百日咳の流行は止まりません。今の感染状況から推定すると、患者は10000人を優に突破する勢いです。すでに死亡者も出てしまいました。これは、ひとえに厚労省の役人達の不作為によるものです。
四種混合ワクチンの効果が4~5年で切れてしまうことは、すでにさまざまなデータから明らかにされていました。新型コロナウイルス感染症の三密対策で多くの感染症の流行が鎮静化していましたが、百日咳がいつ大流行してもおかしくない状況だったのです。火を付ければ燃え上がる枯れ草の山が長い間放置されてきて、今中国から点火されて、大規模な山火事になってしまったのでした。
抗体保有状況 年齢別の抗PT IgG抗体および抗FHA IgG抗体の保有状況について図1に示した。乳児の発症防御レベルとされる10 EU/mL以上の抗PT IgG抗体の保有率についてみると, 0-5か月では33%であったが, 6-11か月で93%に上昇した。1~3歳は50%前後(41~57%)の抗体保有率であったが,
4~7歳は40%未満(26~38%)に低下した。以降, 加齢とともに上昇傾向がみられ, 8~10歳は50%前後(43~54%), 11~16歳は概ね60~70%台(57~75%),
17歳以上は概ね70~80%台(65~88%)の抗体保有率であった。 百日咳の抗体保有状況および乳幼児の百日咳予防接種状況の推移―2017年 感染症流行予測調査より
この間、多くの専門家が百日咳含有ワクチンの追加接種の必要性を指摘し、訴えてきました。しかし、厚労省の中央官僚も、「国の動向を見て」を繰り返す人達も、これらの意見・要望に見て見ぬふりをしてきました。
もちろん現場の小児科医と問題意識と危機感を共有し、「国の動向を見て」などと逃げず、積極的に子どものための施策を打つ、極めて優秀で尊敬すべき保健所の公衆衛生の専門家もいました。(先進的な取組を行う、八王子市の予防接種の案内)
またまた中国で発生した抗生剤が効かない、たちの悪いマクロライド耐性百日咳(MRBP)が今我が国でも急速に広がり、そして品川区でも蔓延しています。
中国でも2008年頃までは数株のMRBPが検出される程度であったが、その後急速に分布が拡大していき、中国本土は現在MRBPの蔓延状態となっている(Yang
Y, 2015、Feng Y, 2021)。さらには、2023年後半より百日咳患者報告が爆発的に増加しており、その主体がMRBP であることが示された(Yahong
H, 2024、Fu P, 2024)。 百日咳の発生状況について
品川区の小学校でも、百日咳が流行しています。
行政が動かないならば、私たちは自分達で自衛するしかありません。抗生剤の効かない百日咳に対し、かかりつけの患者さん全てに、当クリニックはDPT(三種混合ワクチン)の接種を呼びかけます。
すでに意識の高い、当クリニックのかかりつけの患者さんの中には、当クリニックと危機意識を共有され、DPT接種を希望され、接種を受ける方が出始めています。
当クリニックに信頼をよせて来院してくださる、大切な当クリニックのかかりつけの患者さんに対し、鈴の木こどもクリニックは三種混合ワクチントリビックの早急な接種を強く呼びかけます(詳細はこちら)。生まれたばかりの小さな品川区民が、悲しい犠牲者になる前に最善の行動を選びましょう。(2025.4.21)
桜も散って、春は駆け足で過ぎ去っていきます。お子さまも新しい環境に慣れてきて、楽しそうに登園されていることでしょう。
お楽しみのゴールデンウィークも近づいてきましたね。ゴールデンウィーク中、5月5日は端午(たんご)の節句、こどもの日です。鯉のぼりは品川区では立てることは難しいかもしれませんが、小さな五月人形はおうちの中で飾って、みなでお祝いしたいものですね。
5月5日の端午の節句は、元々男の子が元気に成長することを願う、我が国の伝統的な行事でした。兜(かぶと)や鎧(よろい)、五月人形を家の中に飾り、家の外には勇壮な鯉のぼりを5月の風に泳がせ、菖蒲(しょうぶ)湯に入り、粽(ちまき)、柏(かしわ)餅を食べて、家族みなでお祝いする日だったのです。また、葉菖蒲を軒先に吊るしたり、葉を浮かべて湯に入ったりする行いから、菖蒲(しょうぶ)の節句とも呼ばれます。この菖蒲という言葉には、力強く勇敢な男になるようにと願う、尚武(しょうぶ)という意味も重ねてあるのですね。
旧暦で5月にあたる午(うま)の月の最初の日、5月5日が端午の節句です。端午の節句は、五節句のうち、3月3日の上巳(じょうし)の節句の次に来るものです。(2月9日の雛祭りの稿も、お読みになってくださいね)
