2023年度統一地方選挙・品川区議会議員選挙に対する当クリニックのメッセージ

12年間、ご支援ありがとうございました

 思い返せば、12年前の2011年3月17日発の「医療子育て-輝く品川 鈴木博のブログ」で、

 「小児科医と地方議員は両立可能なのか。私は可能と考えます。むしろ、時代を先取りしていると信じます。(略)
子どもを守るために、子育て中のご両親を応援するために、献身的な活動を行っている小児科医は全国に少なくありません。 しかし、現実にさまざまな障壁が子育て支援を行おうとする小児科医の前に立ち塞がってきます。

 小児科医はあきらめるか、構想を縮小するか、地方議員にお願いするか、いくつかの選択肢を選ばなければなりませんでした。その選択肢の中に
小児科医自らが地方議員になる、という答えもありえるのではないか、と私は考えました。

 小児科医が地方議員になることは、外来診療をやめて地方議員に転職するわけではありません。従来通り、外来診療を行いながら、議会があるときは、議員として公務にあたる。 このような活動スタイルもありえるのではないか、と考えました。

 医療、子育てに特化した、スペシャリストの地方議員がいてもよいのではないか、と考えます。地方議員がみな普通に職を持ち、生活者として、議会に臨むことこそが私には地方自治そのものと思えます」


 と書きました。

 私は宣言通り、2ヶ月という超短期の準備期間で、2011年4月の品川区議選に出馬し、患者さんの応援で当選できました。その後の2回の区議選挙も支援者のみなさまの固いご支持で、無事に再選を重ね、いつの間にか、議員になって3期12年の月日が経過していました。

 私が議員の仕事として、最大の目標であった、小児期の定期接種化を目指した7つのワクチンは、ムンプスワクチンを除いて全て定期接種となりました。残りのムンプスワクチンも定期接種にはなりませんでしたが、品川区は2回接種費用助成という、他区にない手厚い対応がなされるようになりました。

 私が立候補当初高らかに掲げた、「品川区政に、医療の視点を!」という公約は、私自身が厚生委員会委員長を3期務め、文教委員会副委員長を2期務め、さらに決算特別委員会委員長、予算特別委員会副委員長を歴任し、毎回本会議一般質問や予算特別委員会、 決算特別委員会で区担当部局の方々と真摯な質疑応答を繰り返す中で、着実に区政に医療の視点が浸透したと実感できるまでになりました。

 しかし、2019年中国武漢市で発生した新型コロナウイルス感染症は我が国をも席捲し、小児医療は壊滅的危機に陥りました。お子さまのクリニックへの来院は激減し、三密回避が叫ばれ、人流は止まり、乳児集団健診は縮小され、予防接種率は低下し、診療はオンラインが推奨され、青少年の自殺が激増したのです。2023年の今、ようやくコロナ禍から回復がはかられる状況となったもののその爪痕は甚大なものがあります。

 現在の私の立ち位置を考えると、区政の場では12年の議員活動の蓄積の中で、多くの信頼できる区議会議員の同志、友人を得ることができ、 また区の担当者とも信頼関係を築くことができました。また、小児科医の自見はなこ参議院議員を始め、多くの医師政治家の知遇を得ることもできました。

 このように区政の場には子育て支援をさらに推進するための、多くの信頼できる仲間、友人がいるならば、私自身は今やコロナ禍で崩壊状態の小児科診療の現場に戻り、鈴の木こどもクリニックを拠点に、品川区の小児医療、地域医療を再建する役割こそが、今求められているのではないかと考えるようになりました。

 このような思いから、私鈴木博は2023年4月の統一地方選挙・品川区議会選挙には立候補はいたしません。今まで、つたないこの私を励まし、支え、応援してくださった多くの支持者の皆さまには、こころからの感謝と不出馬のお詫びをいたします。

 しかし私は今一度、小児科診療の第一線に立ち戻ります。そして、品川区の小児医療、地域医療をコロナ禍の前よりもさらに一層、高く、暖かく、輝くレベルに引き上げるために全力を尽くします。 この12年間の行政に係わった経験を大きな財産に、もう一度鈴の木こどもクリニックで診療に邁進いたします。

 12年間、区議会議員鈴木博を応援していただき、本当にありがとうございました。




「医療・子育て 輝く品川」 小児科医区議会議員 鈴木博のブログ

地方議員(区議会議員)としての活動報告