薬編

鈴の木版-お薬について

 
当クリニックで良くお出しする薬を解説しました。どんな薬にも良い作用(薬効)と副作用があります。効果を十分引き出し、副作用を最小にする薬の飲み方が大切だと思います。 いたずらに副作用をおそれず、正しい服用方法で早くお子さまの病気を治しましょう。

 特に最近、薬の有用性を全く無視し、薬害のみを異常に強調する、偏った報道がマスコミ左翼や文春お抱え物書き「医師」などにより、洪水のように垂れ流されています。無責任でセンセーショナルな報道に惑わされず(彼らは決して責任を取ることはありません)、正確な知識に基づいた、賢い服薬を心がけましょう。

 そのためにも、この章を参考になさってください。

薬はなぜ必要か

薬の飲ませ方

抗生剤について

解熱剤の使い方

けいれん止めの坐薬の使い方

市販薬について

子どもの漢方薬について

授乳中のお薬について

薬はなぜ必要か

 ●薬のはたらき

 人間のからだにはもともと病原体と戦う防御システムが備わっています。このからだの防御システムが病原体と戦い、これを体の外に追い出し、壊された組織を修復し、病気を治していくのです(これを自然治癒力と呼びます)。

 しかし、病原体との戦いは場合によっては過酷をきわめ、からだの体力を消耗するかもしれません(発熱している赤ちゃんを見てください)。そのために、病気と戦っているからだを助け、はやく病気から回復するように投与されるものが薬なのです。

 小児科で処方される薬はその働きから三つに分けられます。

①病気の原因そのものを取り除く薬…抗生剤、抗真菌剤、抗ウィルス剤がこれにあたります。感染症の病原体そのものを退治する薬です。

②病気そのものは治さないが、病気の症状を和らげる薬…対症療法薬と呼ばれます。頑固な咳を静めたり、吐き気を抑えたり、下痢を和らげたり、つらい痛みを抑えたりする薬です。

③病気に負けないからだに体質を変えていく薬…抗アレルギー剤や一部の漢方薬がこれに属します。長期にわたって服用することによって、徐々に病気が起こらない体質にからだを作り変えていく薬です。

 ●薬はいつまでのむか

 まず、①の病気の原因を取り除く薬は、病気そのものを治療するものなので必ず服用する必要があります。決められた期間、決められた回数を厳守するようにして下さい。不完全な投薬だと、病気そのものが悪化し、合併症や後遺症をもたらす可能性もあるからです。

 ②の対症療法薬は症状がおさまれば、中止しても良いと思います。症状によっては、一日3回の薬を2回することを考えても良いでしょう。例えば、一日中咳がひどかったお子さまが朝寝る前だけの咳になったので、朝昼晩3回のお薬を朝晩2回に減らす、とか。

 ただ、薬を中止しても良いかは、一応かかりつけの先生に確認して下さい。当クリニックでは、このグループの薬は、お母さまの判断で調節していただいています。

 ③の体質を変えていく薬は、ある期間は決められた回数を継続して服用しないと効果が期待できません。このグループの薬はきちんと服用することをお勧めします。

薬の飲ませ方

 ●薬の飲ませ方

①粉薬

 粉薬は抗生剤のようにドライシロップや細粒といって粉末ジュースのような甘いもの、甘味のないただの粉などがあります。粉を少量の水で練って頬の内側に塗ったり、お母さまの指に粉を押しつけ上あごに塗りつけて、ミルクや湯冷ましで流し込む方法がよいでしょう。

 また、プリンやゼリーにふりかけて、食べさせてしまっても構いません。アイスクリームにまぜると、よく食べてくれるようです。ただ、ミルクに混ぜるとミルクに苦味が出て、ミルク嫌いの原因になることがあるため、ミルクには混ぜないで下さい。

②水薬

 もともと水薬だったもの、甘味をつけてシロップ剤にしたもの、蒸留水で溶いてあるもの、などがあります。水薬の飲ませ方は、スポイトで口の中にたらすか、スプーンで口の中に入れてあげてもよいでしょう。

 そのままの濃さで飲ませても、少量のジュースやヨーグルト、湯冷ましで希釈して飲ませても構いません。また、プリンやゼリーに蜂蜜のようにたらして、食べさせてしまうのもよい方法です。

③錠剤

 錠剤は幼稚園から、カプセルは小学校が目安です。よく内科医(内科・小児科)や耳鼻科医が錠剤を処方しますが、7歳半がおとなの薬の量(成人量)の2分の1、12歳(小学校6年)で成人量の3分の2が目安となるため、子どもが飲める錠剤、カプセルは限られています。大人のカプセルをそのまま飲むことは好ましくありません。

 ●いつ飲ませるか

 当院でお出しする薬は1日3回、毎食後が原則です。食欲がなく食事がとれなかったとしても、時間になったら薬は必ず飲ませて下さい。服薬時間としては、午前8時、午後2時、午後8時ごろが目安となります。