はるか昔、中国春秋時代の悲劇の詩人、屈原の入水した5月5日を、偉人を偲びお祭りした、中国古来の端午の節句が、奈良時代に我が国にも伝わりました。そして、時代が下り、江戸時代には正式な祝日、「式日」となったのです。
江戸時代に徳川将軍家に男児が誕生すると、幟(のぼり)を立てて、盛大にお祝い行事が行われました。この行事は武家にも伝わり、武家でも跡継ぎの男の子が生まれると、端午の節句に兜や幟旗を飾って祝いました。その武家の行事が庶民にも広まっていき、庶民は幟ではなく、鯉の幟を立ててお祝いをしました。
こうして、端午の節句は男の子の誕生を祝い、その健やかな成長を祈る行事として普及していったのです。
鎌倉時代から南北朝時代のころ、武士は戦に出陣する前に武運を願って神社に参拝し、戦から戻った後には、感謝の意味を込めて自分の甲冑などを奉納したそうです。「奉納鎧飾り」が端午の節句に、兜や鎧、五月人形を飾る始まりとされ、これらの飾りは「魔よけ」という意味を持ち、「わが子を災難から守る」ために飾られてきたのでした。
一方、鯉のぼりは、武家で飾られてきた「幟(のぼり)」に、庶民が飾っていた鯉のぼりが合わさったものです。
鯉のぼりの鯉は、中国の黄河の上流に龍門という滝があり、この急流を登り切った鯉は龍となって天へ昇るという、「登龍門」の故事に由来しています。鯉のぼりの鯉は、生命の強さと「立身出世」を象徴しているのですね。
男の子のお祭りだった端午の節句は、戦後1948年の祝日法によって、こどもの日として、子どもの幸福を願い、母に感謝する祝日となりました。
当クリニックもまた、端午の節句を祝い、待合エリアには武者人形、中央アトリウムには鯉のぼりを設置しました!
当クリニックの鯉のぼりは、五色の吹き流しと患者さんのお父さんの真鯉(黒)、お母さんの緋鯉(赤)、子どもたちの子鯉(青と緑)の鈴の子ファミリーに、当クリニックスタッフを示す小さな真鯉(先生)と緋鯉(スタッフ)も一緒に加えさせていただきました。また、鯉のぼりのタペストリーも吊り下げています。
5月5日は、男の子がたくましく元気に成長をすることを願う日(端午の節句)であり、すべての子どもたちが幸せに育つことをお祝いする日(こどもの日)でもあります。
すべてのかかりつけのお子さま達の健やかな成長を、当クリニックも心からお祈りし、お祝いいたします!(2025.4.20)
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4月7日、8日に行われた入園式や入学式、始業式も終わって、お子さま達も希望に胸を膨らませながら、新しい生活を始められたことでしょう。
新入学、入園、おめでとうございます。ただ、お子さまも慣れない新生活で疲れがたまっていくでしょう。週末はゆっくり家族みんなで休息を取って、体力の回復に努めたいものですね。
雪も降った月初めの荒れた天候も、ようやく春らしく、穏やかで暖かい日が続くようになりました。スギ花粉の飛散のピークも過ぎようとしています。
ここしばらくは、鼻かぜと胃腸炎が目立つ程度の、おちついた日々が続きそうです。しかし、今全世界的に麻疹が流行しています。また、治療薬の効かない百日咳も虎視眈々と我が国に侵入する機会を窺っています。区から予防接種のお知らせが来たら、なるべく早く接種を受けて下さいね。(2025.4.9)
3月19日(水)、令和6年度第4回品川区子ども・子育て会議が、中小企業センターで開催されました。区事務局より「品川区こども計画」の最終案が示され、審議が行われました。
品川区こども計画は、「こどもまんなか・ウェルビーイングシティしながわ」をつくるため、①妊娠初期からの子育ち、親育ちを支援する。②子ども・若者の健全な成長・学びを支援する。③子ども・若者の自立と社会参加を支援する。④困難を抱える子ども・若者・家庭を支える地域の取組を強化する。⑤子ども・若者が居心地良く過ごすために、充実した環境を整備する。という5つの基本方針に基づいて構成されています。
品川区が行ってきたさまざまな取組みが網羅されており、いかに実際に使いこなすかがポイントになりそうです。当クリニックもかかりつけの患者さんに、折に触れて子ども計画の各項目をご紹介し、実際にご利用できるようアドバイスしていきたい、と思います。(2025.3.23)
3月19日(水)は季節外れの雪が降りましたが、3月20日(木)からはようやく春の確かな訪れを感じられる、暖かさとなりましたね。さくらの開花もまもなくです。
クリニックの待合エリアのディスプレイも、一足先に春満開となっています。もうすぐ、新入学、新学年…、4月が待ち遠しいですね。(2025.3.23)
