今週のお知らせ 2024令和6年


昭和の頃は4月になると、関東近辺の低山地では春の女神とよばれる、ギフチョウの可憐な舞いが見られました。春夏秋冬、季節があざやかに移り変わる、美しい我が国の自然界では、春だけに姿を見せる一群の春の蝶達がいます。



ギフチョウは春の蝶の代表で、その可憐な美しさから「春の女神」と呼ばれ、親しまれてきました。

関東周辺では、高尾山、丹沢山系の小倉山、石老山、石砂山などで、その姿が見られましたが、ゴルフ場や宅地造成などの乱開発のため、食草カンアオイと共にほとんどの産地で1970年代には絶滅し、現在ではわずかに神奈川県石砂山で保護され、その姿を見ることができるだけです(石砂山の保護活動の一例)。

ギフチョウは200万年前に大陸から飛来してきて、国内に定着した系統的に古い原始的なアゲハチョウです。そして、何度かの氷河期を乗り越え、我が国だけに棲息する固有種で、学名をLuehdorfia japonicaといいます。近縁のヒメギフチョウ(こちらはウスリー地方、朝鮮半島、中国東北部にも分布しています)と国内で、くっきりと棲み分けており、この分布線をリュードルフィア・ラインとよび、昔中学受験にも出題されたことがありました。

春の陽の良く当たる里山を、意外と男性的な力強い飛び方をします。写真はやはりこのころ、開花するカタクリを吸蜜しているギフチョウです。(出典は下記)

日本では、春になるとギフチョウ、ヒメギフチョウ、ミヤマセセリ、コツバメ、少し遅れてウスバシロチョウが姿を現し、春の終わりには姿を消します。

ウスバシロチョウは氷河と共に日本に南下してきた、氷河期の生き残りです。関東周辺では五月のゴールデンウィークに奥多摩、奥武蔵地方で優雅に天女のように舞っています。

ウスバシロチョウも最も原始的なアゲハチョウParnassius属の一種で、羽は白く透けており、アゲハチョウに特徴的な黄色や黒色や赤色の織りなす華麗な翅模様は持っていません。華奢なモンシロチョウより一回り大きく、蝶では珍しく繭を作ります。

この仲間のアポロチョウは、後翅に大きな赤い斑紋をもち、太陽神アポロに由来する太陽神の化身と言われ、ヨーロッパアルプスに棲息しています。

春、関東の低山地を歩くと、今でもこれらの蝶と出会うことができるかもしれません。

ウスバシロチョウ(5月に見られる、もっとも原始的なアゲハです)
コツバメ(早春3月に元気に飛び回ります) ミヤマセセリ(ビロードのような美しい羽を持っています)

蝶は自然の作り出した珠玉のような芸術品です。生の蝶を見て、蝶を手にしたとき、子ども達はその美しさに震えるような感動を覚え、自然に対する畏怖の念と憧憬が自然と湧いてくると思います。

しかし、残念ながら今、蝶をこわがり、触ることもできない子どもが増えてきています。彼らにとって自然とは、デジタル画面のなかの無機的な世界なのかもしれません。このような環境下で、子ども達に本当に人間として豊かな情操が身についていくのでしょうか。

自然に親しむ心は、いくら大人が口で教えても、タブレットで示しても、育っていくものではありません。実物に触れ、その生の体験の感動の中から自然と育まれていくものなのです。

また、子どもは大きなイベント会場にわざわざ連れて行かなくても、身近な公園で出会う小さな虫や石ころからも、感動し豊かな感性を育むことができるのです。

連休中はぜひご家族で、自然に親しむ機会を作ることをお勧めします。(2024.4.14)

ギフチョウはあきた森づくり活動サポートセンター昆虫シリーズ⑧から、ウスバシロチョウは昆虫エクスプローラ・ウスバシロチョウから、コツバメは昆虫エクスプローラ・コツバメから、ミヤマセセリは昆虫エクスプローラ・ミヤマセセリから画像を転載させていただきました。深謝いたします。


いよいよ令和6年度、新しい年度が始まりました。最も大きな変化は予防接種に五種混合ワクチンが導入されたこと、小児用肺炎球菌ワクチンとして15価のバクニュバンスが使用できるようになったことです。

また、品川区では当クリニックがかねてから要望していた、男児へのHPVワクチンの接種費助成、10月からになりますが、乳児へのインフルエンザワクチンの助成が実施されることになりました。