 食事と関係なく、時間で薬を与えてもかまいません。また、赤ちゃんがおなかがいっぱいになると薬を飲まないため、ミルクや離乳食の直前に与えてもよいと思います。

 保育園、幼稚園に通園しているときは、薬は朝食後、園からの帰宅後(夕食後)、寝る前にずらせて服用させても結構です(3時間以上はあけて下さい)。保育園、幼稚園への服薬の依頼は避けましょう。

 園の先生たちもお忙しいので、きちんと薬を飲ませるのは負担になりますし、看護師さんが常駐している園でないと、病気の時の対応も困難です。

 ●薬の有効期間

 薬の有効期間は、シロップは冷蔵庫に保存して1週間までに使用して下さい。粉薬は缶にいれるなど湿気に気をつけて、室温か冷蔵庫で保存して下さい(1ヵ月ぐらいを限度に)。坐薬、軟膏は1年を目安にして下さい。目薬は1-4週間です。

 調剤薬局でお薬をもらうときに薬剤師に確認しておきましょう。家庭で日付をマジックで書いておくと目安になります。古くなった薬は処分してください。

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抗生剤について

 まず、抗生剤とは

 抗生剤(抗生物質)は、「微生物によってつくられた物質で、他の微生物の発育を抑える物質」です。

 この中で細菌(ブドウ球菌や溶連菌など。細胞壁を持ち、植物に分類される)に効果を有するグループを抗菌剤、真菌(カンジダやコウジカビ=アスペルギルスなど。カビ類)に効果を有する抗真菌剤、がんに効果がある(がんは正確には微生物ではありませんが)抗腫瘍剤などに分けられます。

 また、抗菌剤のうち、ピリドンカルボン酸系(タリビット、クラビットなど)というグループは人工的に作られるため、正確には抗生剤ではありませんが(微生物がつくるわけではない)、便宜的に抗生剤に含めます。

 実際は抗生剤の大部分は抗菌剤として用いられています。

 抗生剤(抗菌剤)の分類

 抗生剤は、その作用機序によっていくつかのグループに分けられます。簡単にまとめてみます。

Ⅰ.細胞壁合成阻害薬…細菌に細胞壁(細菌は植物なので、細胞に細胞壁という殻を持っています)を作らせず、細菌を殺してしまいます。(殺菌性抗生剤)

 ■
β‐ラクタム薬…その構造の中に「β‐ラクタム環」というものを共通して持つ抗生剤のグループです。
     ペニシリン系(ワイドシリン、パセトシンなど)
     セフェム系(セフゾン、フロモックス、メイアクト、ケフラール、ケフレックスなど)
     ペネム系(ペニシリン系薬剤に似た構造を持つ、1990年代後半に登場した新しい抗生剤。ファロム)


 ■
ホスホマイシン系…分子量がきわめて小さい(200以下)抗生剤。分子量が小さいため、アレルギーの心配がほとんどないといわれています。抗菌力はあまり強くないのですが、β‐ラクタム薬と一緒に投与すると、β‐ラクタム薬の効き目を増強するなど、抗菌作用以外の効果も知られています。

Ⅱ.蛋白合成阻害剤…ヒト細胞にも細菌細胞にも存在する、リボゾーム(細胞の蛋白合成を行う、小さな粒のような場所)に働き、細菌の増殖を抑えます。リボゾームは種によってわずかに異なるため、この抗生剤のグループは細菌のリボゾームに主に作用し、ヒト細胞のリボゾームにはあまり影響しません。

 また、この抗生剤のグループは、ヒト免疫細胞である、好中球やマクロファージの内部にも移行し、ヒトの細胞内に寄生する病原体にも効果を示します。

 ■
マクロライド系…細菌のリボゾーム(蛋白質を作る場所)に作用して、蛋白合成を押さえます。そのため、細菌は増えることができなくなります(静菌性抗生剤)。β‐ラクタム薬が無効の病原体にも効果を示します。
     14員環(エリスロシン、クラリス、クラリスロマイシンなど)
     15員環(ジスロマック)
     16員環(ミオカマイシン、リカマイシンなど)
     ケトライド系

 ■テトラサイクリン系…細菌のリボゾーム(蛋白質を作る場所)に作用して、蛋白合成を押さえます。そのため、細菌は増えることができなくなります(静菌性抗生剤)。一時、盛んに使われましたが、耐性菌が増えたこと、副作用があるため、あまり投与されなくなりました。

 ■アミノ配糖体系、リンコマイシン系、クロラムフェニコール系…小児の経口抗生剤としてはほとんど使用されません。

Ⅲ.その他…葉酸合成阻害薬(サルファ剤)、核酸合成阻害薬(キノロン系、リファマイシン系)は外来小児科領域ではほとんど使用されません。

 ●抗生剤の種類

ペニシリン系

アモキシシリン(ワイドシリン、パセトシン、サワシリン)は、現在最もよく使われている経口ペニシリン製剤で、グラム陽性球菌(溶連菌、ブドウ球菌、肺炎球菌)のほかに、インフルエンザ菌、大腸菌にも有効です。溶連菌感染症などでよく処方されます。