新型コロナウイルス感染症の流行時、外出を控えたために予防接種の受けそびれた人を救済するための「コロナ延長」が2025年5月7日で終了します。
5月7日までは「コロナ延長」が適用できるので、予防接種の期限が過ぎてしまったお子さまも、この「コロナ延長」を適用すれば、無料で接種ができる場合があります。定期予防接種、おたふくワクチンの接種漏れがある方は、なるべく早く鈴木院長までご相談下さい。(2025.3.9)
新型コロナウイルス感染症がまだちらほら見られますが、インフルエンザはすっかり姿を消したようです。今週は春の陽気のようでしたが、来週はまた極寒で、雪が降るという予報もあるようです。嫌ですね。
この数日、暖かい日が続いたせいか、スギ花粉の飛散が増えているようで、鼻水、鼻詰まり、くしゃみ、眼のかゆみで受診する患者さんが増えています。花粉症には新しい治療薬も登場し、お子さまに適した治療の選択肢が増えてきています。お母さまの治療も行いますよ。花粉症の症状が出始めたら、なるべく早い受診をお勧めします(→花粉症)。(2025.3.1)
2月3日の立春が過ぎたというのに、大寒波襲来で毎日極寒の日々が続いています。でも寒い中にも、ふっと春の気配を感じるひと時があります。まちがいなく、春はそっと近づいてきているようですね。
クリニックも立春を迎え、恒例のお内裏様、お雛様を飾りました。また、アトリウムにも、ひな人形のタペストリーを飾りました。
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ひな祭りは五節句の一つである「上巳(じょうし)の節句」のお祝い事で、女の子の成長と健康を祈願する行事です。江戸時代に、現在のようなおひな様を飾るお祝い事になったそうです。
ひな祭りはまた、春を代表する行事でもあります。 旧暦の「上巳の節句」は現在の暦では4月10日頃にあたり、この頃に咲く桃には女の子を守る魔よけの力があると言い伝えられてきたことから、ひな祭りには、ひな人形とともに桃の花を飾るようになったそうです。それで、「上巳の節句」は、「桃の節句」とも言われているのですね。
古くから我が国では、桃は魔よけの力を持つといわれてきましたが、中国でも不老長寿や魔よけのアイテムとして、桃の木が親しまれてきました。三国志にも、桃園の誓いが出てきますね。
我が国には季節に応じて、春夏秋冬さまざまな伝統行事が伝えられています。この素晴らしい伝統文化を、家族でお祝いし、お子さまたちにも大切に伝えていきたいですね。(2025.2.9)
インフルエンザの流行がほぼ収束に向かっています。(国立感染症研究所のインフルエンザ流行状況)
今シーズンはH1A型(いわゆる新型インフルエンザ)が流行し、昨シーズンに比べて、成人の罹患が多かったようです。これは、昨シーズンはH3A型(いわゆる香港型インフルエンザ)とH1A型が流行し、小児の罹患が比較的多かったのに対し、成人層の罹患が相対的に少なかったことと、今シーズンは、成人のインフルエンザワクチン接種が例年より少なかったことが関係していると思われます。
インフルエンザワクチンも経鼻生ワクチンが登場したり、高齢者用の高力価不活化ワクチンが開発されたり、さまざまな進歩がみられます。
当クリニックもリアルタイムに情報は発信していきますので、かかりつけの患者さんは参考になさってください。(2025.2.2)
国立感染症研究所HP。全国のインフルエンザ患者数。
中国の旧正月が始まり、大量の観光客が入国してくる状況です。
それと共に、ヒトメタニューモウイルス感染症(hMPV)が持ち込まれるぞーと、またもや煽りに煽りまくる、下劣なマスコミ報道が始まっています(その1例-講談社フライデー1月28日から春節で感染拡大は必至か…中国発″第二のコロナ″
ヒトメタニューモウイルスが日本を襲う)。
ヒトメタニューモウイルス感染症は、我が国でもふつうに流行している感染症です(ヒトメタニューモウイルス感染症)。RSウイルス感染症と同じように喘鳴を起こしますが、「ヒトメタニューモウイルス感染症ではないですか!」などと飛び抜けて心配しなければならない、危険な感染症ではありません。
当クリニックではヒトメタニューモウイルス感染症が疑われる場合は検査を行い、症状の応じた適切な治療を行います。また、ヒトメタニューモウイルス感染症の疑いが認められない場合は、ご希望があっても検査はできません。(2025.2.2)
2025年2月2日(日)は節分ですね。節分は立春の前日、それで今年は2月2日になりました。
古代中国伝来の平安宮廷で行われていた追儺(ついな)、鬼遣(おにやらい)の儀式が庶民に広まったという、豆まきをご家庭でも元気に行いましょう!
