9月以降の新型コロナウイルス陽性者の療養期間について        2022年9月8日更新
2022年9月25日最終更新

新型コロナウイルス感染症第7波の流行が収束に向かっていますが、2022年9月7日、9月26日から療養期間が再々度変更になりました。
2022年9月25日現在の、当クリニックのコロナ診療-検査の現況と新たに変更になった療養期間について、ご説明いたします。



Ⅰ 新型コロナウイルス検査実施について

当クリニックは、東京都から診療・検査医療機関に指定されており、保健所や発熱センターから紹介された濃厚接触の人(同じ保育園、小学校でコロナ陽性者が出た、家族がコロナ陽性になった、など)や症状のある患者さんに、条件が許す限り、PCR検査、抗原定性検査を行ってきました。
このたび、9月7日から療養期間が変更になるに伴い、当クリニックの検査対応も一部変更いたします。

家族が検査陽性だった、濃厚接種者に対する対応:

1)無症状の濃厚接触者の場合は、PCR検査などは行わず、5日間様子を見ます。
症状も無いのに、すぐPCR検査を行っても陽性にならず、また陰性でも感染していないとは言えません。以前、保健所が積極的疫学調査を行っているときも、濃厚接触者と特定されてから、3日後を検査の目安としていました。当クリニックも家族が陽性だと判定されても、無症状の場合は検査をいたしません。(ご自身で、自主検査を行う事は可能です。)

2)濃厚接触者が自宅待機中に発熱などの症状を示した場合(接触2日目ぐらいが多い)
 →検査希望者には、
PCR検査を行います。
 →見なし陽性希望の小児には、電話で問診を行い、疑似症患者の診断を行うので、保護者が東京都陽性者登録センターに登録することになります。
 →自宅でご本人が自主的に抗原検査を行い、陽性だった場合は、検査キットを確認できれば、当クリニックでは検査を行う事なく、新型コロナ患者として診断します。(9月26日から、東京都陽性者登録センターへの登録はご自身で行う事になりました。→くわしくはこちら


PCR検査の内容:
PCR検査は、原則6歳以上は唾液検査、6歳未満は鼻咽頭検査で行っています。

PCR検査は、当クリニックは検査会社(BML)に外注しており、検査結果が出るのに1日かかります。結果が出た時点で、検査会社からFaxで検査結果がクリニックに送られてきます。

結果を受けとりしだい、当クリニックから検査を受けた患者さんの連絡先に、電話で結果をご報告いたします。PCR検査結果は、「
陽性」か、「検出されず」(陰性)のいずれかになります。

お届けいただいた連絡先に電話しても、出ないか留守電の方が少なくありません。さらにこちらからお電話しても出ないのに、逆にクリニックの診療中に電話をかけてきて、早く結果を知りたいなどと要求する方もいます。検査結果の連絡は、誤りの無いよう準備をした上でこちらからお電話しているため、急に電話をいただいても、結果はお知らせできませんのでご了解下さい。

濃厚接触のエピソードなどはなく、発熱、咳、咽頭痛などの症状で、受診された患者さんへの対応

新型コロナウイルスの検査が必要と、当クリニックの医師が判断した患者さんには、行政検査として
抗原定性検査を行います。抗原定性検査は、鼻から行います。

抗原定性検査は10分で結果がでます。症状がある患者さんについては、抗原検査は、PCR検査とほぼ相関すると評価されています。しかし、抗原検査はあくまで症状があるときに行う検査であり、症状が無い場合は適応になりません。

抗原定性検査は無症状の方には信頼性が低いため、当クリニックは抗原定性検査は症状のある方だけに限らせていただいています。

また、抗原定性検査の結果が陰性でも、臨床症状から新型コロナウイルス感染症が強く疑われるときは、PCR検査を再度行います。

最初から抗原検査とPCR検査を同時に行うことは医療資源を浪費し、検査費用が高額に跳ね上がるだけで、全く意味がありません。当クリニックでは、抗原定性検査が陰性にもかからわず、新型コロナウイルス感染症が強く疑われる場合のみ、PCR検査を行います。