 あまり広範な細菌に効果があるわけではないので、耐性菌を誘導しにくいといわれています。ただし、服薬量が多いこと(ワイドシリンは20%製剤なのでパセトシンの半量ですみます)、下痢をしやすいこと、時に発疹等アレルギー症状が出ることが欠点です。

クラブラン酸/アモキシシリン配合剤(クラバモックス、オーグメンチン)
は、アモキシシリンなどに耐性のインフルエンザ菌に対する薬として登場しました。

 これは、
β‐ラクタマーゼという(ペニシリンの働きを低下させるために細菌が作り出す)酵素の働きを抑えこむ、クラブラン酸という薬をアモキシシリンに組み合わせた配合剤です。クラバモックスは現在小児の急性中耳炎によく用いられています。

セフェム系

 現在最もよく処方されている抗生剤のグループです。服薬しやすく、抗菌力も強く、いろいろな細菌(耐性菌を含めて)にも効果がみられます。しかし、体内への吸収や肺組織への移行はやや悪いようです。

 しかも、投与量が新しい経口セフェム薬では少なく設定されているため、組織中で濃度が上がらず、病原菌を死滅させることができず、抗生剤が効かない耐性菌を誘導しやすいともいわれています。

セフジトレン・ピボキシル(メイアクト)はインフルエンザ菌、肺炎球菌に、セフジニル(セフゾン)はブドウ球菌に抗菌力が優れているといわれています。また、セフポドキシム・プロキセチル(バナン)は下痢が少なく、セフカペン・ピボキシル(フロモックス)、セフテラム・ピボキシル(トミロン)は抗菌力と副作用(下痢)発現のバランスがよいと評価されています。

マクロライド系

 14員環マクロライド、15員環マクロライド、16員環マクロライドの3グループがあります。

 14員環マクロライドでは、エリスロマイシン(エリスロシン)
とクラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド、クラリスロマイシン)が代表です。クラリスロマイシンの方が胃酸に安定だといわれています。

 グラム陽性球菌のほかに、百日咳、マイコプラズマ、クラミジア、レジオネラ、カンピロバクターなど、β‐ラクタム薬が無効の病原微生物にも効果を有します。また、抗菌作用以外に、バイオフィルム(細菌が身を守るために自分達の周りに作る生物の膜)の形成を抑える作用も認められています。

 その反面、テルフェナジン(トリルダン)、テオフィリン(テオドール)、カルバマゼピン(テグレトール)などの薬の肝臓での代謝を抑えてしまうため、これらと併用するときは十分注意するよう(血中濃度が上がりすぎるため)、警告されています。
 
 また、クラリス、クラリシッドは最もまずい抗生剤の一つで、服用できない子が少なくありません。後発品のクラリスロマイシンは味に関しては改良されています。

 15員環マクロライドとしてはアジスロマイシン(ジスロマック)があり、この薬は細胞内組織内への移行が良好で、1日1回3日間の投与で効果が期待できるといわれています。しかし、この薬もきわめてまずいことで有名です。

 16員環マクロライドにはロキタマイシン(リカマイシン)などがあり、基本的な効果は14員環と同じです。しかし、テオドールなど他の薬との相互作用は少ないといわれており、併用することが可能でしたが、製造中止になりました。

テトラサイクリン系

ミノサイクリン(ミノマイシン)は、いろいろな細菌に効果があったため、一時盛んに使用されましたが、ミノマイシン耐性菌が増加したこと、骨、歯への薬剤の沈着という副作用が問題になり、現在では小児科ではほとんど用いられなくなりました。

 副作用としては、歯が黄色く着色される(黄染歯)、歯のエナメル質の形成不全、一時的な骨発育不全をきたすことが明らかにされています。
マクロライド耐性マイコプラズマ感染症に対しては、現在も盛んに使用されています。

ホスホマイシン系

ホスホマイシン(ホスミシン)は、ブドウ球菌や腸管感染症の原因菌に有効です。また、分子量がきわめて小さいので、アレルギー反応を起こしにくいといわれています。小児の腸管感染症では最も使われる抗生剤です。

 ●抗生剤の副作用

抗菌剤 アレルギー 腎障害 肝障害 造血器障害 胃腸障害 神経系障害 その他
ペニシリン系 アナフィラキシー
発疹、発熱
中毒疹
間質性腎炎 肝機能障害 白血球減少、血小板減少 悪心、嘔吐、下痢
偽膜性腸炎
けいれん 電解質異常
セフェム系 アナフィラキシー
発疹、発熱
中毒疹
腎尿細管壊死 肝機能障害 白血球減少、血小板減少 悪心、嘔吐、下痢
偽膜性腸炎