予防接種全体でも高齢者へのワクチン接種が、インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン、新型コロナワクチンだけでなく、帯状疱疹ワクチン、RSウイルスワクチンも使用できようになりました。もはや、予防接種は小児だけでなく、全ての年代へその適応が広がってきています。

治療においても、分子標的治療薬、生物学的治療薬が一般の小児科診療でも使用できるようになってきています。これらの治療薬の効果は、驚くほどです。

コロナが開けて1年。令和6年度は、鈴の木こどもクリニックはさらに、進化し、お子さま、ご家族のために活動の幅を広げていきます。ご期待下さい。(2024.4.2)

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先週あたりから当クリニックに、麻疹ワクチンの相談が増えてきています。これは海外から帰国して、麻疹を発症した患者の報告が相次いでいると、テレビが報道したためと思われます。東京でも20歳代の女性、麻疹ワクチン未接種の5歳以下の小児の2名が、麻疹患者として報告されました。

東京都感染症情報センターの、過去10年間の麻疹患者数です(3月14日現在)。コロナ流行前の2019年には、東京でも、全国でも麻疹の患者が多数報告されましたが(品川区でも報告されました)、コロナ流行下では激減していました。それがコロナの流行が終わり、海外との人流が復活したため、また輸入麻疹が多く報告されるようになったのです。



テレビの報道で不安になって、1歳前の赤ちゃんに麻疹のワクチンを受けさせるか、お悩みの保護者もいるようです。しかし、東京では2名、全国でも10数名の患者数であり、今現在の流行状況なら麻疹患者に接触する可能性は低いため、あわてて1歳前の赤ちゃんに任意接種としてMRワクチンを受けさせる必要はないと当クリニックは考えます。

逆に1歳以上の定期接種年齢のお子さまは、なるべく早く接種を受けた方がよいでしょう。1歳、5歳の2回のMRワクチンの定期接種を、対象の95%以上の児が受けていれば、集団免疫によって麻疹の大流行は防げるのです。

しかし、現在MR1期は95.4%、MR2期は92.4%と95%を割っています。麻疹を発症した5歳以下の児も、未接種でした。脆弱な我が国のワクチン供給体制において、いつMRワクチンが不足し、供給制限がかかるか、予断を許さない状況です。

コロナ禍の中でのワクチンの接種疲れ、さらにワクチンに対する無知と偏見からくる接種率の低下のために、今世界中で麻疹が大流行しています。そのため、麻疹の流行地に旅行されるご家族は抗体検査と追加接種が必要と考えます。

麻疹の流行地としては、インド、パキスタン、インドネシア、マレーシア、中東地域などが挙げられます。(厚労省:麻しんについてより)



以上より、当クリニックは乳児のMRワクチン任意接種は行いません。1歳以上のMRワクチン接種については、なるべく早い接種をお勧めします。また、麻しん流行地に旅行されるご家族は、時間の余裕を持ってご相談下さい。
(2024.3.17)


2月20日(火)、「新生児・乳児におけるRSウイルス感染症の新たな予防戦略」という、インターネットシンポジウムを聴講しました。

講演1は、齋藤昭彦新潟大学小児科教授の「新生児・乳幼児におけるRSウイルス感染症の疾病負荷と予防の重要性」というお話しでした。

RSウイルス感染症はもともとインフルエンザの流行する前の、9~10月に流行する病気でした。ところが、新型コロナウイルス感染症が流行して以来、その流行は6~7月の夏場に前倒しされるようになりました。(グラフは、SmallBabyRSウイルス感染症の最新流行情報から)



また、RSウイルス感染症は、現在抗RSVモノクローナル抗体治療薬であるシナジス(パリビスマブ)による発病予防が行われていますが、この抗体注射は未熟児や心臓病、免疫不全などリスクの高い赤ちゃんにしか使用できません。

しかし、 RSウイルス感染症は2歳未満では重症になりやすく、発病した患者の25%が入院し、7%が人工呼吸が必要となった、インフルエンザよりはるかに重い病気です。しかも、シナジスが注射できるようなリスクがある児は全体の10%にすぎず、90%はもともと健康な乳幼児がRSウイルス感染症になり重症となった、と報告されています。

そして、2024年6月に、アレックスビーに次いで新しいRSワクチン、アブリスボが発売されることになりました。

これについて、講演2では、倉澤健太郎横浜市大産婦人科診療教授による「生まれてくる赤ちゃんのためのRSウイルス感染予防-妊婦に接種するワクチン「アブリスボ」への期待」の講演が行われました。

