流行、昨年7月のエボラ出血熱のアウトブレイクなどに対し、これまでに計5回出されています。

 しかも、テドロスはこの記者会見で、
1.WHOは新型肺炎の発生を制御する中国の能力に自信を持っている(全幅の信頼を置いている)。
2.中国への渡航や交易を制限する理由は見当たらない。(中国への渡航を制限する必要はない)
3.この宣言は中国に対してではなく、医療体制の遅れている国への警告だ。
4.中国が感染予防のために行っている努力とその措置は前代未聞なほど、素晴らしいもので、新しい世界のスタンダードとなるものだ。
とあの朝日新聞ですらおそらく赤面するほどの(しないかな?)、歯の浮くような中国へのおべんちゃらとお追従の発言に終始したのです。

 そもそも、この中国の代理人、テドロスとは、どのような人物なのでしょうか。
 彼はエチオピアの保健大臣や外務大臣を務めた、エチオピアの医師兼政治家です。エチオピアという国は、中国マネーに頭にてっぺんからつま先までがんじがらめに縛られた、カンボジアなどと並ぶ代表的なチャイナの従属国家です。
 
 エチオピア外相として、中国政治家とも昵懇で、2017年にWHO事務局長に前任者の香港のマーガレット・チャンの後釜として、中国の強力な後押しで就任した人物です(いつも思うのですが、いったい、日本はいつも言われるがままにお金だけをむしられるATMのような存在ですが、どのような政治力を発揮しているのでしょうか?)。

 日本人は国連とかWHOとかユネスコとかいうと敗戦国の悲しさで、上納金だけ献上させられ、発言は許されず、その天の声は絶対だと思い込まされてきました。(日本は未だに国連の敵国になっています。また、日本マスコミもその役割として、日本人をそう洗脳し、教育してきました。誰のために?)
 逆に、特定アジアの中国や韓国などは、これらの国際機関は金とヒトを出して自分の主張や利益を強引に押し通す国家的利益の道具と割り切って強力に工作し、そのメンバーは鼻持ちならない強烈な自己主張を行い、たびたび成功してきた歴史があるのです。

 今回も、中国は自国の民衆の死者1016人、感染者42638人(公式の数字)を数え、今なお流行を食い止めることができず、さらに世界中の人々が中国発のこの感染症で苦しんでいるにもかかわらず、工作員テドロスは、「中国が疾病の感染予防に対して行っている、努力とその措置は前代未聞なほど、素晴らしい」とか、「歴史上、ここまで立派にやった例はない」などと絶賛、感謝しているのです。

 2月5日、テドロスはジュネーブで記者会見し、肺炎を引き起こす新型コロナウイルスについて、各国のワクチン開発や感染防止策の支援に6億7500万ドル(約740億円)が必要だと述べ、国際社会に資金援助を求めました。しかも、「今投資するか、後でより多くの代償を支払うかだ」と各国を恫喝したのです。

 また、中国の手先、テドロスのもう一つの悪業は中国の意を受けて、台湾を徹底的にWHOから閉め出していることです。WHOの会議に台湾は出席できず、台湾人の中国からの帰国要請も中国政府は人道に反して、無視してきたのです。

 しかし、2月6日のWHO執行理事会で、新型コロナウイルス感染症への対応が話し合われた際、台湾がWHOに参加できないことが問題になりました。米国のアンドリュー・ブレンバーグ大使は、「WHOは、感染地域である台湾の公衆衛生データをはっきり目に見える形で公開し、台湾の公衆衛生当局と直接連携して対応にあたることが急務だ」と述べて、WHOに対して台湾との連携を促しました。

 また、日本の岡庭健大使も、「特定の地域が、オブザーバーとしてでさえも、WHOに参加できない状況を作り出すべきではない」として、台湾のWHO会議への参加を求めたのです。その他、カナダ、ドイツ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、ベルギーなども台湾のWHO参加に支持を表明しましたが、中国は「大いに不満」だとして激しく反発して、抵抗したのです。