Ⅱ 検査結果に対する当クリニックの対応

①PCR検査、抗原定性検査が
陽性だった場合


抗原検査が陽性の場合は、結果が出しだい、診療時に結果をご報告いたします。
PCR検査の場合は、検査会社から検査結果がFaxされてきた時点で、検査を受けた方に電話でご連絡いたします。

検査結果が陽性の場合は、9月26日からはご自身で東京都陽性者登録センターに登録することになりました。→くわしくはこちら


陽性結果を受けた保健所の対応が、2022年9月26日から再び変わります。

品川区保健所は、4類型の陽性者*しか対応しないことになりました。

*全数報告の見直しによって、9月26日(月)以降、HER-SYSを用いた保健所への新型コロナ発生届けを提出しなければならない人は、
 ①65歳以上の高齢者、
 ②入院が必要な人、
 ③妊婦、
 ④重症化リスクがあり、新型コロナ治療薬や酸素投与が必要な人、のみとなり、この4類型のみ保健所がSMS等で管理するようになります。


自宅療養期間は9月7日から以下の期間に変更になりました。
 患者(確定例)    →
7日間
 無症状病原体保有者 →
7(5)日間
 


1 新型コロナウイルス感染症に感染した場合(検査陽性者)

療養期間について(目安)

有症状の場合の療養期間(患者、疑似症患者)

発症日(症状出現した日)を0日目として、次の日から7日間(症状が無くなってから24時間を経過するまで)まで自宅療養とします。ただし、咳がひどい、微熱が続くなど、症状が続く間は、7日過ぎても症状が無くなるまでは、療養は解除となりません。

無症状の場合の療養期間(無症状病原体保有者)

検体採取日を0日目として、次の日から7日間が経過するまで。ただし、5日目にご自身で検査キットを用いて検査を行い、陰性だった場合は6日目から待機を解除できます。

無症状で療養期間中に、症状が出現した場合の期間(無症状病原体保有者→患者)

発症日(症状が出現した日)を0日目として次の日から7日間、かつ症状軽快から24時間経過するまでが療養期間となります。



4類型以外の陽性者は、保健所への登録対象から外れるため、患者さんがご自分でMy HER-SYSで健康管理を行い、必要な場合は「自宅療養サポートセンター」(うちさぽ東京)に相談することになります。(→くわしくはこちら。)

「自宅療養サポートセンター(うちさぽ東京)」とは、
自宅療養者が、
 ⅰ)自宅療養中に体調が悪くなってきた、体調が不安に感じたとき、
 ⅱ)食料品やパルスオキシメータが届かない、配布を希望するとき、
 ⅲ)医療面、健康面以外のいろいろな相談がしたいとき、
 ⅳ)東京都陽性者登録センターの登録に関する相談をしたいとき、
など療養中に困り事が出たときに、電話をかけて相談する連絡窓口です。

電話番号は
0120-670-440で、毎日(土、日、祝も含みます)24時間、電話を受付ています。

また、体調が悪いときは、自宅療養者フォローアップセンター「24時間対応の自宅療養者専用相談窓口」に相談することも可能です。
フォローアップセンターは、「咳が止まらない。」「熱があり、体調が優れない」などの医療相談を行う窓口で、看護師が対応しています。

2月8日に東京都は4カ所に増設されました。品川区は第1フォローアップセンターが担当になります。
 第1フォローアップセンター   
050-3352-2000*  (都中央部、南部地域担当)

さらに、個別医療機関はコロナ検査陽性者を保健所にHER-SYSで届けたあとは、保健所が管理することになり、個別医療機関の役割は終わります。

ただし、健康観察を行うと保健所に届け、自院で患者さんの健康観察を行っている医療機関もあります。この場合は、療養終了までは保健所ではなく、その健康観察医療機関が責任を持って面倒をみることになっています(架電、往診も含め)。

 第一フォローアップセンターの相談員(看護師が多い)は電話相談を受けると、検査を行った医療機関に相談するよう指示することが多いようです。しかし、実際は健康観察医療機関のみが相談を受ける対象医療機関となります。


