モデルナ社製スパイクバックスについて    2023.1.15



スパイクバックス(モデルナ社製のmRNAワクチン)

1)開発元

アメリカの遺伝子医薬開発ベンチャー企業のモデルナ社とアメリカ国立アレルギー・免疫研究所が共同で開発した、mRNAワクチンです。

2)作用機序
ファイザー製mRNAワクチンと同じmRNAワクチンのため、作用機序も同じです。

3)接種の方法
初回接種(1回目、2回目)は、28日(4週間)の間隔を開けて、1回0.5mlを2回、上腕三角筋に筋注します。(対象は12歳以上。)

追加接種(3回目)は、初回接種後3ヶ月以上あけて、1回0.25ml(初回接種量の半量)を上腕三角筋に筋注します。(対象年齢は12歳以上となりました。)

初めの2回は、原則同じワクチンを接種します。3回目の追加接種は他のワクチンの接種(たとえば、コミナティ)も認められています。(例えば、モデルナ-モデルナ-ファイザー。)

他のワクチンとの同時接種はできません。また、モデルナのワクチン(スパイクバックス)を接種した前後14日間は、他のワクチンの接種は控えます。ただし、インフルエンザワクチンは例外で、同時接種が可能です。

非常に間違えやすい、複雑な設定になっています。スパイクバックスでは初回2回と追加3回目は、接種量も接種年齢も異なっていましたが、同じ12歳になりました。ワクチンの有効期限も変更になりました。ワクチンバイアル、シールに貼ってある有効期限を越えて、接種が行われています。
接種間隔も朝令暮改でころころころころ変えられています。3回目の接種間隔も、8ヶ月→6ヶ月→5ヶ月→3ヶ月と変更されました。そのたびに、「期間を間違えると誤接種になりますよ。」と脅しの文句が医療機関に回ってきます。

4)ワクチンの効果

モデルナのmRNAワクチンの有効成分エラソメランの方が、ファイザーのmRNAワクチンの有効成分トジナメランよりも量が多いため、効果も強いが、副反応も強いようです。

▷18歳以上
<海外における臨床試験>
アメリカにおいて、約3万人の被験者を対象に、2回目の接種後14日以降の発症の有無が比較されました。その結果、過去に新型コロナウイルスの感染歴がない被験者において、94.1%のワクチン有効率が確認されました。(オミクロン流行前の研究です)

<国内における臨床試験>
日本人の健康成人200人をワクチンとプラセボ(生食水などのにせのワクチン)に分け、約28日間の間隔で2回接種しました。そして、2回目の接種から28日後の、接種した人のコロナウイルスに対する血液中の抗体を調べた所、抗体価の上昇が確認されました。

▷12~17歳 
<海外における臨床試験>
12~17歳の約3000人の健康人を対象に、ワクチンとプラセボ(生食水などのにせのワクチン)に分け、約28日間の間隔で2回接種した時の、新型コロナウイルス感染症の発症がどの程度抑えられるか、比較しました。
2回目の接種後14日以降の発症について、過去に新型コロナウイルスの感染歴がない被験者では、100.0%のワクチン有効率が確認されました。

▷追加接種(3回目接種)の効果
<海外における臨床試験>
アメリカにおいて、18歳以上の人に、2回目の接種から6か月以上あけて、3回目のワクチン接種を行いました。接種した1か月後に、血液中の新型コロナウイルスに対する抗体を調べました。
1、2回目にエラソメラン100μgを接種した人に、3回目50μgを接種したところ、3回目接種の人で高い抗体価が得られました。

5)ワクチンの副反応
副反応については、こちらもお読みください。

6)ワクチンの対象
1,2回の初回接種は12歳以上、3回目も12歳以上が対象になりました。

7)問題点
コミナティのように、-75℃という超低温で管理する必要がなく、流通・管理はコミナティに比べてはるかに楽です。モデルナワクチンは普通の冷蔵庫(2~8℃)で30日、品質は安定しており、-20℃なら6ヶ月間保存できるようです。
また、コミナティのように希釈精製することなくバイアルから吸い取るだけなので、操作が簡単なため、集団接種に適しています。

集団での接種に向いているので、集団接種、職域接種に使用されましたが、副反応が強いこと、特にモデルナアームや心筋炎などが警戒されたためか、接種希望者は少なく、大量に廃棄処分になりました。


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