 しかし、ついに2月11日からジュネーブで開かれる緊急会合に、台湾からの専門家も参加が認められることになりました。無法に対して、良識が勝ったのです。

 しかし、このテドロスのWHOの中立性をかなぐり捨てた、あまりにも露骨な中国への阿諛追従と、台湾に対する冷酷な処遇に対して、世界中の良識のある人々が立ち上がりました。テドロスの辞任を求める署名活動がアメリカ発のインターネットChange.orgで開始され、すでに全世界から36万人超の人々が署名を行っています(報道はこちら。署名サイトはこちら。)

 参考:日本政府より中国政府の顔色をうかがう、日本のTV番組の中で、極めて珍しい、まともな内容の番組がありました。朝日新聞が発狂しそうですね。“中国寄り”って本当?…実はこんな「事実」も 世界からWHOトップ辞任要求 どう考える?

 このような醜悪な俗物を追放し、真の気骨ある公衆衛生専門家が事務局長に就任し、新型コロナウイルス感染症制圧の先頭に立つ日が1日も早く来ることを願わずにはいられません。

Ⅲ.ヒトコロナウイルス感染症のまとめ

 2020年2月13日現在、新型コロナウイルス感染症についての情報の集積が進み、この疾患の全体像が次第に明らかになってきました。2月13日現在の新型コロナウイルス感染症をまとめてみます。

①病原体
 病原体は、新型コロナウイルスCOVID-19です。(この新型コロナウイルスは昨年来、暫定的な名称として2019-nCoVと呼ばれてきました。2020年2月11日、正式な名称として、WHOはCOVID-19と名づけました。

 「武漢」を入れなかったのは、差別に対する配慮なのだそうです。

 中国の代理人テドロスは会見で、「地名や動物とは関係ない名称にする必要があった。これ以外の呼ばれ方によって、負のらく印が押されることを防ぐことは重要だ。」と述べ、ご主人への配慮をにじませたそうです。立派な忠誠心ですね。ただ、それなら、日本脳炎の名称も変更してほしいものです。

 COVID-19は2019年12月に中国湖北省武漢市で発生し、現在世界中で大流行しています。2020年2月12日時点の感染者数は全世界で約4万4千人、死亡者数は約1100人となっています(数値の信憑性には疑問がありますが)。その大多数は、中国における感染者で、中国以外では世界20カ国以上で感染者が報告されています。

 我が国では、2020年1月3日に最初の国内感染例が報告され、2020年2月12日の時点では、感染者数は203人、死亡者は0人で、その多くはクルーズ船内の乗客と乗員感染例174例でした。さらに検疫官1人、武漢からチャーター便の帰国者12人、それ以外の観光客などが16人となっています。軽症例や症状のない感染者が大部分を占めていました。

 しかし、その後2月14日の発表では、神奈川の女性が1名死亡し、また、医療従事者の感染者も出ています。横浜のクルーズ船内の乗客と乗員の感染者数は、2月16日には355人と、増加の一途をたどっています。

 また、東京都の2月16日の発表によれば、タクシー運転手の屋形船の新年会関係では、大田区の病院医師と看護師も陽性者となり、ひしひしと感染が近づいてきている感じが半端ではないですね。


②潜伏期間
 WHOは、暫定的に1-12.5日と推定しています。(鐘南山中国国家衛生健康委員会専門家グループ長は潜伏期は0-28日、中央値は5日と発表したと報道されていますが、2週間以内と想定するのが、妥当だと考えます。厚労省の通達では、2-10日になっています)

③感染経路
 宿主動物は不明ですが(コウモリコロナウイルスと、遺伝子がかなりの部分、同一だと報告されています)、最初は宿主動物の体液からヒトが感染したと推定されています。

 現在では、ヒトーヒト感染(ヒトからヒトへの感染)が主で、感染経路は感染したヒトの咳やくしゃみ、痰の飛沫(しぶき)や唾液(つば)を吸い込んで移る飛沫感染と、ウイルスが着いている、汚染した手で、目、口、鼻などを触って移る接触感染の二つのルートが考えられています。
 SARSと同じような糞口感染(経口)や空気中から感染するエアゾル感染の報告もありますが、中国の極めて特殊な環境下で起きた事例と考えらえ、飛沫、接触の二つの感染経路の予防を考えれば良いと思います。