アブリスボは RSウイルスのF蛋白(抗原)の遺伝子組換えワクチンです。RSウイルスのF蛋白に対する抗体を誘導します。

先に登場したやはり遺伝子組換えRSワクチンであるアレックスビーが、60歳以上の高齢者の肺炎予防に使用されるに対し、アブリスボは妊婦に接種することにより、RSウイルス感染症が特に重症化しやすい生まれたばかりの赤ちゃんをRSウイルス感染症から守るために使用されます。

妊婦に接種しますが、MATISSE試験の報告では、特に妊婦に問題になる副反応もなく、また児への発病予防効果も認められました。

当クリニックは小児科専門クリニックであり、アレックスビーは60歳以上の高齢者用ワクチンであることから、取り扱いはいたしません。しかし、アブリスボに関しては、妊婦に接種することと、最大の受益者が新生児・乳児であることから、妊娠中のかかりつけの患者さんがアブリズボの接種を希望する場合は、当クリニックは接種できる体制をつくりあげてまいります。
(2024.2.22)


そろそろスギ花粉の飛散が始まったようで、目が痒い、くしゃみ、鼻水が止まらないという花粉症の症状で受診するお子さまが増えてきました。当クリニックでは、シダキュアによる免疫舌下療法に加えて、今シーズンからゾレアという抗体注射薬による新しい花粉症の治療を始めました。

ゾレアはスギ花粉症の主要因である、IgE抗体という物質の働きを抑え、花粉症の症状を劇的に軽快させる注射薬です。ご興味のある患者さん、治療を希望される患者さんは、来院してご相談ください。
(2024.2.18)


2月11日(日)は建国記念の日、紀元節でしたね。この日は神武天皇が、奈良県樫原宮で即位されたという、伝説上の我が国の始まりの日です。

我が国は悠久の歴史を途切れることなく紡いできた、世界でも稀な美しい文明国家です。歴史を受け継ぎ、次の世代へこの美しい日本を、さらに豊かに美しく伝えていきたいですね。

ところで、我が国の創世記といえば、必ず邪馬台国についての話題が出てきます。九州にあった、大和にあった、さらに四国にあった、などといろいろな説が唱えられていますが、最近非常に興味ある新しい見解を目にしました。

『完全版』邪馬台国の場所が判明!歴史のミステリーがついに解明される!

非常に説得力のある意見だと当クリニックは思いましたが、かかりつけの皆さんはどう思われますか。
(2024.2.11)


1月が終わり、アトリウムをゆったりと泳いでいた七連四角凧はお役御免で引き揚げ、代わりにカモメが優雅に羽ばたくようになりました。



また、1階受付カウンターの屋根には、鉄道を敷設しました。小型ディーゼル機関車(DC51)が時刻表通りに運行しています。時間が合えば、DC51の可愛い走りをふなっしーやプーさんと一緒に見ることができるかもしれませんよ!



2月3日の節分も過ぎたので、1階待合エリアの飾り窓には桃の節句の雛人形を飾りました。2月5日には東京でも雪が積もりましたが、立春も過ぎて、春が待ち遠しいですね。
(2024.2.7)





2月1日(木)、第2回品川区子ども・子育て会議が中小企業センターで開催され、委員として参加しました。今回はまず、いくつかの保育園が名称変更したり、認証から認可保育園に移行したことが報告され、審議されました。

次に「品川区内保育園等ありかた基本方針」素案が区保育課より提示され、意見聴取が行われました。

区内保育所の今後の体制としては、
①まず区内の公立、私立の保育園は、全ての年齢・地域で現在、空きが出ている状況である。
②区内保育園全体を再編成し、一部の保育園を統合したり、 区立保育園を民営化したりして、スリム化する。
③その一方、区立保育園の中から、統括機能や在宅子育てを担うリーダー的な統括園と、 区内保育園を研修・訪問しサポートするサポーター園を選び、中核保育園として指定する。
という内容でした。

人口動態で見ると、品川区の人口は増え続け、2041年にピークを迎えると推定されています。また、幼少人口は、04歳はゆるやかに減少していきますが、59歳はまだ当分増加するため、 不定期な保育ニーズや配慮が必要な子どもへの対応など、まだまだ検討すべき課題が多いとのことでした。

