Ⅴ.赤ちゃんのねんね編 2024.7.1
この時期の赤ちゃんの昼夜逆転は、特に何もしなくても問題ありません。起きている時間と寝ている時間が少しずつずれていき、やがて地球の夜と昼のリズムに一致していくからです。
だんだんと日中は起きていて、夜は眠るリズムになっていきます。日中、赤ちゃんが眠っていても必要以上に静かにする必要はありませんが、夜は部屋を暗くして静かにし、寝付きやすい環境を作ってあげればいいでしょう。
⑬早寝早起きにするには?(6か月)
朝は7~8時頃にはカーテンを開けて明るくして、起床させます。そして、日中は一緒に遊んだり、お散歩などを行いましょう。
夜は8~9時頃までには寝かせます。寝る時間になったら、照明を落とし、テレビの音量を絞るなどして室内を暗く静かにして、寝付きやすい環境を作ってあげましょう。
このような配慮で、早寝早起きの規則正しい生活のリズムを作っていきましょう。
⑭夜泣きって何?(7か月)
夜泣きとは、特に原因もないのに7~9ヶ月ごろの赤ちゃんが、夜中に大声で泣き出すことをいいます。
泣く時間は大体決まった時間が多いようです。すぐに泣き止んで寝てしまう赤ちゃんから、何時間も泣き続けて、お母さんが睡眠不足になってしまう場合もあるようです。
でも、夜泣きは赤ちゃんの心の発達のひとつの過程と考えましょう。
睡眠は、浅い眠りであるレム睡眠と深い眠りであるノンレム睡眠の繰り返しですが、浅い眠りのときに半ば朦朧として、赤ちゃんが泣くのが夜泣きだと考えられています。
多くは、1歳半から2歳までに自然におさまる事がほとんどです。したがって、あやして寝つくようなら、特に何もすることはありません。
時期を待ちましょう。
⑮夜泣きをした時の対応は?(7か月)
赤ちゃんが夜泣きをする時は、赤ちゃんを落ち着かせ、再び眠りにつかせる環境を作ります。
一般的な対処法は、抱っこや添い寝、背中を優しくトントンとたたく、子守歌を歌うなどがあげられます。
お母さんの手やガーゼを握らせる、指をしゃぶる、お気に入りのアイテムを添えるなどで落ち着くこともあるようです。
また、部屋の照明をつけて、いったん赤ちゃんの目を覚めさせることも有効なようです。
⑯最近、寝る時にぐずるようになりました(11か月)
生後11か月~1歳頃になると、食事や睡眠、外遊びなど、赤ちゃんも1日の生活リズムが安定してきますが、
この頃から逆に寝ぐずりがひどくなる赤ちゃんもいるようです。
寝ぐずりは、ねんねのトラブルの一つ。眠いのに寝つきが悪くてなかなか眠れず、ぐずっている状態をいいます。
寝ぐずりをする時は、添い寝をしたり、背中を優しくトントンとたたいたり、子守歌を歌ったりすると、眠りに入る場合があります。また、お母さんが手を握ったり、ガーゼなどを握ると、落ち着いて眠れる赤ちゃんもいるようです。
なるべく昼間お散歩したりして、赤ちゃんが適度に疲れるのも良い方法だと思います。
しかし、お母さまや家族が寝られないような、ひどい寝ぐずりが続く場合には、当クリニックでは漢方薬(甘麦大棗湯など)を処方することもあります。一度、鈴木院長にご相談下さい。
⑰お昼寝をしない日があります(1歳7か月)
1歳半を過ぎると、いつものお昼寝の時間に寝かしつけても、お昼寝をしない日があるかもしれません。でも、早寝早起きの生活習慣が付いていて、その日も日中は元気に活動し、特に眠そうなそぶりがないようなら、無理に寝かしつける必要はないでしょう。
大人と違って、子どもは眠いのをがまんすることはありません。眠くなれば、寝てしまいます。お昼寝をしない時は、夜の睡眠が十分だったからかもしれません。
⑱夜型だと、どうしてだめなの?(1歳8か月)
赤ちゃんに早寝早起きの生活リズムが必要なのは、成長ホルモンの分泌を活発にするためです。成長ホルモンの働きで、赤ちゃんは大きく成長していきます。
また、保育園や幼稚園は、朝型の生活リズムが日課の前提となっています。これまで夜型だった子が、入園の時から急に朝型に生活リズムが変わるのは大変です。午前中は眠くて、活動のエンジンがかからない、ということにもなってしまいます。
子どもは早寝早起きが健康のバロメータです。家族みんなで、朝型の生活リズムを作ってあげて下さいね。
⑲夜更かし、朝寝坊を直すには?(1歳8か月)
大人の生活に付き合わされて、夜更かし朝寝坊になってしまった赤ちゃんもいます。
朝型の生活リズムに、家族皆で修正していきましょう。まず、起きる時間を早める工夫をしましょう。数日かけて、起床時間を30分ずつ早めていく方法です。
それがクリアできたら、さらに数日かけて、もう30分早めるよう、チャレンジしましょう。
早起きができるようになれば、夜も早めに眠くなり、早寝早起きの生活リズムを定着させることができると思います。