 感染の強さ、すなわち基本再生産指数Ro(患者1人が何人に移すか)は、WHOの試算によれば、1人から大体1.4-2.5人ぐらいと推定されています。季節性インフルエンザウィルスと同じくらいとよく言われますが、インフルエンザは大流行する病気です。いずれ、インフルエンザと同じように、皆がかかる病気になるかもしれません。すでに日本中に蔓延している可能性を示す、報告も少しずつ出始めています。

 すなわち、道ですれ違ったぐらいでは感染せず、長時間密室でマスクをしない状態で、直近から咳や唾液を直接浴びたり、汚染されたドア・ノブをさわった手で目や口に触れる、同じ食器で食べる、などの濃厚な接触によって、感染が成立すると考えられています。(まさしく、感染者が多数見つかった、ダイヤモンド・プリンセス号の状況と思われます。)

 濃厚接触とは、厚労省は「新型コロナウイルス感染症が疑われるものと、同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内、等を含む)があったもの」と定義しています。

④症状
 今まで、報告のあった新型コロナウイルス感染症の症状を列記してみます。

ⅰ)武漢市の病院に入院した41症例。(2020.1.24)
 症状として、発熱(98%)、咳(75%)、呼吸困難(55%)、筋肉痛・倦怠感(44%)。患者背景として、32%が持病あり(糖尿病20%、高血圧15%、心血管疾患15%)。患者の性は73%が男性、年齢分布は中央値は49.0歳で、うち25歳以上が98%、50歳以上が46%でした。
 感染経路として、華南海鮮卸売市場への何らかの接触があった人が66%、患者の32%が集中治療室へ入院し、15%が死亡した。

 この報告は入院して治療された重症患者の特徴をレポートしたもので、日本に多い軽症患者には当てはまらないと現在では考えられています。

 ⅱ)国立国際医療センターに入院した3症例。(2020.2.5)
 症状として、発熱(3人)、咳(3人)。肺炎2名、上気道炎1名。中国人女性1人、日本人男性2名。

 全員、武漢滞在歴あり。発熱と咳は全例に見られたが、初期は喉の痛みや微熱などかぜの症状だけしかみられず、新型コロナウイルス感染症と症状から診断するのは難しいようです。


 ⅲ)国立感染症研究所の12症例の症状(2020.2.3)
 2020年1月15日~1月31日に新型コロナウイルスの遺伝子が検出された確定例。20代2人、30代3人、40代5人、50代1人、60代1人。患者の性は、男性が6例、女性が6例です。
 症状は、発熱11例(92%)、肺炎12例(100%)、咳8例(67%)、関節痛2例(17%)、咽頭痛2例(17%)。全員が症状軽快、安定。

 日本人と中国人が混じっています。症状があった人達のまとめです。

 その後、世界中に感染が広がり、特に我が国では軽症も含めた患者の症例の蓄積が進み、新型コロナウイルス感染症の症状が次第に明らかになってきました。

 すなわち、感染者の症状としては、微熱~高熱、咳、筋肉痛、倦怠感、呼吸困難などが比較的よく見られるほか、頭痛、痰(血痰のことも)、下痢などを起こす人もいるようです。特に、新型コロナウイルス感染症に特徴的な症状は、長く続く発熱と強い倦怠感(と咳)だといわれています。

 ただし、高齢者や糖尿病などの慢性の持病を持っている患者さんは、軽いかぜの症状から5-14日して、急に高熱が出たり、呼吸困難になって重症肺炎に進行する例もあるようで、経過を慎重に見ることは大切なようです。この場合は胸部X線やCT検査を行います。アメリカの報告でも1週間ぐらいして、急に悪化した人がいたようです。