ビタミンB、K欠乏
- -
ペネム系 アナフィラキシー
発疹、発熱
中毒疹
腎尿細管壊死 肝機能障害 白血球減少、血小板減少 悪心、嘔吐、下痢
偽膜性腸炎
けいれん -
マクロライド系 発疹、発熱
中毒疹
間質性腎炎 肝機能障害 - 悪心、嘔吐、下痢
偽膜性腸炎
聴力障害 薬剤間相互作用
QT延長、
神経筋ブロック
テトラサイクリン系 アナフィラキシー
発疹、発熱
光線過敏症
Fanconi症候群 肝機能障害 白血球減少、血小板減少
巨赤芽球性貧血
悪心、嘔吐、下痢
食道潰瘍
頭蓋内圧亢進
めまい
歯牙黄染、
骨発育不全

血管炎
ホスホマイシン系 発疹 悪心、嘔吐、下痢

 ●何故今抗生剤が問題になっているか

 抗生剤の効かない耐性菌が、臨床の現場で急増していることが最大の問題です。難治性の中耳炎や、全く抗生剤が効かずに敗血症で亡くなってしまう患者さんの存在が、大きな社会問題となりました。

 耐性菌蔓延の最大の理由は、医療機関における安易な抗生剤の乱用と考えられています。抗生剤(抗菌剤)は、実際は細菌とマイコプラズマ、クラミジアなどにしか、効果はありません。

 かぜで抗生剤(抗菌剤)が乱用されるのは、「高熱が出てるし、何か起こるとこわい」とか、「のども赤いし、とりあえず抗生剤(抗菌剤)でも出しておけば、何とかなるだろう」(このような医療機関では、毎回ワンパターンの同じ抗生剤(抗菌剤)が繰り返し処方されるようです)というような理由が考えられます。
 しかし、近年の報告によると、抗生剤の予防投与は肺炎や中耳炎への進展を阻止できないことが明らかにされているのです。

 「かぜでしょう」と医師にいわれた場合は、かぜはウイルス性の鼻咽頭炎(かぜ症候群)ですから、抗生剤(抗菌剤)は不用です(急性化膿性中耳炎を合併している時は、 抗菌剤の投与の対象になります)。

 患者の側からも、抗生剤の処方を要求すべきではありません。また、抗生剤が処方されたときは、なぜ抗生剤を処方したのか、医師に逆に質問すべきだと思います。

 ●抗生剤(抗菌剤)が必要な病気

 抗生剤(抗菌剤)が効果があるのは、細菌、マイコプラズマ、クラミジアなどの感染症です。 当クリニックは、以下の疾患の場合に抗生剤(抗菌剤)を投与しています。

①溶連菌による咽頭炎、皮膚化膿症、外陰膣炎
②溶連菌以外の細菌による化膿性扁桃炎、頚部リンパ節炎、反復性耳下腺炎
③急性化膿性中耳炎、外耳炎
④とびひ、皮膚化膿症(肛門周囲膿瘍を含む)、アトピー性皮膚炎の二次感染
⑤膀胱炎、腎盂腎炎、亀頭包皮炎
⑥細菌性結膜炎
⑦細菌性腸炎(カンピロバクター腸炎、病原性大腸菌による腸炎、サルモネラ腸炎など)(ただし、細菌性腸炎は抗生剤(抗菌剤)の効果は限定的といわれています)
⑧マイコプラズマ肺炎、クラミジア肺炎、細菌性肺炎、百日咳

 ●抗生剤(抗菌剤)を使っても治らない病気

 ウイルス感染症は抗生剤(抗菌剤)は無効です。

 インフルエンザ、アデノウイルス感染症(プール熱)、夏かぜ(ヘルパンギーナ、手足口病など)、おたふくかぜ、水痘、伝染性紅斑(りんご病)、伝染性単核症、突発性発疹、ウイルス性胃腸炎(ロタウイルス、ノロウィルスなど)などは、抗生剤(抗菌剤)投与は必要ありません。

 また、鼻が出ただけ(鼻炎)、滲出性中耳炎なども、抗生剤(抗菌剤)は無意味です。

 当クリニックは従前からウイルス感染症に抗生剤投与は無効であるばかりか、有害だと患者さんに説明してきました。相変わらず、安易な抗生剤投与も目につきますが、ようやく、厚労省も重い腰を上げ、抗生剤の適正使用に乗り出し、抗生剤の適正使用についての手引きを発表しました。(→抗微生物薬適正使用の手引き 第一版(案)

 当クリニックの患者さんにとっては自明の事柄が、詳細にわかりやすく、医師の説明の仕方まで含めて、解説されています。

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解熱剤の使い方

 ●まず、熱が出る理由について(発熱のメカニズム)