その後、第1回会議に引き続き、空き定員等を活用した未就学児の預かり事業の紹介、 「こども基本法」から求められた、子ども計画を品川区でも策定の準備を行うという説明がありました。

待機児童はほぼ解消されましたが、今後は保育の質が問われています。当クリニックも品川区の保育園の質を高め、お子さまが豊かな感性を磨きつつ健やかに成長できるよう、子ども・子育て会議の場でも積極的な働きかけを行っていきたいと考えています。
(2024.2.4)


明日2月1日から、いよいよ中学受験の頂上決戦ですね。いままで培ってきた力で頑張りましょう。鈴の木でワクチンした人は大丈夫!みんなで応援していますよ!頑張れ、受験生!(2024.1.31)


今シーズンのインフルエンザワクチン接種は、1月30日(火)で終了いたしました。今シーズンもご利用ありがとうございました。また、何かお気づきの点がありましたら、お配りしたアンケートにご記載をお願いいたします。
(2024.1.31)


はや2024年の1月も、過ぎようとしています。

正月の気分も冷めないうちに、インフルエンザがA型もB型も大流行し、新型コロナも再び拡大しています。しかも、現在、溶連菌感染症に関しては、迅速診断キットは全く入荷できず、また標準的な治療薬であるペニシリン系の抗菌剤も十分に供給されていない状況です。

「医療費がかかりすぎる、財政を圧迫する」などとそろばん勘定だけの財務省が根回しし、日経を始めとする番犬マスコミ記者、ヒモ付き御用学者がその手先となり、愚かにも騒ぎまくって医療費を無理に抑制した結果、私たちが当たり前に良質の医療を受ける事が最早できなくなってしまいました。薬不足、検査キット不足は半年経っても、全く解消されていないのです。

患者さんのために最良の医療を行いたいと願っているのに、よりましな診療しか選択できないという、何ともやりきれない日々が続いています。本当に残念です。
(2024.1.28)


「鬼は外!福は内!」、少しでも災いが退散するように、1階待合エリアの飾り窓に節分の鬼をかざりました。
(2024.1.28)




1月9日(火)から新年の診察を始めました。まだ患者さんは少なかったのですが、A型インフルエンザ、溶連菌感染症、感染性胃腸炎が徐々に増えてきて、1月13日(土)は随分混んで、来院した患者さんには大分お待たせして、申し訳ございませんでした。

少しでもお子さまとお待ちの間、楽しく過ごせるよう、今年も七連四角凧をアトリウムに揚げました。気持ちよさそうにアトリウムを泳いでいます。



また、クリスマスのオーナメントを取り去った後の鈴の木の森に、もののけ姫のシシ神の森の精霊=コダマが住みついたようです。お子さまと探してみるのも、楽しいかもしれませんね。

1階待合エリアの飾り窓も、正月バージョンに模様替えしました。

令和6年も鈴の木こどもクリニックは、お子さまとお母さまが楽しくお待ちいただけるよう、遊び心満載のクリニックに変身していきますので、ご期待して下さいね。(2024.1.13)


2024年令和六年、新年あけましておめでとうございます。



新型コロナウイルス感染症が感染法上5類扱いになった途端、マスコミ主導による感染予防対策の緩みから、さまざまな感染症が爆発的に流行した半年間でした。しかも、流行の中で医薬品、検査キットが枯渇し、医療現場は今危機的状況に陥っています。

2024年、正月明けから季節性インフルエンザ感染症、溶連菌感染症、急性胃腸炎などいっせいに再燃しそうな情勢です。しかも、薬も検査キットも不足しています。

元旦に能登半島に大地震が起こり、被災地の方々は大変なご苦労と思います。鈴の木こどもクリニックは大地震で命を落とされた方々のご冥福をお祈りし、ご遺族の方々にお悔やみを申し上げます。そして、被災されたすべての方へ、衷心からのお見舞いを申し上げます。

2024年は激動と動乱の幕開けとなりました。

鈴の木こどもクリニックは、かかりつけの患者さんの健康と幸せを守るために、全力を尽します。診療活動とさまざまな情報発信を強化いたします。

かかりつけの患者さんも、個人防衛とご家族を感染症から守るため、しっかりマスクを装着し、手洗いを励行し、コロナ禍の中で築き上げてきた、感染予防対策を徹底しましょう。

2024年も、変わらず鈴の木こどもクリニックを、よろしくお願いいたします。(2024.1.1)

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