10月以降の新型コロナウイルス対策の変更について
2022年9月24日更新
厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡「With コロナの新たな段階への移行に向けた全数届出の見直しについて」に基づき、2022年9月26日から新型コロナウイルス陽性者への対応がさらに大幅に変更になりました。
以下、要点をご説明します。
Ⅰ HER-SYSを使った保健所への発生届が変更になります。
1.全数報告の対象について
全数報告の見直しによって、9月26日(月)以降、HER-SYSを用いた保健所への新型コロナ発生届けを提出しなければならない人は、
①65歳以上の高齢者、
②入院が必要な人、
③妊婦、
④重症化リスクがあり、新型コロナ治療薬や酸素投与が必要な人、
の4群(4類型)のみとなります。
*乳幼児や小児の重症化リスクは、症状、周囲の状況で医療機関が判断することになっています。当クリニックは患児の安全性を最大限考慮し、判断いたします。
9月24日まで当クリニックが抗原定性検査、PCR検査が陽性の時に発生届を提出していた、当クリニックの患者さんのほとんどが、9月26日以降は発生届の提出対象外となります。
したがって、9月26日以降は当クリニックでコロナ検査陽性と診断しても、当クリニックから発生届を保健所に提出することはできなくなります。
コロナ検査陽性だった患者さんには、当クリニックで配布する東京都作成チラシ最下部の検査陽性証明書を発行いたしますので、東京都陽性者登録センターにご自身で登録を行ってください。
この証明書は患者自身さんで記載する事になっていますが、当クリニックは記載した上で、上記チラシをお渡しいたします。
東京都陽性者登録センターへの登録は任意となっていますが、下記の都からの支援を受けられるよう、当クリニックはセンターへの登録は必須と考えます。
(東京都陽性者登録センターの詳細はこちら)
東京都陽性者登録センターへの登録には、氏名、年齢、住所、身分証明を示すもの、チラシの陽性診断書が必要です。
登録することにより、健康観察(MY HER-SYS利用)、食料品やパルスオキシメータの配給、都の宿泊療養施設の利用が可能になります。
また、東京都陽性者登録センターへの登録の有無にかかわらず、診断されたことを持って、品川区保健所(居所が品川区の方。他区住人はその地区の保健所)から各種必要な対応を受けることができるようです。
2.当クリニックで検査を行なわず、自主検査で陽性だった患者さんについて
自主検査には、以下の方法があります。いずれの方法でも、陽性者は東京都陽性者登録センターに登録できます。基本的に医療機関に受診する必要はありません。(当クリニックかかりつけの患者さんは、ご相談ごとは電話でまずご相談ください。当クリニック未受診のお子さまの電話でのご相談は、お子さまの状態を当クリニックでは把握していないため、申し訳ありませんが責任ある対応はできません。)
①薬局等で無料でPCR検査を行う
発熱などの症状のないが感染が不安な都民に対し、薬局などが無料でPCR検査、抗原検査を行います。陽性の結果が出た場合は、東京都陽性者登録センターで登録できます。
(東京都陽性者登録センターの詳細はこちら)
PCR等検査無料化事業
②発熱を呈したり、濃厚接触者には東京都から検査用の抗原キットが配布されます
濃厚接触者となった無症状の都民、20歳台~40歳台で発熱などの症状がある都民は、東京都に申し込むとコロナ抗原検査キットを配布してくれるそうです。送られてきた検査キットを用いて本人が検査を行い、陽性だった場合は、東京都陽性者登録センターに登録できます。
(東京都陽性者登録センターの詳細はこちら)
発熱等の症状のある方のための検査キット配布
濃厚接触者となられた方のための検査キット配布
③医療機関で検査キットを希望者に配布
発熱などの症状がある患者が、あらかじめ東京都HPからダウンロードした「検査キット配布申込書」を持って医療機関を受診し、医療機関から検査キットを受け取ります。自宅で自主検査を行い、陽性の場合は医療機関を受診するか、東京都陽性者登録センターに登録できることになりました。(当クリニックはこの事業に参加していないため、対応できません。陽性者は東京都陽性者登録センターに登録するか、配布した医療機関に相談されるとよいと思います。)
(東京都陽性者登録センターの詳細はこちら)
自宅療養中に、本人または同居者が無症状から発熱、咳、咽頭痛などの症状が出た場合
基本的に抗原検査キットを入手して、自主検査を行う事になります。(ただし、この場合使用できる検査キットは、体外診断用医薬品として承認されている抗原定性検査キットだけです。)