 感染症は、ウィルスや細菌などの病原体が、ひとの体内に侵入しておこります。

 侵入した病原体を体の中から追い出すために、白血球やマクロファージ(大食細胞)などと呼ばれる、ひとの体の防衛=免疫を担当する細胞が病原体と戦います。これらの防衛(免疫担当)細胞は、戦いを有利にはこぶために、「内因性発熱物質」(サイトカイン、インターフェロン、腫瘍壊死因子など)という物質を放出します。

 この発熱物質は、体温を調節する中枢がある、脳の視床下部(ししようかぶ)近くの細胞を刺激して、プロスタグランディンEという物質を作らせ、まき散らします。このプロスタグランディンEが、体温調節中枢の体温設定を上げるため、ひとは発熱するのです。

 熱が出ると、病原体を食い殺す白血球やマクロファージの働き、病原体を破壊するミサイルである抗体の働きが、何倍にも強くなることが分かっています。また、病原体であるウイルスは、高温(38℃~40℃)環境だと増えることができないといわれています。

 このように熱が出るということは、病気を早く治すため、体にそなわっている防衛反応なのです。病気が快方に向かえば、熱は自然に下がってきます。

 ●解熱剤の働き(薬理作用)

 解熱剤は、細胞が(発熱を引き起こす物質である)プロスタグランディンE(上記)を作ることを抑えます。そのため、プロスタグランディンが作られなくなり、体温調節中枢の体温設定が下げられるため、熱は下がってくるのです。 

 ●解熱剤の副作用について

 長期にわたり、頻回に解熱剤を使用した場合、病気を治そうとする自然治癒力を弱める可能性が指摘されています。また、解熱剤を乱用すると、体温が上下することにより、体力の消耗を早める可能性もあります。

 解熱剤の種類(ボルタレン、ポンタール)によっては、まれに低体温やショックをおこすことがあります。また、アスピリンはライ症候群、ボルタレン、ポンタールはインフルエンザ脳症との関連が指摘されています(下記参照)。

 ●解熱剤の種類

アセトアミノフェン

アセトアミノフェン(コカール、カロナ-ル、アンヒバ、アルピニー、ナパ、ピリナジン)は安全性が高く、世界中で広く使用されています。日本小児科学会でも2000年12月に、インフルエンザの発熱に対しては、アセトアミノフェンが適当だという、理事会見解を発表しました。他の感染症でも安心して使用できます。当院でも10歳以下のお子さまの発熱にはアセトアミノフェンのみを処方しています。

ジクロフェナクナトリウム

ジクロフェナク(ボルタレン)はインフルエンザ脳症では、死亡率が有意に高いことがわかり、インフルエンザ脳症患者には使用禁止になりました。また、小児のウイルス性疾患(水痘、インフルエンザ等)でも、原則的には使用しないことになりました(医薬品安全対策部会)。

メフェナム酸

メフェナム酸(ポンタール)も、インフルエンザ脳症では死亡率が有意に高い、という報告もあり(因果関係は未確定)、医薬品安全対策部会は、インフルエンザの発熱にはメフェナム酸は基本的に用いないほうが良い、という見解で合意しました。メフェナム酸は抗炎症作用も強く、まれに低体温でショックを起こす可能性もあります。

アスピリン

アスピリン(小児用バッファリン=後述、ミニマックス、EAC)は、インフルエンザや水痘で使用した場合、ライ症候群(急性脳症)を引き起こす可能性があり、子どもには使用できません。「小児用バッファリン」という商品名の薬剤は、薬局で買う薬はアセトアミノフェンが主成分ですが、病院で出される薬はアスピリンが含まれていました。これは非常に紛らわしいため、2000年11月、病院用の「小児用バッファリン」(内容はアスピリン)は「バッファリン81mg」という名前に変わり、小児の解熱剤としては使用できなくなりました。

イブプロフェン

イブプロフェン(ブルフェン、ユニプロン)は、プロピオン酸系の非ステロイド系消炎剤ですが、アメリカではアセトアミノフェンとともに解熱剤として広く用いられています(アメリカではイブプロフェンとアセトアミノフェンしか、解熱剤として使われていない)。

 インフルエンザ脳症は、欧米ではほとんどみられないため、この薬はインフルエンザ脳症、ライ症候群を誘発しないと考えられています。また、この薬はアセトアミノフェンより解熱効果が強いため、当院では小学校の高学年以上に錠剤で処方しています。

 ●解熱剤はどんな時に使うか

 熱が高くても、お子さまが元気で,水分もとれ食欲もあり、よく眠り機嫌も悪くなかったら、解熱剤を使う必要はありません。

 38.5℃以上の高熱で、元気がない、不機嫌で食事をとらない、ぐったりしているという症状が加わると、そのままでは全身状態が悪化し、場合によっては入院加療が必要になるかもしれません。

 ある程度熱が下げれば、お子さまは楽になり、ゆっくり休め、食欲が多少出てくることが期待されます。このような時に、脱水を予防し、体力(自然治癒力)を保つために使用されるものが解熱剤です。 