 ただ、幸いなことに、子どもはほとんど重症化することはないようです。少し安心ですね。

⑤診断
 新型コロナウイルスの検査は、当クリニックを含む一般のクリニックでは行うことは出来ません。

 新型コロナウイルスの検出は、ウイルス培養か、リアルタイムPCR法(Polymerase Chain Reaction :ポリメラーゼ連鎖反応)という、核酸増幅法で行います。このリアルタイムPCR検査は現在麻疹や風疹の検査でも行われている、非常に正確な検査方法で、半日から1日で結果が得られます。

 厚労省はPCR検査の対象を、次の①~④に該当し、新型コロナウイルス感染症を疑う場合に施行するよう、通達を出しています。

 ①37.5℃以上の熱があり、咳鼻痰など呼吸器症状があり、新型コロナウイルス感染症と確定した人と濃厚な接触のあった人、
 ②37.5℃以上の熱があり、咳鼻痰など呼吸器症状があり、発症前14日以内に、中国湖北省、浙江省に渡航または住んでいた人、
 ③37.5℃以上の熱があり、咳鼻痰など呼吸器症状があり、発症前14日以内に、中国湖北省、浙江省に渡航または住んでいた人と濃厚な接触があった人、
 ④発熱、呼吸器症状などがあり、医師が集中治療が必要と判断し、新型コロナウイルス感染症の鑑別が必要と考えられる人、

 検査を行う時は、まず病院から疑似症として保健所に届け出をした後、地方衛生研究所や国立感染症研究所で検査を行うことになります。しかし、発熱や呼吸器症状があっても、指定地域以外の中国やその他の地域への渡航歴がある人では、検査の対象になりません。

 すでに新型コロナウイルス感染症が武漢市、湖北省、浙江省から全中国に爆発的に拡大し、多くの中国人が日本に入国してきているのに、湖北省、浙江省しか検査を認めないということは、他の地域の中国人感染者や日本人感染者を見て見ぬふりをすることであり、厚労省のこの姿勢からは感染者全てを見つけ出すという熱意も決意も認められません。

 流行初期だからこそ、疑わしい例を全例調べて、二次感染、三次感染を追わなければならないのに、やる前からやれ検査が大変だ、と逃げ腰になり、その追跡を諦めて流行が広がる事態をただただ座視している姿は、麻疹流行でも風疹流行でも見られた、デジャブのような厚労省のいつもの情けない姿の再現です。

⑥治療と予防接種

 新型コロナウイルス感染症は、通常は熱、咳鼻痰などのかぜ症状で経過するようです。したがって、特別な治療法はありませんし、必要としません。

 ただ、1週間ぐらいして急に悪化する人がいるので、病気の症状はよく観察します。子どもは軽症で経過することがほとんどのようです。

 重症肺炎になって、呼吸困難になった患者には、エイズの治療薬カレトラ(ロピナビル+リトナビル配合剤)やインフルエンザ治療薬のアビガンなどが試みられたという報道がありますが、一般の病院では行う治療ではありません。

 また、コロナウイルスに対するワクチンはありません。ただ、日本でも新型コロナウイルスの分離に成功したので、今後ワクチンが開発される可能性はあります。また、このウイルスを用いて、病院で簡単にできる迅速診断キットが開発されるかもしれません。ただ、そのときには流行は終息しているかもしれません。

 十分な睡眠と適度の休養、運動で日頃から体調を整えてておくことは大切です。また、現在アメリカではインフルエンザBが大流行しており、日本にも侵入してくる可能性があるので、インフルエンザなどをもらわないよう、人混みなどにはあまり立ち入らない配慮は必要だと思います。

⑦予防
 新型コロナウイルスの感染力、病原性はあまり強くないと考えられるので、むやみに怖れず、飛沫感染、接触感染に対する予防処置をしっかり行いましょう。

 あとはテレビの愚劣なワイドショウをあまり信用しないことです。彼らは面白おかしく視聴率を取るために騒ぎまくっているだけで、患者のことも国民のことも、これっぽっちも考えてはいません。そうでなければ、イギリス豪華客船のアメリカ人に日本政府の悪口など言わせて喜んだりしません。日本政府の負担する費用は私たちの税金です。
 また、インターネットのブラックサイトのフェイクニュースにも信用してはいけません。日頃から正しい情報を見抜く、メディアリテラシーの力を高めておくことは絶対に必要です。