当クリニックは診療限界を超えるため、健康観察は実施しておりません。したがって、検査を行ったのだから、診察しろと言われても健康観察医療機関ではないため、応ずることはできません。

ただし、当クリニックかかりつけ医に登録されている患者さん、そのご両親に対しては、かかりつけ医の登録時にお伝えした、かかりつけ専用連絡先(クリニック電話番号ではありません)にご連絡いただければ、保健所連絡後も当クリニックはいろいろなご相談に応じ、支援してまいります。

ただし、現在診療限界に近いため、かかりつけ以外の患者さんには繰り返しますが、投薬など対応できません。(当クリニックかかりつけでない患者さんは、いつも信頼して受診されている、かかりつけの先生にこそ、いろいろご相談なさったらいかがでしょうか。)



濃厚接触者となった時の対応について

濃厚接触者となるケースとして、以下が考えられます。
①保育園、幼稚園、学校で濃厚接触者といわれた。
②家庭で家族がコロナ陽性のため、濃厚接触者といわれた。

「濃厚接触者」の定義(東京都の解説はこちら
新型コロナウイルス感染症の検査の陽性者(患者)と、症状が出る2日前から入院等になるまでの期間に、
①患者と同居あるいは長時間の接触(車内・航空機内等を含む)があった人
②適切な感染防護(マスク着用など)なしに、患者を診察、看護もしくは介護をした人
③患者の痰、唾液、吐物などに直接触れた可能性のある者
④その他、手で触れることのできる距離(1 メートル以内)で、必要な感染予防策なしで、患者と 15 分以上の接触のあった人
と、定義されています。

濃厚接触者は、患者と最終接触した次の日から5日間は自宅待機(場合によっては3日間=後述)が必要とされています。(患者と同居していても、家庭内でマスクの着用、手洗い、換気、トイレや洗面所など共用部分の消毒、寝室を分けるなど感染予防対策を行えば、その日を0日として起算し、5日間の自宅待機が決められています。)  

※感染対策:日常生活を送る上で、可能な範囲でのマスク着用、手洗い・手指消毒の実施、物資等の共用を避ける、消毒等を行っているなどの対策を講じていること。個室対応等の空間分離までは求めません。


ただし、同居家族等の中で別の家族がコロナを発症した場合は、改めてその発症日(別の家族が無症状検査陽性の場合は、検査を実施した日)を0日目として起算します。

また、検査が陽性で無症状だった患者が、その後熱、咳、咽頭痛などが出現した場合は、症状が出た次の日から7日間の療養が必要です。

2022年1月29日に、自宅待機が10日間から7日間に短縮され、さらに、家庭内で感染対策を行えば、その日から起算されるようになりました。これは当たり前で、コロナ患者が10日で隔離が終了するのに、濃厚接触者の方は10日+7日と陰性なのに17日も隔離されなければならないという馬鹿げた不合理が、少し修正されたことになります。

さらに7月22日、新たな通知により、自宅待機が7日間から5日間に短縮されました。さらに、自ら抗原検査を行えば3日間に短縮されました。(下記詳述)




濃厚接触者の行動制限について、厚労省新型コロナウイルス感染症対策推進本部は2022年7月22日、さらに以下の変更を行いました。(厚労省新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡

「陽性者の発症日(無症状の方は、検体採取日)」又は「陽性者の発症等により住居内で感染対策を講じた日」のいずれか遅い方を0日目として5日間(6日目解除)となります。

なお、抗原定性キットを用いた検査で、待機期間の2日目及び3日目に陰性を確認した場合、
3日目から待機の解除が可能となります。

※濃厚接触者の待機期間が終了した場合も、感染の可能性のある7日間を経過するまでは、引き続き健康状態の確認を行い、感染リスクの高い場所の利用や会食等を控えるなど、基本的な感染防止対策を徹底ことが要請されています。



