スギ花粉症に対するアレルゲン舌下免疫療法を始めました

 
2014年10月8日から、スギ花粉症の免疫療法の治療薬「シダトレン」が発売されました。アレルゲン免疫療法は「減感作療法」ともいわれ、アレルギーの原因である「アレルゲン」を身体に投与することで、身体をアレルギー物質に慣らし、アレルギー症状を起こさないように体質改善していく治療法です。



スギ花粉症に対するアレルゲン舌下免疫療法の特徴

 スギ花粉に対するアレルギー症状を治したり、長期にわたり症状をおさえる可能性のある治療法。

 アレルギー症状が完全に抑えられない場合でも、症状を和らげ、薬の使用量を減らすことが期待できます。

 治療前に、症状がスギアレルゲンによるものか、確定診断することが必要です。

 症状の経過をお聞きしたり、アレルギー検査を行うなどにより、スギがアレルゲンか確かめます。 

 1日1回、長期間(3年)継続して、服用します。

 舌の根元に薬液を含んだまま、2分間がまんして、その後に飲み込みます。

 2週間は徐々に増量し、その後は決まった量を1日1回、舌の下に滴下を続けます。

 残念ですが、全てのスギ花粉症の患者さんに効果が得られるわけではありません。
 成績は、スギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法を受けた患者さんのおよそ3人に1人は完全に治り、80%の人に効果が認められる、というものです。


 シダトレン投与は、従来の皮下注射による減感作療法と異なり、舌下投与(口の中に含む)のため、アナフィラキシーなどの重い副作用のリスクは著しく軽減できます。しかし、副作用に対する注意が必要です。

 現時点では、
    
    
①12歳未満の小児
    ②重度の喘息の患者さん
    ③妊娠していたり、授乳中の女性
    ④自己免疫疾患のある方

などの方は、安全性の面から、この治療を受けることはできません。


 なお、この治療を実施できる(シダトレンを処方できる)のは、日本アレルギー学会、小児アレルギー学会などが主催する講習会を受け、試験等に合格し、正式に処方認定医として登録された、登録医のみとなります。

(当クリニック 鈴木博医師は、
シダトレン、シダキュアとダニアレルギー舌下療法薬ミティキュアの登録医です。

 鳥居薬品から、錠剤タイプの舌下錠シダキュアが2017年11月に発売予定でしたが、延期になりました。(鳥居薬品のプレス発表はこちら


 
舌下免疫療法を希望されたり、ご質問のある方は、外来で鈴木医師にご相談ください。

鳥居薬品の免疫療法サイト

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