 参考:【ノーカット】新型コロナ感染症はどんな病気? どんな症状が出る? 感染症学会などセミナー(2020年2月13日)

Ⅳ.指定感染症について

 COVID-19感染症は、2020年2月1日から感染症法という法律上、「指定感染症」となりました。そして、法令上は「新型コロナウイルス感染症」という名称になりました。

 感染症法は、正式には「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」といい、感染症の発生予防・蔓延防止のために、種々の措置を定
めている法律です。措置とは、健康診断、入院などを強制的に行う事などを含みます。

 武漢から帰国チャーター便で帰国しておいて検査を拒否して自宅に帰った馬鹿者にも、この法律さえあれば強制的に検査を受けさせることが可能になったのです。

 措置を行う感染症を類型で、一類から五類までグループ分けしています。一類感染症にはエボラ出血熱など最も強毒性の疾患が、二類感染症にはSARS、MERSなどやはり強毒性の疾患が、三類感染症にはコレラ、赤痢など胃腸系の疾患が、四類感染症はマラリア、狂犬病など動物や昆虫が媒介する感染症が、五類には麻疹、梅毒、インフルエンザなど主だった感染症が属しています。

 また、指定感染症は、上記一類~三類感染症、新型インフルエンザ感染症など以外の既知の疾患が何らかの理由で、きわめて重い症状をもって流行を起こすようになった時、まん延防止のために一定の期間を決めて、強力な措置が出来るように指定した疾患、と定められています。

 既知であるコロナウイルスが変異して、重篤な感染症を起こすようになったことに対して、蔓延防止の措置を実施するために、新型コロナウイルス感染症が指定感染症に定められたのです。そして、指定感染症「新型コロナウイルス感染症」は二類感染症と同じ措置が行えることになりました。そして、これらの措置を通じて、新型コロナウイルス感染症の蔓延防止を目指すこととなったのです。


終わりに-今回の新型コロナウイルス感染症で突き出されたもの

 今回の新型コロナウイルス感染症を巡るさまざまな出来事にも多くのドラマがありました。2点、書いておきたいと思います。

 第一は、中国・武漢市などからチャーター機第1便で帰国した日本人のうち191人を受け入れた、千葉県勝浦市の「勝浦ホテル三日月」の対応です。同ホテルの広報担当者は、「ホテルの経営理念の1つに、『地域貢献』という言葉もある。困っているときに役に立たなければならない、という思いがあった。」と語ったそうですが、このホテルは、2019年9月の台風15号で千葉県内が大規模な被害を受けた際にも、自慢の大浴場を無料開放しています。このような素晴らしいホテルの存在は、日本の誇りだと思います。

 この献身的で英雄的なホテルの対応に対して、安倍内閣が金銭的癒着をダシに、無理矢理ホテルに帰国者を引き受けさせたのでは、などとゲスの勘ぐりで国会で質問した馬鹿議員がいましたが、未知の「感染者」がいるかもしれない集団を、自分のホテルに宿泊させるということは、大きなリスクと勇気が必要なことは子どもでも分かることです。
 質問した大西某は、自分がその立場になったら、このような勇気のある献身的な対応ができるのでしょうか。「440円の週刊誌の記事を、読み上げるだけの簡単なお仕事です。」を生業にしている、人間の屑には聞いてみるだけ野暮かもしれませんね。

 
第二は、チャーター便で無事帰国されてもらいながら、検査を拒否して自宅に帰ってしまった、30歳代の関西弁の2人の男達です。デイリー新潮によれば、空港到着ロビーで関西弁の怒声が響き渡った。「(検査を受けるか否かは)自由意志やろ!」「帰れるやろが!」「なんでなん!」、男達は、こう叫んでいたそうです。【新型コロナ】チャーター便で帰国後、検査拒否の男は「自由意志やろ!」と叫んだ。)

 「周りのみんなが失笑していた。私自身も、同じ日本人として恥ずかしいと思いました」(近くにいたビジネスマン)。そして、拒否する理由は、「自分には症状がない」、「日本に帰国したのだから、家に帰りたい」。職員が「ご自身のためにも検査を受けるべき」などと説得しようとすると、怒りだして動画を撮影し始めた、などと信じられない夜郎自大の屑ぶりを曝しています。