「鬼は外!福は内!」と元気に皆で豆(魔目)を鬼にぶつけて、鬼=邪気を家庭から追い払いたいですね。
国民を苦しめるだけの魑魅魍魎が跋扈する、年頭から暗い話題か多すぎる2025年が、「魔滅(まめ)」の年になるよう、皆で節分を盛り上げていきたいですね。(2025.2.1)
2025年1月も、今日で終りです。そして、明日からは、いよいよ中学受験の天王山が始まりますね。
インフルエンザワクチンを鈴の木こどもクリニックで接種した受験生の皆さん。一発合格の願いを込めて、ワクチン接種を行いました。
この特別の日は、なぜか毎年雪が降ります。明日から全力で頑張ってください。クリニックも力一杯応援しています!(2025.1.31)
インフルエンザの流行が続いていますが、またぞろ、視聴率稼ぎの下劣なTVワイドショウのお祭り騒ぎが始まりました。
「年末年始、100人も患者が押しかけました!」(年末年始は多くの病院が休診のため、診療している一部の病院に患者が集中するのは当たり前です)。「インフルエンザの特効薬タミフルがなくなりそうです!」(タミフルは、インフルエンザの特効薬ではありません。飲めば発熱期間は短縮しますが、インフルエンザを治すわけではありません。そもそも、タミフルを飲むと頭がおかしくなる!と大騒ぎしていたのは、どこの誰だったでしょうか。→第二次タミフル騒動について)。
「過去10年来で最悪の患者数!」とさかんに煽っていますが、1月はより患者数が多いシーズンもあり、2024-5年シーズンは流行の規模は大きいものの、過去に類を見ない大流行というほどではありません。
そして、コロナ騒動の時のワイドショウでおなじみだった顔ぶれが、今度はまたぞろ「インフルエンザの専門家」の肩書きでしゃしゃりでてきて、コロナの時と同じように危機感を煽っています。少なくてもTVワイドショウなどに嬉々として出演する”コメンテーター”医師に、本当の専門家はほとんどいません。
国立感染症研究所HP。全国のインフルエンザ患者数。
しかし残念ながら、TVワイドショウがバカ騒ぎすると面白いように操られ、頭に血を上らせて右往左往する人達が出てきます(最近では、お米騒動がありましたね)。
そしてこのような人に限って、インフルエンザワクチンを接種していません。マスクをしていません。かかりつけのクリニックを持っていません。どこでも相手にされないため、グーグルに悪口を書き散らしながら、医療機関を徘徊するのです。
オールドメディアである、今や全く信頼性の失墜したエンタメ番組であるワイドショウの視聴率稼ぎの煽り放送に、ひっかかってはいけません。当クリニックかかりつけの患者さんは、当クリニックの発信するファクトに基づく情報をもとに賢く行動し、ご家族とお子さまをお守り下さい。
当クリニックは第3の親として、常にかかりつけの患者さんに寄り添い、信頼できる情報を発信しながら、共に歩んでまいります。(2025.1.12)
またXマスが終わって2週間も経ってはいないのですが、はや新年を迎えて、鈴の木こどもクリニックも目まぐるしくお正月バージョンに変身しました。
1階中央アトリウムでは、七連四角凧が元気によく泳いでいます。また、1階待合エリアの飾り窓にも、鏡餅と門松を飾りました。
令和7年の装いも新たに変身した鈴の木こどもクリニックは、1月6日(月)かかりつけの患者さんのご来院を、心からお待ちしています。(2025.1.1)
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2025年、令和七年、新年明けましておめでとうございます。
2024年は激動の年でした。私たちの一票が、それが賢い選択ならば、実際に政治を動かすことができることが実証された、歴史的な年でした。
しかし、その半面、言語の決定的軽さ、言語の圧倒的なひ弱さが、白日の下に曝された年でもありました。
いくら正しい主張を行っても、いくらその意見が真実であろうとも、悪意あるデマゴギーを撒き散らしながら、有無を言わさずにさまざまな力を行使して現状を改悪してしまうという邪悪で強大な勢力が、幅をきかせている悲しい現実を何回となく目撃したり、体験させられた1年でもありました。
私たちの愛しい子どもたちが、少しでも希望に満ちた、幸せで健やかな未来を掴むことができるよう、鈴の木こどもクリニックは令和七年、心あるかかりつけの患者さんとともに考え、行動していきたいと思っています。(2025.1.1)