 解熱剤は38.5℃以上で症状が強いとき、頓服で使いましょう。1日3回、他の薬と一緒に定期に飲ませる必要は全くありません。このような使用法は、かえって病気を長引かせると考えられています(副作用の項を参照して下さい)。

 1回使用したら、最低6時間は間隔をあけます。高熱が続くようなら、もう一度、使用しても良いでしょう。ただし使用は1日に2回までとします。

 ●坐薬と飲み薬(粉薬、錠剤)の選択について

 赤ちゃんには坐薬,もう少し大きい子は粉薬が良いと思います。同じアセトアミノフェンという薬なので、効き目は同じです(坐薬のほうが吸収は速い)。

 坐薬をいやがったり下痢をしている場合は粉薬が良いし、吐いていたり大きな子でも薬を飲めない子の場合は坐薬が良いでしょう。要は確実に服用できることが大切だと思います。

 小学校高学年以上のお子さまには、効きの良い錠剤の解熱剤(ブルフェン=イブプロフェン)を処方することもあります。

 ●解熱剤を使っても熱が下がらない場合

 急激に発熱している状態の時は、アセトアミノフェンはほとんど効かない場合もあります(もともと解熱作用は弱い)。このような時は、解熱剤を何回も使うのではなく、薄着にして風通しを良くし、水分をまめに与え、脇の下やソケイ部をアイスノンや氷嚢(氷水を入れたビニール袋をタオルで包む)などで冷えすぎない程度に冷やして、様子をみましょう(「発熱について」を参照して下さい)。

 解熱剤は6時間以上間隔をあければ、もう1回使用しても良いでしょう。

 また、熱性けいれんのあるお子さまは、けいれん止めの坐薬(ダイアップ坐剤)の使用を優先して下さい(アンヒバ坐剤=解熱剤は、ダイアップ坐剤を挿入して30分以上あけてから、使用して下さい)。
 解熱剤の使用のみでは、熱性けいれんは予防できないと指摘されています。

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けいれん止めの坐薬の使い方

 ●ダイアップ坐剤とは

 ダイアップ坐剤はジアゼパムという抗けいれん剤の座薬です。4mg、6mg、10mgの3種類あります。体重に0.4~0.5かけた量を目安に使用します。(たとえば、10kgのお子さまなら、ダイアップ坐剤4を使用します)

 ●ダイアップ坐剤の使用法

 熱性けいれんは急激に体温が上昇する時に起こりやすいので、体温が37.5℃以上で(さらに上がりそうな時に)使います。坐薬を使用して、8時間たった時点で、38℃以上の発熱が続いていれば、さらにもう1回挿入します。このように2回使用すれば、熱性けいれんはほぼ防げるといわれています。 

 ●ダイアップ坐剤の副作用について

 眠気、ふらつき、まれに興奮等がみられることがありますが、2~3時間でおさまるので、心配は要りません。症状が続く場合は、一度受診して診察を受けて下さい。(ダイアップの副作用というよりは、元の病気そのものの症状の悪化の可能性も疑われます)

 ●体温が37.5℃以上になったら、すぐ使用したほうがよいか?

 赤ちゃんは入浴の後、食事の後、高温環境下(夏の昼間、車の中)では、体温が37.5℃以上になることはしばしばみられます。そのたびにダイアップを挿入することは実際は不可能です。したがって、かぜをひいていて(咳、鼻水などを伴ない)、体温が37.5℃以上に上昇し続ける時に使用するのがよいと思います。

 ●他の坐剤との間隔は?

 解熱剤の坐薬(アンヒバ坐薬、アルピニー坐薬)は、ダイアップ坐剤を使用して30分以上あけてから使用して下さい。ダイアップ坐剤とアンヒバ坐剤はお互いの吸収を抑えあいます。発熱時に熱性けいれんを起こしやすいお子さまは、ダイアップ坐剤の使用を優先して下さい。

 ●いつまで使うか?

 当クリニックでは、始めてのけいれんの場合はダイアップ坐剤を使用せず様子を見る、2回目以降のけいれんでは症状によっては使用する、という目安でお母さまとお話しさせていただいています。
 ただし、ご家族のご希望もお聞きして、どのように使うかは最終的に決定しています。

 ダイアップについては医師の間でもいろいろな考え方があるので、かかりつけの先生とよく相談されるとよいでしょう。

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市販薬について

 ●市販薬とは

 市販薬は、「総合感冒薬」とか「頭痛薬」などの薬屋さんで普通に販売されている薬のことです。現在スーパーでの薬の販売の是非が問題になっていますが、もともと市販薬は誰でも買えるため、副作用の少ない効きめの弱い薬の成分を混ぜて売られてきました。したがって、市販薬はお子さまの症状が軽く、とりあえず様子をみたいというときに、一時的に使う薬とお考えください。