 そして、このあまりにも我儘放題な醜悪な振る舞いに、国民の怒りの爆発しました。ただちに、インターネット上でこの屑どもへの身元特定作業が始まると、次の日には竦みあがって検査を希望してこそこそと出頭してくるという、情けないその道化ぶりが、全国民の物笑いの種になりました。

 しかし、この屑どもの感染症に対する無知は、すでに犯罪のレベルです。

 2018年の沖縄の麻疹流行は、発熱しながら観光を行った1人の台湾人観光客から麻疹流行が広がり、患者数は総計99人、沖縄県の直接的な経済的損失はたった1人のために4億2千万円に上ったのでした。

 また、2015年の韓国のMERS流行も湾岸諸国からの帰国した1人の韓国人から感染が広がり、死者36人、感染者186人、16000人の隔離者、経済被害はGDPの0.2~0.4%という甚大な被害が出たのでした。

 感染症に対する無知が、笑い話の種では済まない深刻な事例が、最近でもいくつもころがっているのです。

 強制的な検査ができないなら、検査を拒否する輩は入国を拒否しなければなりません。感染症は対応を誤れば、甚大な被害が国民の上に降りかかってくるのです。感染症から国民を守るため、国家は強い態度で臨むべきです。

 法がないから、強制できないから、などというのは、いつもの厚労省のお役人の責任逃れの常套手段です。多くの国民を守るため、外国人だろうと日本人だろうと、必要なときはルールを守ってもらうために、たとえ下衆マスコミに非難されようとも、断固として公権力を用いることをためらうべきではありません。

 それができないなら、今後我が国は中国と並ぶ、新型コロナウイルス感染症の大炎上地帯になっていくでしょう。

2020年2月10日 執筆。適時、更新していきます。
2020年2月14日 一部加筆


参考文献:
Ⅰ.コロナウイルスについて

コロナウイルス感染症に関するQ&A(一般の向け)
国立感染症研究所:コロナウイルスとは
忽那賢志:徐々に見えてきた新型コロナウイルス感染症の重症度と潜在的な感染者数

Ⅱ.中国における新型コロナウイルス感染爆発の経過

遠藤誉:新型コロナウイルス肺炎、習近平の指示は何故遅れたのか?
遠藤誉:「空白の8時間」は何を意味するのか?――習近平の保身が招くパンデミック
遠藤誉:一党支配揺るがすか?「武漢市長の会見」に中国庶民の怒り沸騰
遠藤誉:習近平とWHO事務局長の「仲」が人類に危機をもたらす
遠藤誉: 習近平緊急会議の背後に「武漢赤十字会の金銭癒着」
遠藤誉:習近平は「初動対応の反省をしていない」し、「異例でもない」
遠藤誉:新型肺炎以来、なぜ李克強が習近平より目立つのか?

Ⅲ.ヒトコロナウイルス感染症のまとめ

Huang et al:Clinical features of patients infected with 2019 novel coronavirus in Wuhan, China
感染症学会:当院における新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染症患者3例の報告

新型コロナウイルス感染症 実際に診た医師の印象
新型コロナウイルス感染症に対する感染管理
国内で報告された新型コロナウイルス感染症確定例12例の記述疫学
岩永直子:新型コロナ治療、最前線のトップ「国内では一人も死なせたくない」

日本環境感染学会:医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド

型コロナウイルス感染症(COVID-19)の印象と対
新型コロナ治療、最前線のトップ「国内では一人も死なせたくない」
新型コロナ治療、最前線のトップ「国内では一人も死なせたくない」
新型コロナ治療、最前線のトップ「国内では一人も死なせたくない」

Ⅳ.指定感染症について

指定感染症及び検疫感染症について


終わりに-今回の新型コロナウイルス感染症で突き出されたもの

【新型コロナ】チャーター便で帰国後、検査拒否の男は「自由意志やろ!」と叫んだ。