2022年7月14日から、いわゆる「見なし陽性」(疑似症患者)制度が再開されましたが、現在、コロナ抗原キットの入手が容易になったこと、医療機関を受診することなく、陽性登録ができることになったことなどの理由から、9月26日より、見なし陽性は親が陽性の子のみに制限されることになりました。これは、小児では抗原検査の鼻汁自己採取がうまく行えず、親が外出できないため、診療・検査医療機関への受診も困難なため、とされています。
「見なし患者(疑似症患者)」とは、
新型コロナウイルス感染症の検査を受けずに、新型コロナウイルス感染症の患者と診断された人のことです。
1月24日、厚労省は、「患者の同居家族などの濃厚接触者が、発熱などの症状が出た場合、検査を行わなくても患者と診断してよい。その場合は、疑似症患者として、保健所に届けること。」と医療機関に通達を出しました。
一時流行は収まったため、廃止されていましたが、第7波の流行により、検査が大幅に増えたため7月14日から再開となりました。
Ⅱ コロナ陽性者の療養期間について
陽性結果を受けた保健所の対応が、2022年9月7日から再び変わりました。(新型コロナウイルス感染症-区民の方へ)
療養期間について(目安)
有症状の場合の療養期間(患者、疑似症患者)
発症日(症状出現した日)を0日目として、次の日から7日間(症状が無くなってから24時間を経過するまで)まで自宅療養とします。ただし、咳がひどい、微熱が続くなど、症状が続く間は、7日過ぎても症状が無くなるまでは、療養は解除となりません。
無症状の場合の療養期間(無症状病原体保有者)
検体採取日を0日目として、次の日から7日間が経過するまで。ただし、5日目にご自身で検査キットを用いて検査を行い、陰性だった場合は6日目から待機を解除できます。
無症状で療養期間中に、症状が出現した場合の期間(無症状病原体保有者→患者)
発症日(症状が出現した日)を0日目として次の日から7日間、かつ症状軽快から24時間経過するまでが療養期間となります。
Ⅲ 濃厚接触者について
濃厚接触者となった時の対応について
濃厚接触者となるケースとして、以下が考えられます。
①保育園、幼稚園、学校で濃厚接触者といわれた。
②家庭で家族がコロナ陽性のため、濃厚接触者といわれた。
「濃厚接触者」の定義(東京都の解説はこちら)
新型コロナウイルス感染症の検査の陽性者(患者)と、症状が出る2日前から入院等になるまでの期間に、
①患者と同居あるいは長時間の接触(車内・航空機内等を含む)があった人
②適切な感染防護(マスク着用など)なしに、患者を診察、看護もしくは介護をした人
③患者の痰、唾液、吐物などに直接触れた可能性のある者
④その他、手で触れることのできる距離(1 メートル以内)で、必要な感染予防策なしで、患者と 15 分以上の接触のあった人
と、定義されています。
濃厚接触者は、患者と最終接触した次の日から5日間は自宅待機(場合によっては3日間=後述)が必要とされています。(患者と同居していても、家庭内でマスクの着用、手洗い、換気、トイレや洗面所など共用部分の消毒、寝室を分けるなど感染予防対策を行えば、その日を0日として起算し、5日間の自宅待機が決められています。)
※感染対策:日常生活を送る上で、可能な範囲でのマスク着用、手洗い・手指消毒の実施、物資等の共用を避ける、消毒等を行っているなどの対策を講じていること。個室対応等の空間分離までは求めません。
ただし、同居家族等の中で別の家族がコロナを発症した場合は、改めてその発症日(別の家族が無症状検査陽性の場合は、検査を実施した日)を0日目として起算します。
また、検査が陽性で無症状だった患者が、その後熱、咳、咽頭痛などが出現した場合は、症状が出た次の日から7日間の療養が必要です。
濃厚接触者の行動制限について、厚労省新型コロナウイルス感染症対策推進本部は2022年7月22日、さらに以下の変更を行いました。(厚労省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡)
「陽性者の発症日(無症状の方は、検体採取日)」又は「陽性者の発症等により住居内で感染対策を講じた日」のいずれか遅い方を0日目として5日間(6日目解除)となります。
なお、抗原定性キットを用いた検査で、待機期間の2日目及び3日目に陰性を確認した場合、3日目から待機の解除が可能となります。
※濃厚接触者の待機期間が終了した場合も、感染の可能性のある7日間を経過するまでは、引き続き健康状態の確認を行い、感染リスクの高い場所の利用や会食等を控えるなど、基本的な感染防止対策を徹底ことが要請されています。