 ●市販薬と病院でもらう薬の違いは

 市販薬は、万が一誤って服用してしまっても重大な副作用をおこさないよう、作用の弱い薬剤が使われています。また、体重や症状の軽重にかかわらず、年齢をもとにして一定の服用量が決められています。個々の薬剤の効き目が弱いため、いろいろな成分が混ぜられているものが多いようです。(薬の外箱の成分表をみてみると、多数の成分が含有されているのがわかります。) 

 一方、病院でもらう薬は、お子さまの症状と年齢、体重を考慮して、いくつかの薬から医師が経験と知識をもとに選択して処方されることが多いため、市販薬とは効き目がちがいます。
 また、処方される薬の種類も一般的には市販薬より少ないようです。また、薬の服用の仕方、副作用についてもきちんと説明してから処方されている病院が多いと思います。

 ●市販薬はどんなときに使うか

 市販薬は、あくまで軽い鼻水がでているとか、休日で病院にかかれないというときに、応急的に使用する薬です。しかし、当クリニックは上記の理由により、市販薬の使用は推奨しておりません。必要な薬、家庭で常備したほうがよい薬については、外来でご相談に応じておりますので、常備薬希望の方は診察時にお申し出ください。

 ●市販薬の副作用は

 市販薬でも薬である以上、場合によっては副作用がおこります。病院で処方されるお薬よりいろいろな成分が含まれている分、副作用の頻度が高いという意見もあります。もしも市販薬を購入する場合でも、必ず薬局で薬剤師にお子さまの症状、体質を説明してから購入するようにしてください。

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子どもの漢方について

 ●漢方薬とは

 漢方薬は、もともとさまざまな植物の根や草、木の皮を細かく刻んで煮出し、煎じ薬として飲まれてきた歴史を持ちます。したがって、漢方薬は食材に近く、その効果は経験的に知られてきたものです。今日では、漢方薬は煎じ薬を顆粒状にして、エキス剤として用いることが一般的になっています。

 ●漢方医学と西洋医学

 漢方医学で「病気」とは、いろいろな身体(生体)のバランスが崩れた状態をいいます。そして病気の治療とは、このバランスが狂ってしまった生体の働きを、もとの調和の取れた状態に修復していくことになります。漢方薬はそのために、ゆっくりと体調を整える薬として用いられます。それに対し、西洋医学(近代医学)は症状―診察、検査から病気を診断し、その診断された病気に対し最適な治療方法(投薬、処置、手術など)を選択して、病気を治していこうとするものです。

 ●漢方薬が有効な病気

 今日の医学は、西洋医学(近代医学)に基づき、大きく進歩してきました。しかし、西洋医学でも治療に難渋したり、はっきりとした治療方針を示せない病気もあります。それは検査上明らかな異常を認めない病気や神経や心、体質がからむ病気です。このような病気は、漢方薬のよい適応となります。

 子どもの病気でいうと、①感冒をひきやすい(易感染性)、やせて顔色が悪い、下痢や便秘をくり返す(過敏性腸症候群)というような病気、②夜泣き、チック、憤怒けいれんのような、心のコントロールが未調整のため起こる病気、③夜尿症、再発性腹痛(特に腸に異常はないが、強い腹痛をくり返す)、周期性嘔吐症(精神的に緊張したり、下痢をすると頻回の嘔吐がおこる)のような神経、気質がからんだ病気、④鼻水、鼻閉など、急性感染症の軽快後に続く微症状、等があげられます。当クリニックは、このような症状を示すお子さまの治療に、漢方薬の投与も行っています。

 ●当クリニックでよく用いる漢方薬の説明

甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)

-夜泣き、憤怒けいれんに用いる。小麦、大棗、甘草が成分。甘くておいしい。 

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

-薄い鼻水やくしゃみ、透明な痰が多い子に用いる。半夏、甘草、桂皮、五味子、細辛、芍薬、麻黄、乾姜が成分。少しすっぱい。花粉症にもよく効く。 

抑肝散(よくかんさん)

-虚弱で、癇が高ぶる子に用いる。イライラがひどいお母さまが、お子さまと一緒に飲むと、より効果が高まるといわれる。蒼朮、柴胡、茯苓、甘草、川弓、当帰、釣藤が成分。抑肝散加陳皮半夏はさらにききめがよいといわれている。

小建中湯(しょうけんちゅうとう)

-虚弱で、手足が冷えやすく、尿の回数が多く、腹痛をよく訴え、風邪をひきやすい子に用いる。生姜、甘草、桂皮、芍薬、大棗が成分で、いろいろな症状に効果がある。

五苓散(ごれいさん)

-比較的元気で、日中水分を大量にとるが、吐きやすい子に。乗物酔、二日酔いにも著効を示す。沢瀉、茯苓、蒼朮、桂皮、猪苓が成分。

 ●漢方薬の飲ませ方

 漢方製剤は、食べ物に近いものなので、食物と一緒にとると、腸からの吸収が悪くなります。また、腸の中の細菌(腸内細菌)が漢方薬の成分をより効果的に分解するので、腸内細菌が漢方薬に作用しやすい空腹時が飲むのに良いと勧められています。