②PCR検査、抗原定性検査が陰性だった場合

新型コロナウイルス感染の可能性は低いと判断されます。しかし、この検査結果は感染していないと証明するものではありません。安心することなく、感染予防(マスク、手洗い、三密回避)はしっかり続けましょう。

濃厚接触者でPCR検査、抗原定性検査が陰性の場合は、
患者と最終接触した次の日から5日間は自宅待機。(上記にて、説明済み)

自宅療養中に、本人または同居者が無症状から発熱、咳、咽頭痛などの症状が出た場合

電話で症状をお聞きして、医師の判断で新型コロナウイルス感染症と診断いたします(
見なし陽性。2022年7月14日から再開されました)。当クリニックによる処方も可能です(解熱剤など処方可能。ラゲブリオやパキロビッドなど経口抗ウイルス薬は、条件を満たした患者でないと処方できません)。

ただし、患者さんがあらかじめ入手していた、抗原検査キットなどを使い、自分で検査し、陽性だった場合は、その検査結果を写真などで医療機関に提示すれば、見なし陽性(疑似症患者)ではなく、陽性(患者)と確定診断できることになりました。(ただし、この場合使用できる検査キットは、体外診断用医薬品として承認されている抗原定性検査キットだけだそうです。)


「見なし患者(疑似症患者)」とは、
新型コロナウイルス感染症の検査を受けずに、新型コロナウイルス感染症の患者と診断された人のことです。
1月24日、厚労省は、「患者の同居家族などの濃厚接触者が、発熱などの症状が出た場合、検査を行わなくても患者と診断してよい。その場合は、疑似症患者として、保健所に届けること。」と医療機関に通達を出しました。
一時流行は収まったため、廃止されていましたが、第7波の流行により、検査が大幅に増えたため7月14日から再開となりました。

また、無症状の人が、PCR検査無料化事業によって東京都が配布した検査キットで使って自分で検査し、陽性だった場合は、その検査結果を医療機関で提示すれば、改めて検査することなく、陽性者と確定診断できることになりました(下記Ⅲ②参照)。



Ⅲ 8月からの新たな検査体制について

第7波の流行爆発によって、医療機関の外来、入院が逼迫、一部で破綻し始めている情勢下で、8月に大がかりな検査体制の修正が行われました。

①薬局等で無料でPCR検査を行う

発熱などの症状のないが感染が不安な都民に対し、薬局などが無料でPCR検査、抗原検査を行います。陽性の結果が出た場合は、陽性者は改めて、医療機関を受診してコロナの届け出を行います。
 PCR等検査無料化事業

②発熱を呈したり、濃厚接触者には東京都から検査用の抗原キットが配布されます

濃厚接触者となった無症状の都民、20歳台~40歳台で発熱などの症状がある都民は、東京都に申し込むとコロナ抗原検査キットを配布してくれるそうです。送られてきた検査キットを用いて本人が検査を行い、陽性だった場合は、医療機関に検査結果を持って受診するか、東京都陽性者登録センターに登録できることになりました。
 発熱等の症状のある方のための検査キット配布
 濃厚接触者となられた方のための検査キット配布


③医療機関で検査キットを希望者に配布


発熱などの症状がある患者が、あらかじめ東京都HPからダウンロードした「検査キット配布申込書」を持って医療機関を受診し、医療機関から検査キットを受け取ります。自宅で自主検査を行い、陽性の場合は医療機関を受診するか、東京都陽性者登録センターに登録できることになりました。

④自主検査の陽性結果で、陽性者登録センターに登録

発熱などの症状がある患者が、あらかじめ入手してある抗原定性キットを使用し、自主検査を行い陽性だった場合、症状は軽く、20~40歳台の人は、医療機関に受診することなく、東京都陽性者登録センターに登録できることになりました。
(東京都陽性者登録センターの詳細はこちら

登録できるのは、
 ①20~40歳台の東京都民
 ②新型コロナウイルス感染症の症状が軽い人
登録すると、センターの医師が発生届を保健所に提出するそうです。

10月以降のコロナ対応の変更はこちら→10月コロナ対応について


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