 子どもの場合は、エキスをお湯に溶いて、それを冷ませてから飲ませます。もしいやがるようなら、砂糖を加える、シャーベットのように凍らせて飲ませる、エキスをオブラートに包んで飲ませる、ゼリーにまぶして食べさせる、なども良い方法です。

 量が多ければ、半分ずつ
2回に分けて飲ませてもかまいません。

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授乳中の薬について

 ●授乳中のくすりについて

 授乳中にお母さまが病気になることもありますよね。こんな時、薬を飲んでもよいのか、赤ちゃんのために薬を我慢したほうがよいのか、悩むところです。実際医師によっては断乳するように指導されるケースも多いようです。本当に薬を飲んだら、赤ちゃんに母乳をあげるのは好ましくないのでしょうか。

 ●授乳中に服用してはいけない薬

 授乳中に飲んではいけない薬は少数ですが存在します。これらは、母乳中に大量に移行し、しかも赤ちゃんに重い副作用を起こすおそれのある薬剤です。抗がん剤(一部)、免疫抑制剤、放射性医薬品がこの薬です(禁忌薬。下記参照)。

 また、新生児期(生後1ヶ月)から生後2ヶ月までの赤ちゃんは、肝臓、腎臓の機能が未熟なため、薬が体内に蓄積し、副作用が発現するおそれがあります。したがって、この時期の赤ちゃんに授乳中のお母さまは、薬の服用には慎重な対応が必要です。特に副作用に注意しなければならない薬は、この時期の服用は避けたほうがよいでしょう。

 また、現在問題はないとされていても、将来副作用の報告がでてくるような薬剤がないとはいえません(かつてのサリドマイドのように)。したがって、必要性の少ない薬はやはり飲まない方がよいと思います。本当に薬の必要なとき(症状がひどいとき)に、授乳にさしつかえない薬を選択して服用するのがよいでしょう。

 薬の添付文書に「投与中は授乳を中止する」という記載が多くみられます。これは実際には問題はないものの、何かあったときPL法で責任が追及されないように、製薬会社の自己防衛の観点から書かれた文書も多いといわれています(つまり、処方した場合は医師の責任になります)。

 授乳時の服用薬は、本当は問題ない薬と実際に問題のある薬を峻別し、問題ない薬は自由に処方できるようにすべきと思います。

 ●授乳中に服用で気をつけること

 授乳時の薬に詳しい医師から授乳中でも服薬OKといわれ、薬を飲み始めても以下の点には注意してください。

①服用中でも、念のため赤ちゃんの状態にはよく注意しましょう。母乳の飲み(食欲)、機嫌、眠りの状態、便性はどうか観察します。また、服薬中、赤ちゃんが母乳を飲まなくなる、寝てばかりいる、眠らなくなる、ぐずる、変に興奮している、下痢をする、発疹が出るなど、心配な症状があらわれたら、一度小児科専門医を受診して下さい。

②一般的に母乳中の薬の濃度が最高になるのは、服薬2~3時間後だといわれています。そのため、服薬直後に授乳するのが一番母乳に影響が少ないといわれています。このときにお薬を飲むのがよいでしょう。

 ●授乳時の禁忌薬

 以下に記す薬は、授乳中は服用してはいけないとされる薬剤の代表です。これらの薬は授乳中は服用してはいけません。

成分 商品名 分類 評価 理由・留意事項
炭酸リチウム リーマス

神経薬

禁忌 治療血中濃度の1/2~1/3が乳児へ
メシル酸ブロモクリプチン パーロデル 抗パーキンソン剤 禁忌 乳汁分泌抑制
アスピリン バッファリン 鎮痛解熱剤 注意 代謝性アシドーシス、出血異常も
チアマゾール メルカゾール 甲状腺剤 授乳禁希望  母乳に移行、児の甲状腺機能に異常も
シクロフォスファマイド エンドキサン 抗がん剤 禁忌 免疫抑制の可能性、成長に対する影響
塩酸ドキソルビシン アドリアシン 抗がん剤 禁忌 免疫抑制の可能性、成長に対する影響
メトトレキサート リウマトレックス 抗がん剤 禁忌 免疫抑制の可能性、成長に対する影響
フェニンジオン   抗凝血薬 禁忌 出血異常
金チオリンゴ酸ナトリウム シオゾール 刺激療法剤 禁忌 安全性未確立
酒石酸エルゴタミン カフェルゴット 解熱鎮痛消炎剤 禁忌 母乳中へ移行。児に嘔吐、下痢、けいれん
アルコール     禁忌  
放射性医薬品     禁忌  

 授乳中に服用に注意すべき薬、授乳に影響する薬については、医師の間でもさまざまな見解があります。かかりつけの先生とよく相談してみるとよいでしょう。

      国立成育医療研究センターの授乳中の薬の影響 (授乳中服用できる薬が列記されています)

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